翌朝
サブタイトルが安易になってます(^^;
まんまです。
では、チエとリョータのほのぼのぶりを愉しんでください (*^▽^*)/
俺の腕の中、彼女は甘えるように、すり寄ってくる。
『ずぅっと、こうしてたいね』
そう言う君に賛成なのだけど、態度には出さない。
『案外、簡単に別れるかも』
『そんなことないよ』
心とは裏腹にわざと冷たい態度をとる俺を彼女はすぐに否定した。
『だって、リョータのこと、大好きだもん』
くすくす笑いながら、嬉しそうに彼女は俺を上目遣いに見る。
そんな姿が可愛くて、愛しくて、彼女のウエストに廻す手に力を込める。
『大好きよ、リョータ』
そう言って笑う彼女…
そして、俺はこれが夢だと気付いてしまう
まだ心地いい夢のまどろみの中なのに、カナを抱きしめてるのは、夢なんだ。
そう確信した時、目を覚ました。見慣れない景色。そうだ、チエの家だった…
腕の中にいたはずのカナはいない。
2年以上経つというのに、未だきえない温もり、感触。
目覚めると、当たり前に隣にいた君はいない。
手を伸ばせば、触れられた。
近すぎて、喧嘩もした。時に傷つけあった。
それでも、背中向けたままでも、ひとつのベットで眠った。
翌朝には、自然と仲直りした。
だけど、もう…
君はいない
重たい身体をゆっくりと起こして、布団から出る。
チエのアパートは、2LDKで、別々の部屋で眠った…当たり前だが。
部屋を出て、顔でも洗いに行こうとすると、チエはキッチンにエプロン姿で、何かを作ってる。
その姿に、荒れてた気持ちが和む。
「おはよっ」
チエは朝から、元気だ。
「おはよう。早起きだな」
他愛ない挨拶も、なんだか久しぶりで、いいものだと思う。
「なんだか、眠れなくて、早く目が覚めちゃった」
食卓には、玉子焼きとウインナーにハンバーグの入ったお弁当が二つ作ってある。
「私、仕事だから、昼ご飯用に作ってみた。…あっ、でも、迷惑だったかな?」
「いや、嬉しいよ。ありがとう」
お礼を言いながら、ウインナーをひとつ、つまみ食いした。
「こらっ。顔と手を洗ってきなさいっ」「あ〜い」
チエママに怒られて、俺は顔を洗いに洗面所に向かう。
同じ屋根の下に、誰かがいる幸せ。
忘れてた気持ちを思い出させる。
顔を洗い鏡を見ると、なんだか顔がニヤついてた。自分のそんな顔を久しぶりに見た気がする。
朝食は、焼鮭に豆腐とわかめの味噌汁。
ちゃんとした朝食を取るのは、実家を出て以来かも知れない。
カナは家事をしないわけじゃないけど、朝は苦手で、ちゃんとした朝食はとらず、パンで済ませることが多かった。
一人になってからは、余計にちゃんと朝食を食べることも減った。
「チエはいいお嫁さんになるな」
からかうわけでなく本心だったけど、照れまくったチエに、からかわないでよね、と怒られた。
片付けは俺がやるよ。そういうと、チエは断ったが、いいから、チエは仕事に行きなさいと、チエの手から、スポンジを奪いとる。
仕事に行く時間だったらしく、チエは、じゃあお願いしますと、従うことにした。
洗い物は後回しにして、玄関まで、チエを見送りに行く。
「安静にしててねっ、まだ完全に治ってないんだから」
「はいはい」
いかにも、言うことを聞かなそうな返事に、チエは不服そうだ。
「じゃあ、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
軽く手を挙げ、バイバイと、振る。
チエは振り返る。
「リョウちゃん、もう一回言ってくれない?」
「へっ?」
チエは真剣な顔で俺を見てる。
「行ってらっしゃい。がんばってこいよ」
ピンっとチエのでこを中指ではじく。
「痛っ」
そう言って頬を膨らませる。
「なんか、いいね。行ってらっしゃいって言ってもらうのっ」
膨らませてた頬は、笑顔に変わった。
「行ってきますっ」
もう一度、元気に叫んで、チエは出かけて行った。
新妻を見送るダンナ?俺はヒモか?
普通、逆だろ。見送られるのが、男だろ。
そう心の中でつぶやいて、一人笑った。
穏やかな気持ちだった。
4話まで書き進められました
携帯小説、初心者の上、ブランクが長く、まだまだ至らない自分にいらつきつつも、なんだか愉しんじゃってますo(≧∀≦)o
最後まで書き上げることを目標に、こつこつ進めてきますので、お付き合い頂ければ、HAPPY です。p(^^)q