作業は大事
ディアーナからUターンを言われて再び目の前に広がるのは真っ赤な液体が広がっている湖が見渡せています。
いや、本当にどうすりゃいいのだろうかと思考を巡らせてみるのだが、全くもって何も思いつかない。コレといったモノが本当に何も思いつかない。
思いつかないから、とりあえずありきたりな線で進めるしかないかと、埋め立てという恰好を試そうと、いままで掘り起こして倉庫に確保してきた土砂の一部を試しに放り込んでみる。
こう"そぉぃ!"という感じで、赤熱した液体の中に放り込まれた土砂はというと、そのままズブズブと沈んでいって・・・沈んでは消えていった。
うん、予想通りの結果となった。
ならばと岩っぽいものを放り込んでみるかとドッパーンと投下するも・・・それすらも、ズブズブといった感じで全てが沈んでいった。
さらにさらにと、たしかクレーターの底の深さって、これっくらいの深さだったよなぁと、記憶に残る地表高さまでの土石が積み上がる程の量を大量投下してみようと、ゴミ収集車が集積場へ投棄するかのごとく、こう"ゴワッ"という感じで山盛りにしてた。
すると、その山が全て沈んでいっては消え去ったのである。
ワァオ・・・
・・・・・・
・・・
・
って、いやいやいや、どこに沈んだの!?
というか、あの量はどこいったの!?
どうみても水深(?)よりも高い山だったと思うんですけど?!
何?この奇妙奇天烈摩訶不思議で奇想天外が四捨五入してそうな状況は・・・!
なんというか、目の当たりにしてわかった事をあげるとするならば、完全な意味不明な謎ダンジョンオブジェクト空間とも言える赤い湖としか言えない。
ま、まぁ、ここは前向きに考えよう。
結果的に埋め立てる案は到底出来ないという事だけがハッキリとわかったという事だと。
こうなってくると、どうしたもんだかと悩む・・・
悩みに悩む、基本埋め立てとかがよくある手なのにそれが使えない。
じゃぁどうすりゃいいのかと・・・
そんな"素振り"をしておきながら、あーどうしたもんだーとつぶやくフリ・・・をしながら、手元にあった平べったい小石をポイポイとこう投げ込んで、どれぐらい遠くにいけるかなーと思ってたら、アンダースロー?いや、ここはサイドスローな方法で、こう液面を跳ねるかの様な形状の石を投げ・・・ひとつ・・・ふたつ・・・みっつ・・・よっつ・・・
うしっ!5飛び成功!!次は6回を目指し・・・
「マイスター?ナニヲサレテイルノデショウカ?」
「アッ、ハイ・・・」
********
硬い地面の上での正座って、結構いたいですネ。
しかも整地されていない土砂まみれの上だと、こう膝の部分に小さな石とかがめりこんできたりしてそれが余計にと肉体的にも痛いけれども、他にもなんでこんな事してるんだろうという精神的も痛いとでもいうか、結構来るものがあるね。うん。
ほんと正座って、なんでこんなに痛いんだろうかと常々思うわけで・・・体験した人にしかわからないかもしれない。
それにしても、ちゃんと弁明したんだけどな
「誰しもあるよね?本来の目的とかやってたら、別の事思いついて、こう脱線するという、あれだ、部屋の掃除をしてたら、昔の漫画本が出てきて読みふけるみたいな、そう、そんな人間的な行動をとったに過ぎない訳で・・・」
「私にはよくわかりません。ですが、反省がまったく足りていませんね?」
と、弁明したのが不味かったのだろうか、一刀両断されたと思えば膝の上に重石が乗せられたりしちゃったりしたんだが、なんだろう、自分時代劇とかに出てくる罪人か何かですか・・・?
まぁそれはおいておくとしましょう。
この正座という折檻の最中に、こっそりとバレない様に重石対策として、その重石の下に黒い壁を敷いてやり過ごすという技術を発見したわけですから。
えっ?ズル?違います。れっきとした技術です。
よくいうでしょ?バレなきゃいいって。
さらに倍とか乗せられた時はちょっと焦ったけれど・・・
そんな技術を思いついたら、これを応用するべきと思いついたわけです。
そうと決まれば監督官のいる手前、さっそく思いついた方法を行う為に赤い液面へとダイブ!
