兄貴
兄貴は、ガキの頃、俺の憧れの存在だった。
何をやっていても、かっこよく見えて、マネばかりしてた。
親がよく、凌汰は凌汰なんだから、和彦のマネばかりしなくていいって、怒っていた。
親のいうことより、兄貴の言うことを聞いていたくらいで。
今、思えば、自分より2歳上の兄貴が、当たり前にできることが自分には、出来なくて、でも、俺は負けず嫌いとかじゃないから、できる兄貴がすごいなぁって感じてたんだよな。
兄貴は女にもてた。
バスケ部の部長をしていて、試合姿は、男の俺から見ても、文句なくカッコよかったし、リーダーシップもあり、頼り甲斐がある男だったし。
チエが兄貴を好きなのも納得がいく。
納得はいくんだか…
中学の頃、密かに好きだったクラスメートがいて、わりと仲良くて、いい感じだったコがいた。
ある日、そいつに告白された。
兄貴のことが好きだと…
仲をとりもってくれないかと…
俺の気持ちを知ってか知らずか兄貴はそのコと付き合うことはなかった。
だけど、俺はその時、悟ってしまった。
兄貴には敵わないことを…
兄貴相手に戦わないことを選んでいた。
マネばかりしてたガキの頃から一転して、兄貴から距離をとることにして、違う高校を選んだ。
俺は兄貴には勝てないことに、気付いたんだ。
兄貴のことは、今も尊敬してる
兄貴が嫌いじゃなくて、遠い存在だと思うことにしていたんだ。
チエが兄貴を好きなら、俺は…
?〜♪〜
メールの着信を知らせて、携帯がなった。
"仕事、終わったよ〜。今から帰りますo(≧∀≦)o"
チエからだった。
"お疲れさん"
返事を返しながら、チエに甘え過ぎちゃいけないと思ってる自分がいた。
ちょっぴり遅くなりました。
第6話です。
兄貴コンプレックス…ブラコンですね( ̄▽ ̄;)
チエとリョータがもどかしい今日この頃。
進行はするのか、しないのか、乞うご期待 o(≧∀≦)o
次回もお付き合い、お願いしますm(_ _)m