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だんじょん・テラフォーミング  作者: zaq2
STAGE:1
40/59

音は大事

感想ありがとうございます。


 背後のディアーナから流れた言葉が、音声として聞こえた気がしたため、もう一度とワンモアプリーズという人差し指を立てたジェスチャーと共にもう一度お願いしてみようと振り返って



 ピチョーン



・・・


!?


 振り返った背後の竪穴から聞こえる、ほぼ毎日が静寂といった世界に響いた、聞きなれていたはずのけれど忘れかけてもいた音を認識し、再び竪穴を覗く様に急ぎ確認しに戻ってみる。


 目指すは再下層。


「マイスター!どこへ?!」


 おぅ、ディアーナの叫びとも取れる声を聴きながら、やっぱり声してたんだという認識をとりあえずはこの際は隅っこに置いておき、最重要確認事項として見るべきは今は最下層の状況である。



**

 ピチョーン


 最下層に到達し、明かりに照らされながらもソレは存在していた。

 表面はその灯をも反射している存在が、先ほどの音とともに波紋を広げていたりするわけです。


 水たまりともいう程度ではあったけれど、ソコには液体が存在していたんですよ。


 視認して、触れてみて、完全に液体の層がそこに存在していたために、おもわずガッツポーズまでしてしまった次第です。


 なにせ、これで三重点(個体・液体・気体が共存できる境界点)よりも少なくとも上の状態ができているという状況で、という事は外部との気圧、温度違いは確定できた証左でもあったわけで、目に見えない物がどうなっているか解らなかった答えが、ようやく目に見える形で実を結んだという状況に、ちょっと感動しちゃいましたよ、ええ、ええ、かなりマジで。


 それに、たぶん液体として水という存在が維持出来るという事は、少なくとも生物(なまもの)の魔物が存在できる可能性が少なからず出てきたという事でもあるし、これでモフり計画も少なからず進めれるという事でもあり、思わず喜びの舞をしてしまいたい心境でもある。いや、ここ狭いからしないけど。


「成功した。という事でしょうか?マイスター」



 イェス、気分はハィってぇ奴だね!!

 ・・・

 ってぇぇぇ、ちょーっと忘れてた!ディアーナさん、声でますよね!?声!!


「そういえば、声として発声する事ができますね。」


 おぅ・・・ついにここまで来ましたか。

 それはつまり、自分も喋れるという訳でもあるという訳で。

 では早速・・・というか、ここ狭いからコアルーム戻りましょうかね~



****

 ここはコアルーム。

 少し広い部屋でございます。

 まさに発声練習にはうってつけな空間といえるでしょう。


 では早速・・・わたくしめの素晴らしい声を響かせてみようではありませんか。

 大きく息を吸い込んで・・・


「ハ―――――――――」(意訳:アーーーーーーーー)

「ハヒフ、ヒェフ、ハ――、フ――」(意訳:マイク、チェック、1、2・・・)


「あ、あの?マイスター?一体どうなされたので・・・?」



 すごく困惑気味のディアーナを他所に、自分としてはかーなーり焦ってきております。

 しばらく言葉を口にする事が無かったというか、出来なかったというか、そういう時期があまりにも長かったためなのか、正直にいって喋り方解らなくなっております。いや、喋ってるつもりです。それはもう、おふざけなんてなく、真面目に喋ってるつもりです。


 おちつけ、いいから落ち着けオレ。


 ここは冷静に思い出すんだ。声というのは、声帯を通過する時の空気の振動のはずだ。ならばまずは空気をためる場所、つまり肺に空気を為て声帯を通過させれば良いはずである。

 よし、まずは深呼吸だ。深呼吸。



 ス――――ハ――――、ス――――ハ――――



 OK、深呼吸はできた。

 では次に大きく息を吸い込んで……もう一度試してみようじゃないか。



 ス―――――

「ハヒフヘホ―」(意訳:アイウエオー)



 ・・・・・・

 ・・・


 アカン、マジモンでアカン奴や・・・。

 どこかの餡パンヒーローの敵役が使う口癖にしかなってない。

 そんなバカな!と思いつつも再び挑戦してみるも



 ス――――

「ハ―ハ―ヒ―ハ―フ―フ―ヒ―ハ―」(意訳:ワーターシーハーウチュージンーダー)



 ・・・・・・

 ・・・

 やっぱりハ行しか言えてねぇ!!


 この状況を体験して嫌な汗がたらりと流れる事はなかったが、心境的にはまさにそういう感じという、ちょっとまて、いいからちょっとまって、まさかまさかな嫌な予感が出てきたりしているのだが、もしかしてもしかすると、自分の種族ってやつは「声帯」が無いんじゃなかろうか?


 そんなまさか、いや、まさか・・・しかし、そうでなければこんなただ空気が流れ出るだけの状況というのが有りえない訳で…いや、ほんと、えーっと・・・


 いや、とりあえず落ち着こう。本当に落ち着こう、こういう時は素数を数えるとかが有効のはず・・・

1・・2・・3・・5・・・7・・・11・・・13・・・・17・・・・・19・・・・・・



「あの、マイスター?言葉を発せられたいのでしょうか?」



 お、おぅ・・・というか、打開策を思いつくまでしばらく待ってね、ちょっとテンパってる頭を冷やしたいから、 えーっと、続きは、23・・・・・・・・29・・・・・・・・・31・・・・・・・・・・・37・・・



「それでしたら、マイスターの種族は、私たちの様な精霊種と似ているので、もしかして魔力を使った方法でないといけないのではと思いますが・・・」



 101・・・103・・・107・・・10



 えっ?・・・そんな方法があるのん?



マイペースで進めていこうと思います。


ご質問なども来ておりますが、

話の先行きとか答えにくい内容は濁させてもらう点はご了承下さい。

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