友情は多くは見せかけであり、恋は多くの愚かさにすぎない
高校生といえば薔薇色。そんなつもりで高校に入学したつもりはない。そう夢見たことがないといえば嘘になる。ここにそう考えているやつが220人はいるだろう。まあ標準的な数字でちょうどいい、もしここにいる250人全員が色恋沙汰に興味ゼロというのであれば見ていてつまらない。
僕は真新しい制服を着て、椅子に座り、校長の話に耳を傾けているようなそぶりを見せつつそんな意味のことを考えていた。まだまだ式が終わらないのでしばし思いをめぐらせることにした。校長の話に、進学校とか言うならこういう式の時間をなくして授業に回せよとか突っ込みを入れているうちに式も終わったようだ。
式の最中まるで小学校で作った粘土の人形が、崩れていくようにゆっくりと姿勢を崩し続けていた隣の席の黒田和真が、式が終わったため少し背伸びし、言った。
「何考えてたんだい?いつも通りの愁で安心したよ」
「つまらないことさ。俺はうわついたりしないからな。」
「少しぐらいうわついたほうが面白いと思うんだけどね。」
僕は中学の頃からこういう時間は思いにふけることが多いために和真はいつもどおりの質問をした。和真とはそんなに付き合いは長くないが、クラスが中学3年間同じであったため旧友と僕は分類している。さらに黒田と掛川では50音順の出席番号であれば、普通間に1人くらいいても良いと思うのだが、今年もあわせて4年間僕たちの間には誰一人入ってこなかった。僕たちの間には強い何かがあるのかもしれない。ホモ臭いから何かがあって欲しいとは思わないが、運命的なものは嫌いじゃない。
「そうだな、気が向いたらうわついてみるよ。」
「うわつくってのは自然になるものだと思うね。」
「ひとそれぞれだろ。」




