表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
だんじょん・テラフォーミング  作者: zaq2
STAGE:1
52/59

小休止は大事

 はい、こちら現場のモントです。


 現在、復旧作業という名の掘り起し作業を行っている最中であります。

 その復旧作業の中身といえば、何もしらない人が見てみれば難航している様にみうけられるかもしれませんが、少しづつとはいえ着実に作業は進んでもおり、その全容が元にもどる為には一体全体どれくらいの日数がかかるのかは分かりませんが、確実に前には進んでいるといえます。



 では、現場作業員の言葉を聞いてみましょう。


「主…殿……なかなかなに・・・これは・・・楽しい・・・もので・・・あります・・・な!」


 と、返事をしていただいた存在は、その前足を器用に使って土砂を堀り進めており、大きな塊が現れると一旦作業を止めたかと思えば、小さな存在が見えざる手で掴むかの様にその大きな塊を運び出し、再び掘り起し作業を進めているといった所でしょうか。



 以上、現場からの中継でした。



 とまぁ、気晴らしにニュースの報道的な気分転換を間に入れてみたりしている。


 なにせ、部分的に掘り返してみたら周りから崩れてきたりして埋もれたホネッコを掘り起こすという、こう何とも言えない不毛感を感じたりした事と、周囲を見渡した時に結局は面的に掘り返しを行わなければならないという話で、表現として表すのならば"途方もない"という言葉が正確無比なぐらいに的確に表しているというという事実を叩きつけられつづければ、そりゃもう精神的に遊びが必要と思う訳ですよ。


 それに辺り一面に積みあがった土砂と土石をどうにかしないといけない状況では、猫の手どころか威厳という評価額がだだ下がりに下がっていたライカという"問題を呼び込むホネ(ッコ)"も重要な労働力として利用せざる得ないわけで…


 ま、そんなホネッコはこちらの意図など知る事も無く、嬉々として器用に砂山となっている部分を前足で掘り返しております。

 それはまるで、そこにお気に入りの玩具をうめるとか掘り返しているとかの"犬"としての本能?みたいな風にしか見えません。


 とういうか絶対そうだろ・・・もうそれだけしか頭になく、我武者羅とか無我夢中とかいう表現がしっくりくるレベルだよ?

 ・・・お前、狼としての矜持どこいったん?


 ・・・うん・・・口に出しては言うまい・・・



 そうそう、小さな存在で視えざる手といえばディアーナさん。

 彼女といえば、あいもかわらず念動力(サイコキネシス)で大きい石やらが出てきては掘り起こしてもらってる状態です。

 当初、砂山も同じ様にどかせれね?とか思ったりしたが、砂を一度に持ち上げる事が非常にやっかいとかなんとか、なんでも"個"として存在している物を持ち上げたりする事は楽なのだが、砂みたいな"全"となるとそうはいかないらしい。なんだそりゃ。


 そういえば、いままで「土砂」を運んでるとこ見たことなかったな・・・。


 ならばと、バケットみたいな容器をOTORIYOSEし、その中に自分がシャベルで掘り起こしては入れ込んで・・・とは思ったが、そんな事はホネッコに任せて岩などの大物をどんどん倉庫へ放り込んでもらった方が速いし便利だしと大小の岩石関連の担当とした。



 えっ?なら自分は何してるかって?

 彼女たちにはダンジョン方面をお任せしておいて、自分としては変な風に堆積している土石で構築された山のてっぺんから掘り起し作業をしていますよ?

 え?ダンジョンじゃないのかって?いや自分にとっては重要で重大な桃源郷のへの出入り口があるわけで・・・


 まさかこんなに埋まっているのかという驚きと共に、それはもう可及的速やかに入口を確保するべきだと思う訳ですよ。




 というか、ダンジョン関連の操作はコアを直接操作しないといけないとか、これ、かなり欠陥仕様じゃないですかね?



