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死出の旅  作者: 清浄
第一章 溺れる者は藁をもすがる
2/55

2話

他人に認められたくて仕方なかったのは確かだった。努力すれば振り向いてくれるはず…と。


ただ晩年は…渇望しすぎて気持ち悪い存在かなと落ち込みもう乾ききったところだった。


何も望まないから安らかな死を願った時にもう一回頑張れと、あとは畑違いの努力を押し付けられたこと…鬼畜なのでしょうか




でも、乗せられた船といっても、努力した分だけ評価される世界には興味はある。

恵まれた人生に出会えるそんな予感がした

















生後直後に転生させられたようだ

顔を覗かる不快な気配で気づく

ぼんやりとした目を擦ろうとして自分の手が濡れていることに気づいた


生暖かい…


突然タオルで身体を拭かれた


「あなたの名前はイシューよ」


心の中でステータスと唱えた


名前 イシュー

 職業 魔法剣士(クラス1)

 0歳 男 レベル:1

 HP:2/2(15)

 スタミナ: 5/5

 MP:2/2(15)

 攻撃力:2(15)

 防御力:2(15)

 速 度:0.1(10)

 知 力:2(15)

 魅 力:100

 精神力:10

 幸 運:5

 固有スキル:なし

 スキル:なし

 補正:なし

 抑制 : なし

 耐性:時空間耐性 3

 加護:なし


ステータスが頭の中によぎり内心としては嬉しいと思う気持ちもある…。

ただ引っかかるとしたら…。魔法剣士…つまりは器用貧乏…バランスタイプってことだ


山岳地帯などの足場が悪く体力の消費が激しい場所ではAGIの観点から純正魔法使いよりは器用はされるだろう。


あとは熟練パーティーなら必ず入れるはずだ。体調を崩してしまう時もある。パーティーの安定性、有用性は期待がかかる


ただ、何をやってもトップクラスにはなれない努力の無駄使いで、心折れやすい

一流の努力家のみが戦闘で頼りにされる

最悪な努力職だ



クラス1というとクラスアップはどのようになるのか。生命線の分かれ目にはなるだろう。





ぼーっと次にやるべきことを考えていると、急に額に手がかかる感触を感じた


「あっ…その子は奴隷契約しなくていいからね」


「男の子が生まれたら、フィーリー様に売られる手筈になっているから」


「ああ…すみません。いつものくせで」


目がよく見えない、赤ん坊をいいことに好き勝手いってくれるがこれは人身売買とか奴隷売買の悪徳な輩に絡まれているってことだ


魅力だけが高いってのは引き継ぎ要素が影響にあるのかもしれない


とんでもないとこに転生させてくれる

どんな絵図をかいているのかは知らんがはっ倒してやりたい気分だ


「この子の未来を考えると…恐ろしい」


「宮廷魔道士の指南役が限界まで育ててみたいと申し出があった時には萎縮させられた」


「バランス型の職業適正でも、恵まれた環境化でなら…間違いなくご立派に育つことでしょうね」


「でも、何故奴隷では駄目なのでしょう?」


「奴隷の子どもは奴隷になることが多いが人権を全て剥奪されるわけではない。法律的にも労働時間は決まってるし暴力行為などに対しても使用者責任が問われる。奴隷的立場では逆に不具合もでてくるのだろう」



赤ん坊の時から出来る限り育成したがる鬼畜な人に売られるみたいだ

軍隊のような特殊訓練を受けさせられるのか…。限界まで育ててみたいという言葉の意味をどう捉えていいのかわからない


廃課金者レベルの育成なら一秒を無駄にできないし…効率化を図るだろう


転生する前の学生時代の部活でも限界まで追いやられたら辛いものがあった。汗は滝のように流れ、それでも集中力を切らさない精密さを要求された。休憩中は湯気を出しながら体育館の天井を朦朧と見つめていたのを久しぶりに思いだした。


アスリートを転生させてやってくれって感じだ。のんびりと楽しい生活はさせてもらえないと思うと辛いものがある

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