邪魔しないで
森の奥深くの深く掘られた穴の中に放り込まれた。
穴の底に横たわった身体に土砂が次々と被せられる。
死への恐怖からか、生きて行く上で必要な全ての責務から解放される歓喜からか。
心臓の鼓動が、何時もの数倍の速さで打ち鳴らされている。
肺に気管に口に鼻に土砂が次々と入り込む。
苦しさから逃れようと身体が弓形に反り返った。
息絶えた身体の上に土砂が被され暗黒の世界に閉じ込められる。
身体は暗黒の世界に住む住人たちにより何時の日か土に還る。
願わくば、肉体の全てが土に還るまで私の眠りが邪魔されない事を切に願う。