*****

 ああそうそう、ホネッコによって呼び出されたケ何とかさんは、無事(?)に帰還していただきました。


 あの涎まみれになったホネッコから、その液体成分を除去する為にとぶちまけた砂山の中から、それはもうみるからにオドロオドロした姿というか、砂が湿って土みたいな茶色になって…って、お前それどこからどうみてもマッドなハンドの全体版じゃね?という状態なホネッコをなんとか出土して、(ちなみに、その後は素早くエンガチョを行っておいてから(ここかなり重要))ディアーナと二人による協議という独裁会議の結果、還ってもらう事にあいなりまして・・・



 いやね、拘束状態だからモフリ成分として存在しててもいいじゃない。と反論したのですが、ディアーナ議長から危険だからと却下の一言であえなく撃沈、巨大なモフリソファーとしてと名残惜しく・・・すこし男泣きしそうだったのは秘密である。



 そういえば、帰還してもらった時に


 チュートリアル#3-1:【訪問者を撃退しよう】クリア


 なる表示があったりして、当時の率直な感想といえば「そういや、こんなんあったなぁ」という印象だったな。

 というか、ダンジョン側の勢力が召喚した対象が訪問者にカウントされるって・・・それでいいのか?ダンジョンのシステムさん?



***

 とまぁ、そんなこんながあったりもしたが、とにもかくにも現場中継などの気分転換などをしたりして、心の隙間を埋める事が必要だと思う訳で、とにもかくにも癒し空間へ向かう為に理不尽につみあがった土砂をどけて桃源郷へと赴く必要があるわけなんですよ。


 なにせ、心の隙間を埋めてくれる営業職の方はここまで営業しに来るわけないですし、自分でなんとかしなきゃならない訳で・・・あー、それでもなんか来そうな雰囲気あるけど。



 そういうメンタルケア(自己流)をしながら、三者三様に掘り起し作業しか行っていないという日々を過ごしていっているだけというね



 そんな淡々とした作業を延々と続けていくと、ふと考えに耽る事も多くなったりしてくる。


 とくにこの体って精神的な休息(主に自分のメンタル的な)をするぐらいで、飲み食い睡眠などなどの"人だった頃"の欲求(?)がこれっぽっちも来ないっていう、あれだな本当に24時間戦えるというとんでもな状況だよな。


 なんというか、完全に人やめてるって再度実感したりしていくんだよね。

 もうあれだな、こんな場所にいるし、こんな環境にも適応しちゃってるし、ゲームとかだとアレだアレ、終盤とかで訪れる地とかにいたりするボスとかそんなポジション?


 いやまぁ、ダンジョンマスターだからボスで間違いないんだろうけどさ、しいて言うならばラスボス?とか裏ボス?的なポジションとかだったりしてな、まぁファンタジー世界だしあれだな、魔王とかだったりとかそんな感じになるのかね?あ、でも裏とかラスボス的となると魔王よりも上だろうし・・・


 となると


「ふぅはははは!よく来たな!勇者ども!!我こそは、大魔王モントなりぃ!!」


 ってな感じかな?

 なら、個人的にはやっぱり立ちポーズはゾー何とかさんみたいにこう両手を前にかざし・・・いやまてまて、バー何とか様みたいに天と地と魔の闘気みたいなのも捨てがたい…と、真面目に右手上に上げ、左手を下に下げ……魔力をドーンな感じでやってみたり…?



 うーん、実感わかねーな。

 しかも、真面目にやればやるほど、すごく虚しいし恥ずかしいのな。


 これはあれだ、こう30センチの定規や傘を逆手に持ってスラッシュするみたいな一人遊びレベルを、後からその行為を思い返すぐらい虚しいというか、こっぱずかしい記憶だな。



 ふぅ、さてと、脱線休憩はこれぐらいにして、とっとと掘り返して桃源郷さ行く……べ…?



 と、アホなことしてないで再び作業を開始しようと思いながら、ダンジョンポイントの加算からの時計目安にと開けっぱなしにしていた情報ウィンドウに目を向けると









 "称号:【大魔王】を獲得しました。"








 ・・・

 ・・・・・・?


 ・・・

 ・・・・・・おいィ!?






・・・(思考停止)

・・・・・・・?(再起動)


・・・(状況考察)

・・・・・・・おいィ!?(ツッコミ)


いや、でも魔王とかって、自称の人多い様な…

はっ!【もしかして:ボッチ】?

いや俺、違うし!!俺、絶対違うし!!!




獲得条件

・特殊すぎる能力を持っている

 →環境適応能力 宇宙空間:◎

・魔力総量が魔王クラス以上に極端に逸脱している

 (ここが満たされないので称号としては誰もいなかった)

  →バックアップ(今いる地)により限界無し

・強力すぎる部下がいる

 →ケ何とかさんを拳だけで勝てる存在がいる

・組織のトップ

 →ダンジョンマスター

・自称または他称

 →今回やっちゃった

※:

なれるわけない仕様であったため補正等はありません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