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だんじょん・テラフォーミング  作者: zaq2
STAGE:1
51/59

閑話:旅立つモノ

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。

本年も、どうぞよろしくお願いします。

 白い部屋、そう表現するしかないそんな空間の中に、一つの白いテーブルとテーブルを挟む様に椅子が存在していた。

 その椅子の一つには、顔が隠れるくらいの外套を被った人物が座っており、その対面には白く光る球というものがまるで対面するかの様に向かいの椅子の上に浮いていた。



「はじめまして。……ふむ、貴方の様な存在が四番目とは、本当に私の予想を超えてきますね…。」


 外套を深く被った人らしき物から、先に言葉が発せられるが、


『……。……?』


 その言葉に対応するかの様に、白く光る球体が上下に軽く動作をする。

 それは先ほどの言葉に対して会話をするかの様な雰囲気があり、二つの存在は会話というやり取りを行い始めた。



「私、ですか?そうですね、私は"夢の精霊"と言っています。」

『……?……?』


「ここはそうですね…現世と()が、いえ貴方がいた世界とは異なる世界との狭間とでも言いますか。まぁ、色々な言い方や呼び方があるでしょうが、少なくとも現世とは異なる。と思っていただければ結構かと。」



『………?……?』



「理解が良いのは良いのですが、少し違いますね。貴方はまだ、現世にその身が存在できますから。」


『……?』



「亡くなってはいませんよ?ただ、これから赴く先では、そうとは言い切れないでしょうね。」


『………。……?……』



「結論から言うと、貴方は元の場所へ返る事はできません。」



『……?…………?!』



「ええ、現世のあなたは、別の地へと向かっている最中で、その魂すらも、その地に引き寄せられている状態ですから。」



『…?……?』



「ただ、このままでは少し面倒事になりそうなりますね。」


『……?』



「貴方が赴く先では、貴方の存在が問題になる可能性があります。最悪、排除されるかもしれません。」



『…?………?』



「ええ、そうなる可能性が、少なくとも起きうるでしょう。」



『……』



「そこで、そうですね…。貴方の存在が勿体無……いえ、希少ですので、私と"契約"してみませんか?」



『………?……?』



「いえいえ、そんなに難しい事ではありませんよ、今から赴く先の地で"これから起きうる事"を報告して頂くだけでかまいません。介入する強制はありません。ただただ、"起きうる事を記録し報告する"だけでかまいません。」



『………?』



「ええ、貴方の行動に制限は…付きますが、少なくとも排除はされない形にはなるかと」



『………』



「契約が無事に履行できるのならば……還る手立てを探しておきましょう。」



『…?………?』



「ええ、今のままではどうやっても返れないだけで、還れる手立てはあるかもしれないといった所です。無理にとは言いませんが、このままでは排除される危険が伴うという点があります」



『…………。』


『…』


『…。』



「期限はありません。履行が完了するまでの無期限としておきますので。」



『…………』

『………』


「・・・」



『……。』



「良いご返事、ありがとうございます。では、向かう地で排除されない為の仮初の身体を早速…」


『…』



 外套を被っていた人物はそう言うと、その右手を軽く上げるかの様に掲げると、その手のひらには、白黄色の球体が小さく浮き上がっていたが、小さい球状の状態のまま、そこからは微動だに動かなくなっていった。


「…?(予想よりも強力な言霊名?いや、それに合せて総量も@%$に近い………?)」


『……?』


「いえ、大丈夫です。再構築しなおしますので……。(本当に彼は、私の創造を超えてきますね…。気づいていない彼らがどう動くのか、とても楽しみになりますね…)」


『…』



 そう言うと、再び掲げなおした手のひらには、先ほどとはより白い灯をともした球状が作られていた。

 そうして、先ほどとは異なり掲げた手のひらから零れ落ちるかと思うぐらいの大きさに広がると、その球状は、向かいあっていた球体へと吸い込まれるかの様に消えていった。

 すると、その球体であった光がより強い光を放ち始めた。



「少し、行動に制限をかけていますが、そう・・・ですね、人型が都合がよくなりますし、そちらで人型を構築する事はお任せします。思い描いてみてはどうでしょうか?」


『………。』



 そう伝えると、まばゆい光を発していた存在は、徐々に人型へとその姿を変えていった。

 そこに現れたのは、白い肌の色をし、白黄色の髪を下げ、その瞳はまるで空に真赤にひかる星の様であった。



「・・・。(色は違うが、オペレーターと同じ様相とは、いやはや・・・)」


 

 その光が消え去ろうとした時に現れた人型は、創造した主の傍で飛んでいる存在とほぼ同じ様相であったが、ただ、大きく異なる点があるとすれば、その大きさぐらいであり、その大きさからは普通のヒトと呼称するには十分な大きさであった。



「あとは・・・名でしょうが、貴方の本当の名は使えませんので、こちらから仮名を使っていただきます。本名はそのままですので安心して下さい。」



 そう言われたヒトと呼べる存在は、理解したのかしていないのかわからない視線を相手に投げ返していた




「貴方の名前はこれから『ノトゥス』そう名乗ってください。」


「ノトゥス・・・」




 そう言葉が呟かれた時、ヒトと呼称できる存在が薄くなり始めた。

 それは、その存在が消え去る様でもあった。



「そろそろ時間ですね。かの地についてからその姿になってください。それと報告する時は、夜の時、空に光が無くなった時としてください。方法は先ほどに知識として入れておきましたので・・・」




 そう言葉が終わると、ノトゥスと名を付けられた存在は、その白い空間から存在を消していた。





新キャラ登場。

ただし、常駐するとは言ってない。

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