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周囲の人達もそれぞれに。

5

「せいっ!ふっん。ふんっ。せいっ!」

お嬢様が一心不乱に剣を振っています。

鼻息荒いです。頑張ってるのですね。

1歳の頃に専任に抜擢されてから見守っております。

最近のお嬢様は、ある王女様になるために頑張っておられるのです。申し訳ございません。ナタリーは、言葉にはいたしませんが目指すべき方を間違えているとしか思えないのです。

挿絵を見せていただきましたが、ガチムチマッチョのレディにしか見えません。お嬢様は、ガチムチマッチョになりたいのでしょうか。。。

あの時、不敬になろうともお止めすれば良かったのでしょうか。

ナタリーには、正解がわかりません。

大きな瞳を夜空の星より宝石よりキラキラして、ナタリーに教えてくださいました。

そんなお嬢様にお止めするよう伝えられる人は、いるのでしょうか。いないと断言できますね。

お嬢様が目標を立てて楽しそうにしている姿は、妖精……いえ、天使なのです。見てるだけで幸福のラッパが鳴り止みません。今も頑張っておられる姿に胸がいっぱいです。

あぁ、お嬢様、ナタリーは完璧にサポートします!


6

「アーロウ先生、どうですか?」

「もっと早く。」

「はいっ!!」

お父様が用意してくださった家庭教師は、Bランクの女冒険者だった。

名前は、アーロウ先生。

無口で目つき悪いけど、ポニーテールが可愛い!

剣術もすごくワイルドで太鼓がなってるようにブォンブォンどっかから鳴る。カッコイイ~!!

私は、週2回、アーロウ先生から教えてもらうことになった。

腹筋、腕立て、ランニングもする!

めちゃくちゃキツいけど、楽しい!ララも誘ったけど、トレーニング内容聞いて出来ないと青ざめてたなぁ。

「余計なこと考えるな。」

「はいっ!」

そして、兄様も時間が合えば一緒にやってくれるのだ。

嬉しい~!兄様と一緒にできることがあるってステキよね。

今まで何で気づかなかったのかしら?早く知ってれば良かったのになぁ。

「……2度目」

「すいません!」

一生懸命、剣を振る!振る!振る!振る!


どれくらいの時間が過ぎたかもわからなくなった頃、アーロウ先生が静かに終わりを告げた。

「今日は、ここまでです。」

「ハァハァ。ありがとうございました。アーロウ……せ、先……生」

息も絶え絶えに感謝の言葉を贈る。

アーロウ先生が私をじっと見下ろして私が立つのを待っている。

すぐ立ちたいけど、足がフルフルして立てない。

「ふぅ、ふぅ。」

アーロウ先生を見送らねば!と振り絞って立つ。

アーロウ先生が目を大きく開いて、驚いているように見える。

何か言いたいけど、無理。喋ったら座る。頑張れ!私!

フラフラしながらアーロウ先生を見送ると座り込んだ。

「お嬢様!頑張りましたね!」

ナタリーが優しい声で労ってくれる。

「歩けないよぅ。」

そんなナタリーに甘えちゃうのだ。

「ふふふ。仕方ないですねぇ。抱っこしますか?おんぶしますか?」

「……おんぶぅ。」

「かしこまりました。……どうぞ。」

ナタリーは、しゃがみ背中に乗るよう促す。

「ありがとう、ナタリー。」

ナタリーの背中、大好きだなぁーと思ってるうちに寝た。


7

「ルルちゃん、どういうこと?」

普段、笑顔がたえない王妃様が真面目な顔をして質問してきた。

うぅ。怖い。でも、負けない!

「はい、私はもっともっと勉強しなきゃだめだと感じてます。

ですから、これからお茶会は同席しかねます。」

「ルルちゃんは、今でも十分頑張っているわ。それにあまり根詰めてしまっては、いけないのよ。」

「ありがとうございます。お気持ちはありがたいのですが、それでは私の目標には到達できないのです。時間が足りません。ですから、申し訳ございません。」

ペコりとお辞儀をして誠意を表す。

「ルルちゃん……顔をおあげなさい。」

悲しそうな顔をする王妃様を見ると胸がチクチクする。でも、本当に時間がないのだ。お茶会などしてる暇など私にはない!

「申し訳ございません。」

「……わかったわ。残念だけど、本当に残念だけどお茶会には来れる時に来てね。」

「ありがとうございます。王妃様。」

再びお辞儀をする。

「そういえば、デリルとのお茶会はどうするの?」

「はい、デリル様ともお茶会はいたしません。」

「もう、話してあるの?」

「はい。」

「そうなのね。だけどね、婚約者同士の交流も必要なことよ?

疎かにして後悔しないようにしなくちゃいけないわ。」

「はい。ありがとうございます。ですが、未来のためにも必要だと思います。私は、決して後悔いたしません。」

私は、予言された未来なんかに負けたくないもの!

しっかりと王妃様を見つめた。

「決意してるのね。こんなに可愛いのに、そんな目をするなんてすごいわ。」

無言で3回目のお辞儀してその場を失礼することにした。

緊張したせいで足がガクブルです。

だけど、デリルとも王妃様ともお茶会しなくてすむようになったのだ!嬉しすぎる!気を抜くとニマニマしちゃう。

早くお家に帰ろう!失礼にならない早足でお城をあとにした。

私が帰宅した後にデリルと王妃様が言い合いをしてるとは、知ることはなかった。


8

僕は、ラデリック国第2王子デリル・ラ・ラデリック。

僕の婚約者は、かわいい。……とてもかわいい。

勉強そっちのけで走り回るのが好きだったり、甘いお菓子など食べ物が大好きだし、メイドや執事などにも身分関係なく声をかけて話してる。すました顔も楽しそうにする顔も手足が小さいのもかわいい。

……全部可愛いんだ。

勉強の後のお茶会で会えるのが楽しみだった。

最近、ルリィの様子がおかしい。楽しみだったお茶会も断られなくなってしまった。

僕のことを避けてるように感じてしまう。

あの時は、心がぐちゃぐちゃで黒く塗りつぶされる感じだった。

はぁ。危なかった。思い出しても理由を聞かなければ、どうにかなってしまったと思うよ。

これからのことを考えてもっと勉強しなければならないとか、ルリィの気持ちは嬉しかったけど、僕ともっと一緒にいてもいいんじゃない?

あー、困ったな。ルリィ不足すぎるよ。

僕は、チラリと部屋の奥の扉を見る。

あの部屋は、ルリィのための部屋。ギッシリ詰まった僕の気持ちのように様々なモノがあふれている。

部屋をみつめるているとやっぱり、顔は見ないとだめだよね。

うん。やっぱり、必要なことだな。

僕は、そそくさとルリィの勉強部屋へ直行することにした。


「?!!!」

しれっとルリィに挨拶して隣に座ると驚いたみたいで可愛い。

ふふ。

可愛いルリィの新しい表情が見れたことに僕の心は、満足している。早く大人になりたいなぁ。

そしたら、ずっと一緒にいてもいいのにね。

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