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灰色の少女と黒い女  作者: 烏羽 真黒
皇都の夜、黒八咫の羽
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皇都の夜のお話(1)

 二条城、地下。ひんやりと涼しい一室に、宴席が設けられていた。

 集まっている連中は、どいつもこいつも下賤の性が顔に出ている様な、ロクデナシの集まりだった。

 やたら痩せこけてきょろきょろと周囲を見回す者。肉の塊と紛う程に肥えて、胸肉を揺すって笑っているもの。壁に寄りかかって爪を噛みながら、料理を睨んで手は出さぬ者、等々合わせて八人。何れも若い男だが、共通項はやたらと色が白い事だ。


「やあ御歴々、良く参られた。俺の退屈しのぎに協力してくれるとは、本当に諸兄らは良い奴だなぁ」


 上座に座った狭霧さぎり 和敬かずたかは、彼らを愉快そうに眺めながら歓迎の言葉を掛けた。

 返る言葉は特に無く、愛想笑いと箸の音。時々は声を顰め、自分達を招いた政府高官の、見えぬ腹を探ろうと企む声もする。


「そう硬くなるな、俺は悲しいぞ。折角の美味を集めたのだ、喰え喰え、たんと喰え。なんなら酒も有るのだぞ?」


 余所余所しさが見える賓客達に、和敬は自ら酒を注いで回った。

 それからは、まるで和敬の悪辣に似合わぬ接待が続く。道化の様におどけて見せたり、太鼓持ちの様におだてて見せたり。腰は低く無いが軽い。来客を真実歓迎し、万感込めてもてなそうとするかの様な、まさに接客の鑑であった。

 人に慣れぬこの連中も、これだけ持ち上げられれば悪い気はしないらしい。酒の手伝いも有ってか気も大きくなり、上等の美味を汚く食い散らかして高歌放吟を始めた。

 こうなると見苦しい事この上無い。何せ、世間に慣れていない連中が酔っぱらっているのである。何処まで乱れて良いものか、その加減を知らぬのだ。

 盆を蹴飛ばす、杯を投げる、畳の上に反吐を撒く。一人ばかり青い顔をして引っ繰り返っているが、誰もそれを気に掛けない。もっと飲め呑めと煽てられて、酒壺に口を当てる阿呆まで居た。

 そうして、汗掻きの肥満男が、二度ばかり厠に立って戻った頃。和敬はすっくと立ち上がり、掌を二度打ち合わせた。


「よう、我がともがらよ。良い具合に茹だった頃だろう、少ぅし知恵を貸してほしいのだ」


 酔人に知恵を借りるなど、鉄砲水を障子紙で食い止めるが如き愚行である。が、和敬はやけに朗らかな顔のままで言う。


「お前達はどうにも、俺と同じで残酷残虐が好きだと聞いている。そこでな、趣向を集めたいのだ。どうだ?

 ……と言っても分からんな、こう聞こう。お前達が人を処刑するならば、どういう方法を取るか聞きたいのだ」


 狭霧和敬という男の人間性は、邪悪へ一直線に堕ちている。無意味な血を好み、無意味な死を楽しむ男である。

 だからと言おうか、和敬が手を尽くして集めた連中もまた、無意味な残酷を好む者達であった。最もこの二者の間には、決定的に大きな隔たりが有るのだが――


「そうだな、罪人の素性はこう決めよう。堺の街で一時期話題を攫った美男子、実は押し込み強盗だ。手口は残虐で、男と老人は殺して女子供は犯す。金は手に持てるだけ盗み、死体は戯れに刻んでぶちまける。

 或る時は犯した餓鬼に刃物を持たせて、親の死体を切り刻ませたとも言うぞ。ちなみに直ぐ飽きて、その餓鬼には親の後を追わせたそうな。

 翌日昼には祝言を上げる筈の男を惨殺し、その血の上で男の許嫁を犯していた所を捕えられた。当然だが反省の色は無し……さあてどうするよ、どうするね?」


 滔々と語ったこの罪状は、全てが架空のものではない。実際に一年ばかり前、堺の街で似た様な事件が有ったのだ。和敬の脚色が加わっているが、聞いた者の胸を悪くさせる様なやり口は、大筋ではそっくりそのままだ。


