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7話 決
俺の気まずい顔を察したのか、お煎ちゃんは
『・・新吉・・さ・・』
困った様子を見せたが、俺はもっと困っていた・・安のアニキはそれを見て
『なるほど・・・そう言うことか・・新吉!いい娘さんじゃねぇか・・』
アニキは俺の肩をポンッと叩き、笑顔でウインクをすると
『旨くやりな・・・』
そう言うと居なくなったが、俺の嫌な予感と不安は増していくばかりだった・・・
『新吉さんのお友達?私・・邪魔しちゃった?』
『ううん、いいんだ!それよりお煎ちゃん、俺、喉カラッカラでよぉーお茶もらえるかなぁ!』
『うん!甘い物もあるの。いっぱい食べて元気だして!』
と、持ってきた物を広げて見せた
『おっ羊羹だ!俺大好物なんだよ羊羹!なんかいい予感がするかと思ったら、羊羹だ!』
俺の喜んだ顔にお煎ちゃんは嬉しそうに笑顔を魅せていた・・・そして、俺は羊羹とお茶を飲みながら決めたんだ!早く堅気になってお煎ちゃんの笑顔を絶やさない様にって
仕事を終えた俺は、真っ先にお頭の居る長屋に向かって走った・・・