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だんじょん・テラフォーミング  作者: zaq2
STAGE:1
41/59

声は大事

 ディアーナから衝撃の事実をつきつけられ、驚きと共に魔法ってやっぱり万能ファンタジーすぎやしませんかねぇと思ったりしたりする中の人です。

 というか、ディアーナさん直々にご指導ご鞭撻して頂ける形にはなったのですが、



「まず、意識を集中して喉の入り口付近に声を通す通路を魔力で形成する形にし、そこを通る吐く息に先ほど形成した魔力で作られた言葉を話す様に載せる形となります。この時、魔力の量はそんなに多くなく、ほんの少しで十分になります。」



 いきなりそげなこといわれても、正直さっぱりでやんすよ・・・。


 説明と思われるご高説をサックリといただきましたが、「だからどうやってんの?」というツッコミが脳内の隔離された意識下で行われ続けてるでやんす。

 というかソコが一番重要な部分だと思うのだが、見事にスコーンと抜け落ちてると思うんでやんすが・・・


「では、早速やってみましょう!」


 OH...まるで投げっぱなしジャーマンをしてきているんじゃね?という感じがヒシヒシとしているのに、ニコニコ笑顔でフンスッという鼻息が聞こえてきそうな講師のおかげか、言うに言えない状況となっております。

 これがアレか、俗にいう聞き返せれないふいんき(なぜか変換できない)というやつですかね。



 まぁ、ダメで元々という言葉がある訳で、やらないよりはやる偽ぜ・・・じゃなく、とりあえずやってみますかねと。



****

 それから色々と苦心しながらやってはみるものの、表面がカッチコチになり物理的に首が回らなくなったり、口周りが強化されてクルミだろうと軽くかみ砕けそうな顎をもったり、それはもう初めて尽くしの人体強化を体験し放題な状況を堪能していた次第です。


 が、当初の目的である声を発するという命題へは、一向にそれらしい形にはなってくれません。正直、どうして良いのかさっぱり解らないという駄目生徒一名という状況が続いており・・・


 先生!無理です!!やっぱり訳がわかりません!!!



 そんな状況に業を煮やしたかどうかは解らないけれども、ディアーナが傍に近づいたかと思えば、


「マイスター、少し動かないでください。」


 と、自分の喉に手を当てて何やら意識を集中されておられます。

 って、あれ?喉の内側というか口の奥の扁桃腺のあったあたりにというか、何かこう・・・変な存在というか薄い膜的な何かが形成されて、見事に違和感として主張している・・・そんな不思議な感覚が出てきていた。なんぞこれ…。



「これで、いかがでしょうか?その内側の存在から言葉を紡ぐ感じで息を吐いてみてください」


 と、喉から手を放されながら説明をうけ、内側に存在する薄い「何か」から言葉を意識しながら言葉紡ぐ感じで息を吐いて口も今まで通りにしてみると・・・


「でぃ"・あ"ー・・な"・・・」


 うぁぉ、思いの他すぎるハスキーボイスだった。しかも高音というか子供が風邪をひいた感じといったとこか?あ、そういえば、この世界で初めて出せれた声ってのがこんな状態ってなんだかなぁ・・・


 まぁ、記憶にある過去の自分の声とは違う事に、あっれー?というレベルで驚いてはいる次第なのだが、


「はい!!マイスターー!!それと、おめでとうございます!!」


 拍手で喜びを表しているディアーナのお蔭か、そういう心理的マイナス要因がふっとばされていたりする。

 ただ、そのまま「では、それではもう一度!」といわんばかりに、ハリーハリーと急かして来るのはどうなんだかなーとか思ったりしたりしなかったりだが、ディアーナの思惑?通り、確かに今の感覚を忘れないうちに続けるべきだとは思う次第かなとは思うので、もう一度・・・


「ディア”-ナ”」

「はい!はい!!」


 うーん、こんな声だったか?という、不思議体験すぎる状況に陥っています。というか、ディアーナさん?今回すんごく積極的なんですけど、どうしたんですかね・・・?と、疑問が浮かんでいたら


「マイスターのお助けが出来る事が私の務めですので。」


 キリッという言葉が最後に付きそうですけど、その後に続いた「マイスターのお声を早く聴きたいですし…。」という小声がすべてを台無しにしてましたよ?あっ、キカナカッタコトニシテオキマス。ハイ。



 それよりもだ、元の体が普段話す様に話せるものと思ってやってたの、アレは間違いだわ。

 今のやり方はというとあれだな、喉の内側にスピーカーもどき?の膜を設置しているという認識が一番しっくりくる。しかもその膜、吐き出す息は普通にすり抜けていくという代物。

 声帯の代わりとかで木管楽器にあるマウスピースのリードみたいなのを想定してたのが、まったく違いすぎる。


 で、そのスピーカー膜もどきを通過させた吐きだす息で方向と若干の強さ?距離?を決めてるという感じといったところだろうか。

 それが正しいかどうかは解らないが、少なくともこの膜みたいなのはスピーカーと同じと思っておけばなんとかなるのは解った。



 とまぁ、自分なりにどういうモノかという理解が進むと、あとは記憶に残る固有名詞を挙げ連ねての反復練習である。いやぁ、声が出るだけでも楽しいですし。


 たまにディアーナを呼んでみると、それはもう眩しい笑顔で「はい!」という返答が返って来たりしてはいたが、ちょっと気になったのは、このガラガラ声状態、どうすりゃ解消するんでっしゃろかね・・・。




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