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-25- 油断

 最近の世相は一瞬の油断も出来ないほど(すさ)んでいる。それを物語るポイ捨てゴミの氾濫に、ああ、嫌な世相になった…と失望するばかりだ。とはいえ、この世相の現実を拭うことも出来ず、(あきら)めて(つつ)ましく今まで通り生きよう…と思う次第です。^^

 川山は久しぶりに温泉旅をしていた。

『何年ぶりだろう…』

 車窓に流れる雪景色を見ながら川山は駅弁を鶏のように(つつ)きながら、時折り暖かい茶を飲んだ。駅弁と一緒に買ったお茶だが、この寒さでは冷めてしまう…と思えたからである。ところが、すでにお茶は冷えていた。油断である。詳細で綿密な計画を立てて家を出れば何の問題もなかった。駅弁を◎◎駅で買うとすれば、今の気温では冷めやすいから、魔法瓶のポットに熱湯で()れたお茶を注ぎ、持っていこう…と発想すればよかった訳である。ところが、である。その小さな油断が幸いした。魔法瓶のポットを持って出た油断しないもう一人の川山の場合は、迂闊にも温泉宿で持参した魔法瓶ポットを忘れて旅館を出ていたのである。ということは、結果オーライだった訳だ。そんなことになっている未来を川山が知るべくもなかった。川山は、とある地方の有名温泉で寛ぎ、ゆったりと日々の疲れを取って帰宅の途についた。

 今の世相は逆手(さかて)に取って油断することで、案外と上手(うま)く生きていけるのかも知れません。^^


                   完

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