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だんじょん・テラフォーミング  作者: zaq2
STAGE:2
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STAGE2-2

 剣スコで悪戦苦闘し始め"人力での限界だろ?これ!!"と愚痴り始めたとき、重機ディアーナのショベルの手を借りる格好になり、ようやく平地から入り口らしきものの発掘に成功を収める。



「ようやく入り口に到達・・・」



 そういえば、もう一つの入り口になりそうなのがあったなぁと思い出しては視線を向けてみるも、そこにはみごとに崩落して、その崩落部分からは常に白い湯気をもうもうと噴出しているカルデラ谷?とでもいう窪地をクレーター方面まで一直線につくりあげていた。


 まぁ、あの下に埋もれた部分が入り口があるとしも、使うのには困難であるだろうし、そこはおいおいということで・・・



 そうして、玄関口としてフィルターを設置した門の前に、二人が並ぶ。



「ようやくですね、本当に・・・」

「ま、とりあえず、ゴーホームしようぜ!」



 何かしら言いたげな視線を感じてはいるが、オールスルーするかのごとく右手の親指を立てながらそのフィルター門を通過しようと左手をつっこんだとき、その手に「ぬちゃっとした何か変な感触」を感じて停止する。



 何これ、ぬめぬめ?じめじめ?

 これ、ヤバイやつじゃね?何か嫌な予感がする・・・



「うぉぁぅ」という奇声とともに、左手を引き抜いてはみてみるが、何か変わったことが起きたわけでもなく、いつもの左手だった。



「何もない?」

「どうされました?」

「いや、その・・・左手に何かが・・・」

「何か?」

「こう、"ぬめぬめ"というか"ジメジメ"というか・・・」

「おかしいですね・・・そういうモノはなかったと記憶していますが」

「いや、俺は何もしてないぞ?ほんとに何もしてない!」

「そうですね・・・確認をなされた方がよろしいのでは?」

「確認?」

「状況確認ならば、ここからでも行えるとは思いますが・・・」

「あ、そうだった」



 疑いの視線を向けてくる小さな光る存在に背を向けては、状況を確認するためのウィンドゥもどきを開ける。

 ダンジョンの改築操作はできないが状況の確認だけはできる。


 そうして何が起こっているのかの状態を確認すると、何かがいろいろとおかしかった。




 まずひとつ、

  ダンジョン内に"生体反応"が表示された。それも異様に多く。


 そのに、

  そもそも、ダンジョンのMAPがとても広い。

  それはもう半端なく広く現在地が点表示になっても端が見えてこないほどに。


 そのさん、

  DP(ダンジョンポイント)が増えてる、桁を数えても億にとどきそうな勢いで。


 そのよん、

  DPとは別にPPポイント?みたいな欄が増えてる。何だこれ?

  しかも、こっちは億越えでDPよりも高い始末




「なんだこりゃ?」


 パッと見でおかしいという点を挙げれば上記の四つ。

 そもそも一つ目から在りえない事が起きてしまっている。


 生命体というなら、魔物?みたいなものなんだろうけど、そんなもの呼びだした覚えがない。


 にもかかわらず反応が多いとか・・・その生体反応を光点で表示させてみると光り輝くマップが表示されるというレベル。


 さらに、どういうものかと生命体の中身を確認しようにも表示された内容は"不明"という文字のみ。


 つまり、得体の知れないモノということになる。



 そんなものが、この中にひしめいていると?

 何それ、怖い。


 何でこんな事が起きてるのか。

 召喚的な事をした覚えが一切ないし、なら、生命体の反応となると外部からの侵入者?

 どうやって?まぁ、ファンタジー世界だから、瞬間移動的な事だってあるかもしれない?

 ってぇ事はだ



「これ、もしかしてダンジョン乗っ取られた系?」

「それはありえないかと、それではマイスターが普通に存在されている事が・・・」

「あー、コアやられたら、自分消えたりするんだっけか・・・」

「はい」

「じゃぁ、これって一体何?」

「それは・・・、私にもわかりかねます・・・」

「だよね」



 目の前にあるフィルターの壁一枚向こう側には、得体のしれない生命体が存在すると。

 けれど、ダンジョンを乗っ取るという事は無く、自身には影響は今のところはなし。



「ん?これ、もうこのままでいいんじゃね?もっかい埋めちまう?」

「そうしますと、マイスターのおっしゃる"モフり世界"?というのを永久に手放されることになるのでは?」

「え?せっかくのファンタジーな世界で、そういう癒し成分無しになるの?マヂで?」

「そうなるかと」

「えぇ・・・それ困る・・・めっちゃ困るわ・・・」



 危険が危ない状況からは全力で逃げれそうなのに、それをすると夢の理想郷への道筋が完全に断たれると。

 終わった、終わったわ・・・



「マイスター、でしたら、ここは私が中に入って確認をしてきますが」

「それ、ディアーナも危なくね?」

「私は、マイスターの剣でもあり盾であります。脅威があろうとも私は大丈夫です。ご安心を」

「いや、ちょっとまって、まってって、何か他にないか考えるから、ね?」



 何が大丈夫で安心なのかが良くわからないが、ディアーナを単身で突っ込ませるのは得策ではない気がする。


 まぁ、あのでっか三つ首のイヌッコロを単騎でしばきたおせたディアーナだし、ほとんどの事はディアーナ一人でいいんじゃないかな?的な強さだとは思うけれど、相手の情報がない状態では、ちょっとまずいと思う。


 ほら、よくある少年誌的な敗北フラグの様な何かが起こりうる可能性だってある。



 とにかく、中がどうなっているのかを確認するために、どう手を打つべきか・・・


 そんな考えながら地表へと歩み出ると、ふと視界にあるモノが入った。




 そして思いつく。




「ディアーナ、私にいい考えがある」




フラグ選別管理官「む、仕事か?」

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