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だんじょん・テラフォーミング  作者: zaq2
STAGE:1
37/59

灯は大事

・誤字修正など

 氷から水を作るという実験が成功したかどうかというと、結果から言うならば自分の想定した内容になった所もあったのだが、想定外な所もあったりの半々といった所だった。


 実験確認としてディアーナに明かりを頼みつつ竪穴の各層に設置していた木箱、その中に敷き詰めた地表の砂を確認して回ったのだが、上層部分では乾燥気味であり、中層では希望通りの湿り気があり、そして下層ではまったくそれらしい変化が無かった。


 ただ、下層に向かえば向かう程、竪穴となる壁面には霜らしき氷の幕というか、そういうのが存在してはいたので届いてはいるみたいだったが、思うようにはいかなかったといった所だろか。


 さて困った。


 これでは某モフり計画におけるモフリ成分が存在できる土壌ともいえる土台が上手く作れないということにもなる。


 なにせ、下層まで空気の溜まり場としてしか存在せず、いうなれば循環が出来ていないという事で、これじゃ生物という存在が生きていけるとは到底思えない。また、ダンジョンウルフの二の舞になることは確定的に明らかだろう。


 はぁ、根本的に見直しかね。

 くそう、あの掲示板が使えないというのが地味に厳しいのな。


 ま、無い物ねだりをしていても始まらないので、何か他に方法は無いのかと探し続けてみるが、何も思いつかないから困ったものである。



 竪穴最下層にて木箱の砂をいじりながら、ふと上をみてみたら真っ暗であるのに思い当たる。


 そういえば、実質9階層の深さとして、1階層2メートルとしてみても、15メートルは軽く超える深さになる訳で、今までダンジョン内における灯りと言えばダンジョンコアの淡い灯りと、溶岩ルームからの熱い赤外線を含んだ物ぐらいだったかな。そうなってくると、そりゃ真っ暗になるしか無いわなぁ・・・先にコッチを優先するべきかな。


 と、コアルームに戻ってからダンジョン設定画面を食い入るように見ていると、照明器具欄には色々な物があるのだが、松明…は無理だし、魔法の照明…も数設置するとなると馬鹿にならなさそうである。

 と、そんな事を考えながら照明器具欄以外へと何かないかと探してみるとその他の欄に、そういえばこんなのあったっけ、という代物が出てきた。



 今なら使えそうかもしれないかな?

 似たような物が、画面にもあったが、こっちは照明器具欄だし、どう違うのかがわからないが、こっちもお安いし、試してみるか。



****

 コアルームに設置も終わり、コアルームからコアの灯りが漏れてこない様に扉をしめ切ってから、今度は竪穴の木箱の中に、使えるかもしれない物を設置してみます。

 よくある指の1関節までの深さを作って、その中に種をいれれば良いんだっけか?と、昔の記憶という表現が正しいのかわからないが、DIY気分で植えてみます。


 竪穴の木箱に植えてみたのは、灯り草とかいうもので、10粒1DPというかなり格安な代物です。

 それを各階層に一粒ずつ植えてみてる形となります。


 とにかく、灯りとなる物としては結構お安かったので、捨てる気概で使ってみる事にしたのだが、こういうよくあるファンタジーな物だと、結構すぐに芽生えてくるはずなんだが・・・一向に反応がおきる気配がなかったりします。



「(芽が出てきませんね)」



 かれこれ幾時間たってるのか解らないが、一向に芽が出てくる気配すらない。

 こりゃ無理か?と思っていた時、中層ぐらいに設置してある箱から、ぼんやりとした明かりが発生しているのが目に入った。やったか!!


 中層あたりに設置した箱まで急ぎ下りきった時、そこには薄く光る花?みたいなのが咲いていた。それは花の部分はスズランっぽく袋状になっており、その袋状の箇所が淡く青白く光るという、なんともファンタジー成分があふれんばかりの代物だった。

 と思っていた矢先、明かりは徐々に弱くなっていったと思ったら、急に萎んで頭を垂れるどころか、箱の砂の上にパサリと倒れ込み、しばらくしてから光となって消えていった。



「(枯れて・・・しまいましたね・・・)」


 そうか、そう来たか。


 つまり、ディアーナの短い解説から、生命としてあっという間に終わり、ダンジョンに吸収された。と、そういう事で良いのですかね。まぁ、そういう物の掃除という手間が省けて便利っちゃ便利だけれど、今目的とする内容には到達できないという結果しかないじゃないんですかね・・・。


 ここでめげてもしかたがない。予防策にとダンジョンコアルームに設置したもう一つの方を確認するために、少し登ってコアルームの扉を開けてみると・・・



 部屋の中から異様なほど明かりがこぼれて・・・



 うん、まぁ実際はそんなに眩しくはなかったりしたのだが、コアルーム内の状況があまりにも想定外すぎる結果となってしばし呆然としてしまった。


 なにせ、コアルームの壁や天井や床に、光り輝く物体が発生していた・・・というか、ちょっと浮いてるコア以外、つまりダンジョンコアの台座まで浸食されかけているという、あまりの異様さに思考が停止しかけたのをディアーナの言葉によって引き戻された。



「(それで、この状況をどうしましょうか・・・)」


 それな。



 なので、さっきの灯り草と同じ風に待ってはみていたのだが、まってても枯れる雰囲気がないというか、まだ増えていってる気がするんですけど、このライティングモールド群・・・。


 もしかしてこれ、結構やばい奴だったりする・・・のかもしれない?




〇灯り草

 この世界でもっともポピュラーなダンジョン内部の灯の一つ

 他の植物成分と同じだが、魔力による光源置換がなされる特徴があるが、一般的な植物類と同等の環境が必要である。

 環境さえ整っていれば、種をその場でまけばすぐにでも発芽するのだが・・・


〇ライティング・モールド(光る苔(菌))

 ダンジョン内に明かり供給させる為に半魔物・半菌類として作られた苔の様な存在。

 ただ、半魔物・半菌類のはずなのに何故かオブジェクト(物・家具)枠という設定がなされている為、寿命となってしまった後もダンジョンに吸収される事もなく、ただ朽ちるだけである。


 全環境対応と作られ餌となる水分と魔力が一定供給量を超えた途端、異常増殖が発生するという欠陥が露呈し不採用となった。

 また、食用可能だが魔法生物系以外、"好んで"摂取することはない植物群と同じである。


 今回は、ダンジョンコアの淡い灯が無限供給の魔力の光となり、水分は湿度100%状態による結露から得られた状況であったため、コアルーム内において異常増殖が発生した。



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