名前は大事
2015/09/08 一部追記
オペレーターとして作成したのは、妖精サイズというと実感がわきにくいが、手のひらサイズにしては少々大きいとでもいうぐらいの大きさで、その見た目の姿は人の形をしており、その背には羽と思われる物を利用して自由に飛び回れるという仕様の"精霊"である。
というか、ポイントを消費しない種族にすると、どうやっても「小型」にしかならなかったのである。
ボッキュッボンなスタイルのお姉さんとかだと、もうねポイントすんごく使います。
なので、もうここは割り切りる。
某ゲームの様なナビゲーター妖精さんだと思えば良いのだ。別に妥協したわけではない。
で、ここで性格などの設定も初期のなかから選択した。
普通に忠義という奴なのだが、なぜか「職業」という処があったので、そこに仮検証とかいう欄から「姫騎士」を選択した。
といか、職業に姫騎士とか、くっコロとか解ってる人がリストしてるだろこれ・・・
「(マイスター、早速で申し訳ありませんが、私めに名前を付けて頂けないでしょうか?)」
おっと、そうだった、オペレーターを製作した時にチュートリアル終了が表示されて…
チュートリアル#1:【オペレーターを作成しよう。】終了
#1-2【オペレーターの名前を決めよう】が開放されました。
あー、そうね、ポイントが手に入らない物もあるよね、そうですよね。
「(あの、マイスター?)」
何故か不安げな顔をしてこちらを伺っている、うん、解ってるよ?名前だよね?名前・・・名前?
どうせなら、月つながりにしてやればいいか、安直なネーミングだがもうそれでいいや。
「という事で、君の名前は「ディア-ナ」で」(※音声は届いていません)
「???」
元々無音な世界なんだけれど、静寂というのが二人の間を流れるとかいうのはこういう事をいうのかなぁ・・・
"見つめ合ってる二人"という文面にしてみると、恋愛小説の一節みたいにみえるが、この場合「困惑している表情」という形容詞をつけるべきである。
いや、別に、自分は直接会話する方法が解らないから、素で会話で返したりしてたなんて事はない・・・まぁ、うん、察して?
「(マイスター?何をおっしゃられているのか、よく聞き取れないのですが…)」
ですよねー
そんな視線を投げつけるのやめてください、やめてください、罪悪感みたいな感情がこう胸に突き刺さってくるので・・・
って、どうやって伝えれば良いのだろうか…
と、脳裏に"ひらめきの電球"がペコーンとほとばしる。いやほとばしったら危ないか。
そして、彼女をひっつかまえて外へと駆け出すオレ。
「(なっ、マイスター!ど、どうされましたか!!)」
うん、すんごく怯えているね、そうですよね、むんずと捕まえられている状態ですから。そりゃビビりますわ。
外に出てみると、そこには漆黒の闇夜の空に蒼い星がいるのはいつもの事だ。
「(えっ?何で世界が空に・・・?えっ・・・?えっ・・・?私めの知識には無い場所・・・?)」
困惑しますよね、普通にこんな場所にダンジョンなんてある訳ないよね。わかります。
と、とりあえず、外にでててきとーにそこらから石っころをひろい、地面へと文字を書きだす。
そう、思いついたのは筆談である。
地面には彼女の名前を書き記す。DIA-NAと。
ワザとハイフンをいれるのがミソである。これで伝わったらいいんですが・・・
「(ディアーナ・・・で、よろしいのでしょうか・・・?)」
と、何か不安げに聞いてくるけれど、一発で理解してくれた事にこちらは大満足のため、親指立てて大きく頷いておいた。
彼女は小さな顔にみあわず大きな笑顔でディアーナと繰り返していた。
ただ、伝えた側の本人としては、日本語というかアルファベットで通じた事に、何でもありなファンタジーなんだなーと、彼女とはうってかわって違う事に感動していた。




