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買物

あれから、なんとなく口数の減った俺。

チエは、明るくよく喋ってはいるけど、なんとなくぎこちなさを感じてる気がする。

それは単に俺にそう見えるだけなのかもしれないが…


 

翌朝、チエの作ってくれた朝食を一緒に取り、昼ご飯用にとスパゲティーとスープを温めて食べるように作ってから、彼女は出勤していった。

今日は自分のお弁当は作らず、わざわざ俺の為に、昼食の用意をしてくれていたらしい。

 

いい嫁さんになるな、チエは。


カナとは違う。

チエは男を立てる。間違いなく、守ってやりたくなるタイプだ。


カナは、男勝りで、男女間はあくまで対等。炊事は手伝い程度だったが、掃除や簡単なことは俺もやっていた。


カナは、腰に手を当て、腕で三角形を両サイドに作って、胸を張り、論理的に言いくるめるのが得意で、単純な俺はすぐに納得して、いいなりに…いや、実行していた。それが、別に嫌ではなく、逆にともに生活をしている証のような気がした。

 

言いたいことは、はっきり言うし、自己主張の強い分、存在感も大きくて、失ったものは大きくて、未だ喪失感が拭えない俺だったりする。

 


カナは、頼めば作ってくれただろうが、頼まれないのに、俺の為だけに、食事を作ったりはしない。

 

昼ご飯にチエの作ってくれた、スパゲティーとスープを温める。

一人きりの食事はとうに慣れたはずだけど、侘しさは払拭できない。

 

食事を終え、外出することにした。

知らない町をあてもなく歩くのは、悪くない。


ぶらぶらして、本屋を物色してると、携帯がなった


チエからの『帰るメール』だ。

チエにメールを返す。

出かけてるから、駅までチエを迎えに行くことを告げる。


出かけてることを咎める言葉が返ってきたものの、元気なのに閉じ込められてる不憫さを訴えると、チエも納得したようだ。


 

適当に時間をつぶしながら、駅に向かった。


駅の出口の見える場所の人通りの邪魔にならないとこで立ち止まる。

 

通り過ぎる人を眺めながら、チエを待つ。

誰かを待つのも、たまには悪くない。


数分後、チエが駅の改札から出てきた。

キョロキョロと周りを見回し、俺を見つけて、ぱぁっと笑顔浮かべて、駆けよってくる。


小動物見てるみたいで、俺は思わず吹出しそうになる。

 

「お待たせ」

俺の目をまっすぐに見つめて、チエは笑顔で言った。



今日の夕飯は俺が作ると提案して、『え〜、リョウちゃん作れるの!?』って、ちょっとバカにしてるチエを驚かせてやるために、一緒に食材を買いに行くことにした。


買い物カートを押しながら、他愛のない会話を交わして、食材を選んでくと、なんだかずっと前から、当たり前のように二人でこうしていたような気持ちになった。 


なんとなく感じていたぎこちなさは、消えていた。


チエといる時間は、俺にとって、安らぎであると、俺は感じ始めていた。

たとえ、チエが兄貴を好きだとしても…


長〜いブランクでしたが、またぼちぼち続きを書いていきたいと思っております。

よろしくお願いしますo(><)o

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