STAGE2-1
とりあえず、2つだけ
誤字の指摘あったので、そこら周辺ちょっと修正
あれから、幾日も同じ作業を監視されるがままに続け、ようやく終わりを告げては元の場所に戻ってきた。
物語的なあるある要素が起きることもなく、ただただ黒い絨毯もどきを敷き詰めていく業者のごとく働き続けては、ようやく帰ってきたのである。
「ダンジョンよ、わたしは帰ってきた!」
「はい、お疲れ様です。そして、お帰りなさいませ」
「アッハイ・・・タダイマ・・・」
スタート地点ともいえる砂山?砂利山?もどきが見える場所にまで戻りついた事に、何かしら変な感動を覚えては、言ってみたい台詞集の一つを発してみたのだが、その発言に対するディアーナの反応は、華麗にスルーだった。
いや、別にいいんだけどさ・・・
それにしてもなんというか、いったい何日もの間作業をつづけたのかわからない。
よくやったもんだと過去の自分を振り返っては懐かしんでいたら。
「だいたい、2年と3か月といったところです」
「えっ?・・・そう?」
「はい。間違いないかと」
こちらの思考を読み取ったのか、ディアーナから作業期間の日数がわかったのだが、その日数にどことなく違和感というか、既視感というか・・・なんというか第四の壁の向こう的な要素を感じなくもなかった。が、
「そちらよりも、あちらを何とかしましょう」
「あちら?」
という、お言葉と共に示された方向には、ダンジョンの入り口があったあたりを埋め尽くしている砂利山。
まぁ、うん、確かにあれがあるから中に入れない訳で・・・
「Oh...そびえたつクソというか、砂利山ですな・・・」
「マイスターが習得された方法を使いましょう」
「習得・・・っていうかあんなんでいいの?」
「はい、それを使っていただければ・・・あとは私が」
黒い絨毯を敷き詰める作業の時、効率を上げれないかと試行錯誤してできた事がある。
たしかにアレを使えば、まぁうん、何とかなるかもしれない。
「やってみますか・・・」
「はい、お願いいたします」
言われるがままに砂利山の方向に両手をかざすと、その裾野の下部分周辺に黒い板が水平に現れる。
その黒い板を伸ばしていく感覚でゆっくりと両手を開いていくと、それに合わせて黒い板がゴム板のごとく伸びていき、そうして裾野周辺全体を包み込む様な恰好になった。
「ほい、こんな感じでいい?」
「はい、あとはこちらで・・・では、いきます」
そう言っては峰のところまでひとっ飛びのディアーナ。
そのディアーナが何をすのかと思えば、小さな両方の手をかざしては、そのまま峰の方へと移動していく。
すると、上半分ともいえる部分が崩れては、黒い板の上へと滑り落ちだしていく。
「っていうか、すごい砂ぼこりなんですけどぉぉぉ!!」
慌てて砂ぼこりが周囲にこぼれださないように、新たな黒い板で囲い止めていっては"収納"という意識で黒い板の中へとしまい込んでいく。
そうこうしながら、ディアーナが通り過ぎたところは、砂利山の真ん中に真っ平な平地部を作り上げていた。
* * *
自身が新たに会得したもの。
それは、自分の黒い壁は設置したらその場固定になって大きさ含めて動かせなかったのだが、それが引き伸ばす事ができるようになった。
まぁ、引き延ばせる距離的な制限があるし、結局、平面方向にしかのばせないしと、問題点が多々あるといえば多々あるが、引き延ばすという行為が行える様になったということで、黒絨毯の設置作業の効率が向上していった。
同じ様に、ディアーナも透明な板っぽい壁を作ることができたりした。
本人はシールドみたいな物とは言ってはいたし、自身と共に動いてるから盾みたいな壁みたいなもんだろうな。
ただ、どうみても念動力の壁みたいなものにしか見えなかったりするのだがそこは置いておく。
で、先ほどその壁?盾?で押しやる様に砂利山?砂山?を崩す行為に使っていたのだが・・・
その盾のでかさがパネェ。
下手しなくても、こっちの黒壁よりでかくね?
というレベルまで拡大したのである。
まるで、超大型重機のブルドーザーが通り過ぎた後の様な、きれいな平面が次から次へと作られては、落とされた砂利は広げた黒壁の収納機能の部分へと放り込まれては消えていく。
仕舞いには、盾?の形状を変えて箱状?のもので、すくい取っては入れていく始末。
箱状って、それショベルカーって言うんじゃね?
なんというか、石材運んだり、ブルドーザーができたり、ショベルカーもできたり、ディアーナって、マルチな重機とほぼ変わらないような気が・・・
たとえば、砕石現場とかにディアーナがいたら、もうあいつ一人でいいんじゃない?的な存在ではなかろうかなぁと。
そんな事を考えていたら、何か刺さるような視線を感じたので、それ以上考えるのはやめて、剣スコ取り出しては入り口を掘り返しておいた。
2つ目は、明日の今頃




