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-100- あの頃は…

 早いもので、この短編集も、いよいよ最終話となった。-1-から書き連ねて感じたことといえば、過ぎ去ったよき時代の世相である。ああ、あの頃は…といった具合だ。飽くまであの頃であり、(あん)ころ(もち)ではない。^^ 付け加えるなら、餡衣(あんころも)餅→あんころ餅に変化したそうです。^^

 幸長(よしなが)は、ふと、あの頃は…と、よき時代を思い出していた。

『板垣退助の百円札があったら、卯尾矢の()うどん]が食べられたな…。そうそう、葱はただで、かけ放題やった…』

 そう思えるのは、今の世相の物価高だった。一万円が買い物で湯水のように消え去ったからでもある。なんと、物価が高くなったことか…。幸長は、今の世相を忘れることにした。何一つにしても、考えれば腹が立ったからである。幸長はふたたび、あの頃は…と、巡った。春の小川…菜種の黄色い花…レンゲのピンクの花…麦畑…と。今の世相は全てが消えていた。荒れ田に草が繁茂していた。幸長は見ないことにし、目を閉じた。瞼の裏に浮かんだのは一面、実った麦畑がだった。

 気分が滅入ったときは、あの頃は…と想い出すのがいいですね。^^


                   完

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