肉体労働は大事
修正と少し追記
「(マイスター・・・本当にこんな事でよろしいのでしょうか・・・?)」
置石月1号君が生まれてから数週間が経ち、ディアーナに手伝ってもらって作業を進めています。
といっても、ディアーナは不安になりながら、その小さな体に対してはとても不相応な石を持って・・・?浮かせて・・・?いや、そのあたりよくわからないが運んでという事をやってもらっています。
というか、ディアーナの体よりも一回りとかそんなレベルじゃない大きさの石・・・って、ディアーナさん?それ、もう岩ですからね?
「(いえ、何故か"ここ"だと体がとても軽く感じており、これぐらいなら問題なく運べます。)」
やはり、月がもつ魔力の影響なのか、ディアーナにも影響が多大に還元されているのかもしれない。
うーむ、ファンタジー。
で、いま現在の自分がいる場所は、ダンジョンの中・・・ではなく、月面の地表である。
そこで1日1Pの分量を目安に消費して道具を召喚して作業を続けている。
汗水たらして、(というか、汗なんてかかないが)クレーターの側面を掘っている。
掘る?というか削る?が正しいのかもしれないが、それはおいておこう。
とにかくノミを使い、ハンマーを振り上げ、石材を取り出しては、また削り進む。
かれこれ何日こんな事してるんだろうね・・・
飽きもせずにやり続けてるのは、純粋な視線から逃げたいからではない。決して。
計画して実行するだけなのに、ほんと、ポイント使いたくないなら自分で動くしかないじゃないですか。
そもそも地表にいればいるほど「疲れ」がなくて快適な身体って何なんですかね。
「おかーちゃんのためーなーら、えーんやこーら」(※音声は出ていません)
さて、今なぜこんな事をしているかというと・・・
チュートリアル#2-12【ダンジョンを拡張しよう】
コイツのせいです。
もうね、「これのおかげです」と親切丁寧に説明する気分ではサラサラない。
そうそう、番号すっとばしてるんじゃないかって?いえいえ、あってます。
魔物配置したら番号が飛んで表示されたんですよ。
どうもチュートリアルも条件によって出てくるのが異なる様です。
で、ダンジョンルーム拡張といえば、前回みたいな操作による移動ではなく今回は確実な物理作業的な拡張。
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掘り進める事半月・・・ぐらい?もう日数とか数えるのはやめた。
ようやく、ダンジョン出入り口の通路と貫通した。いやぁ、心の中では貫通式が行われていましたよ。
某宇宙人さんの発破!のシーン後の万歳三唱のシーンみたいなのを思い出したぐらいですけど、それはまた別。
つまり、(自力で)ダンジョンを拡張した事になるはずである。
それでは早速チェキナゥだ・・・
・・・
・・
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あっれー?クリアもされてない?おっかしいな・・・
どこをどうみてもクリアした事にはなっていない。
えっ?てーことはこの方法は駄目なのですか?そうですか?マヂデスカ・・・
今までの肉体労働って何だったのだろうか…
ふと、薄暗いダンジョンの部屋で四つん這いになってる自分がいたのに気付けたのは、
「(マイスター!大丈夫です!)」
「(マイスター!次があります!気を落とさないで!!)」
「(私もおつきあいいたします!一緒に頑張りましょう!!!)」
と、しきりに周囲を飛び回っては励ましてくれるディアーナがいたからだった。
ただね、できた良い子すぎて、余計に落ち込みの感情を追撃していたのは秘密である。




