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-39- 天水(てんすい)

 他の短編集でもタイトルとしたが、天水(てんすい)とは、人の力ではどうすることも出来ない自然現象を指し、アレコレと画策するのは無駄なことを意味する。今の世相の一例を挙げれば温暖化が該当する。何年受験しても不合格となるのも天水だ。もう、やめなさい! と天が忠告しているのである。^^

 山室(やまむろ)は今年で五回目の大学受験に臨もうとしていた。^^

「山室君、来年はやめた方がいいよ…」

「先生、今年は受かりそうな気がするんですが…」

「君は毎年そう言ってるじゃないか」

「はあ、それはまあ、そうなんですが…」

 卒業した高校の進路指導を担当する教諭と、山室は今年も同じ教室の一角で話し合っていた。五年目である。^^

「天水には逆らえんよ、山室君」

「天水? 先生、なんですか、それは?」

「だから天水だよ。降る雨は止められんだろ」

「ええ…」

「今の世相は、何をするにも天水が増えてる」

「たとえば?」

「ポイ捨てゴミだよ。君が受験を諦めんようなもんだ、ハハハ…」

 山室は、何がハハハだ…とは思ったが、生徒と教師の関係ではどうしようもく、思うにとどめた。

 天水となる事柄は、奮闘せずに早くやめた方がいいようです。しかし、それにしても住みにくくなった世相ですね。^^


                   完

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