・・・いや、飛び降りるといっても、赤熱した空間の上に黒い壁という床を見える範囲に広げてみて、その上に飛び乗る恰好になっているだけですがね。
この黒い床だと熱さも遮断、つまり断熱効果も得られるというお得仕様なのは、これまでの経験上からわかってる事です。
さらにさらに、次の段階へと進むためにさらにここから自信作のアイテムをとりだす。
グラウンド整備に使うT形のアレー!!(青い色の狸風口調)
たしか、トンボだっけ?あれの石材バージョンですぜ。即興で作ったので耐久性は推して知るべしだが、穂先はきっちりとまっすぐに整えてある自信作。我ながら良い仕事をしたものだと自身を以っては言えます。
さらに、黒い床を形成したさらにその上に砂を巻いて……トンボで整えていくと…
出来上がったのは、地面と同じ灰色の大地ッぽい何か。パッと見、どこからどうみても周囲の地面と同化し、あたかもそこに地面がある様に見えてしまいます。
ね、簡単でしょ?
実践してみれば大した事ないという実例ともいえる作業といった所でしょうか。
まぁ、やっていることと言えば、臭い物には蓋をしろ作戦です。見えなくしちゃえばいいんですよ。たぶん。
やる方向は決まった。あとは作業を開始するのみ!
今のところ、監督官からは何も無いから、一応OKなの・・・かな・・・?
たぶん大丈夫、いけるはず、きっと・・・
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敷いて、撒いて、整地…
敷いて、撒いて、整地…
せっせとせっせと範囲を広げてやってみているのだが、正直、これキツイ・・・
速度アップの為に、リズミカルで進めていっているが、広大な面積をトンボかけしてる一人の人間(?)でやってるのが、こう・・・終わりが無いにが終わりみたいな感が結構くるものがある訳で・・・
誰だよ、簡単でしょ?と言ってたやつ・・・作業簡単だけど回数多いとキツイわ・・・
これなら、撒くだけ撒いた後に、重いコンダラやロードローラーみたいな物の方がよかったかもとか思ったりしちゃったりするわけで・・・キツイ・・・
一応、いまのところ監督官からお咎めもないし、この作業内容自体は結果オーライなんだろうとは思うけれど、一旦手をとめて地平線?水平線?ともいえるその先まで続く赤い湖を見てみるとね・・・なんか、もうため息しか出てこない
というか、どんだけ広いの?端なんて全然みえないんだけど?
うーむ、こりゃぁ整地作業よりも先にどこまであるか見てくる必要があるのではなかろうか。と、思い立ったが吉日のごとく、さっそくディアーナにそう話を切り出してみると、
「"今回は"、マイスターに同伴させていただきます」
と、まぁ強く推してこられた訳で・・・
っていうか、自分、信用されてない?
「はい」
わぁお・・・言い切られた。
まぁ、反論する材料が見当たらないのは、致命的な致命傷というやつですかね・・・
「それと・・・ライカも連れていきましょう」
「ホワッツ?」
「何をしでかすかわかりませんから」
「・・・」
チラリと骨っこことライカを見てみれば、あいも変わらず地面をほじくり返しており、その行っている行為と今迄の事柄を思い出せば、たしかに放置してたら何かしでかす可能性があるなと、すごく納得してしまった自分がいたりするのはなぜなんでしょうか。
とりあえず、三者がそろった所で、黒い床を赤い湖の上にしいては先に進んでいきましょうか、撒いて整地する作業が無いから、敷くだけの作業というのは結構楽な・・・ん?・・・楽?
あ・・・砂とか撒くとかせずに始めから床だけで蓋すりゃよかったんだ・・・
何で気づかなかったんだよ自分・・・
※
某所からは、徐々に漆黒に染まるという怪現象として観測されています。




