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-19- 令

 双方のどちらかが令すれば、フラット[平坦]な関係は双方から生まれない。天秤で双方の関係を例えれば、均衡ではなく傾くことになる。傾いた低い位置から高い位置を見た場合は御令嬢、御令息などと(あが)めることになり、逆に高い位置から低い位置を見た場合だと、指令、発令、命令などと上から目線になる訳だ[心理も含まれる]。^^ 要するに、両者はフラットな関係にはならない訳である。関係がフラットにならなければ、双方が(なご)む訳はなく、両者の関係に平穏は訪れない。低い方は何を偉そうにっ! と↑を望むだろうし、高い方は益々、令する↓の考えを深めるだろう。困ったことに、これでは発展形の未来は望めないだろう。^^;

 課長の山岡はアングリとした顔で不貞腐れていた。というのも、後輩の社員で課長補佐の海崎から間違いを指摘されたからである。関係からいえば、山岡↓海崎なのだが、指摘された内容が正しければ海崎↓山岡を甘受せねばならなかった。

「ははは…そうだったか。それはそうかも知れんな。まあ、明日までに検討しておくよ」

「検討では困ります。すぐに代替え策を考えて頂かないと…」

 海崎は強硬に令して言い張った。これでは益々、二人の関係は海崎↓↓山岡となってしまい、課長としての面子(めんつ)は丸潰れだった。まあ仕方がない、ここは折れるか…と山岡は海崎の言い分を通すことにした。

「そうか…。では、君が策を考えてくれんか。私は部長から指示された案件を処理しないといけないからね…」

「分かりました。策は立てますが、それでよろしいんですねっ!」

「き、君に任せるよ…」

 部下に令された山岡は、かろうじて体面を守った。

 その後、その問題がどうなったのか、私は知らない。

 最近のサラリマンは令したり令することが多く、気楽な稼業とは言えないようですね。^^


                   完


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