「俺ならば、こういう奴には報いを受けさせるべきと言うだろうな。いいや、世の中の大半がそう思うだろう。己の為した罪と同等以上の苦痛を、数倍する苦痛を。それでこそ死者の苦しみは晴れる。そうじゃあないか?」


「え――ぁ、ああ……うん」


 痩せこけた男の隣に座り、和敬はいきなり問いかけながら肩を組む。急に発言権を渡された男は狼狽し、幾度か咳払いをした後に、


「……その罪人が殺した人数の分だけ、回数を分けて肉を削いで殺せば良い」


「凌遅刑か、悪くないぞ。よーし、これも喰うか?」


 ぼそぼそと呟くように言えば、和敬は子供の様にはしゃぎ喜んで、更なる酒食を勧めた。痩せこけた男は、不思議と安堵の色を浮かべて溜息を吐いた。


「じゃあそうだな、お前どうだ。正当な罰を、法では収まらぬ正しき人の怒りを示すにはどうしたら良いと思うね、なあ?」


 続けて肥満体の男に問う。喰いすぎで余計に腹を膨らました男は、ふうふうと竈の様な音を上げながら何事か思考し、


「殺した人間の数だけ刺して……、犯した人間の数だけ犯させて……後は、海に」


「塩水に漬けるか、鮫を欺いたウサギのように。それも良いなあ、ようし飲め喰えもっと騒げ!」


 途切れ途切れ、短い言葉だと言うに、終えるまでやたら時間が掛かる。肥満体の男の背をばしばしと叩き、和敬はまた周囲を煽った。

 奇妙な事だが、人は自分が何か期待されていると気付いた時、期待に応えられる様に行動するらしい。ましてそれが自分の得意分野であれば、大きな努力も無しに成果を得られる訳で、これはもう水を得た魚となろう。

 つまりここに集められた者達は、日夜頭の中で、誰かを残酷に殺している連中なのだ。人を苦しめて痛めつける、そんな方法を常に妄想している、自分の優越を空想に見出す者達なのだ。


「手足と舌を斬り落として、野犬と烏に処理を任せる!」


「手間が省けてよいな、他には?」


「磔の後に市中引き回しを、血が出切るまで続けるのは?」


「普段と逆の順序か、面白みはあるな!」


 そこからはもう、好き放題言い放題である。

 陰気な男やら挙動不審気味の男やら、日の下に出た事も無さそうな色白の連中は、過剰に残酷な刑の案を並べたてる。例えば鋸挽き、例えば絞殺、一般的な刑罰に苦痛を加え、自分自身の独創性を主張するが如き提案の山。

 和敬が笑いすぎで喉を枯れさせる頃には、残酷処刑の数は五十にも及んだ。


「はっはは、ふぅ……いや愉快だ、お前達は良いなあ。流石に日夜思考を続けているだけは有る。特に良かったのはそこのお前だ、そうそこの針金の様なお前」


 座って一息つき、酒で喉を潤して声を戻してから、和敬は一人の男を指差し手招く。集まった連中の中で一番細く、髪を伸ばして顔を隠している男だった。


「いやあ良かったぞお前の案は。単に釘を打つでは磔刑の前準備に過ぎんが、然し箇所の選択の妙が有る。絵としてもさぞや映えるだろうなあ――」


 手招きされて近づいてきた男と肩を組み、和敬はさも親しげに背を叩いてやりながら残酷刑の案を褒め称え、


「――という事で一つ、俺に見せてくれんか?」


 痩せた男の手に、金槌と釘の束を握らせた。

 和敬の言葉を合図として、宴席に武装兵士が三十名程も踊りこむ。物々しい武装の彼らは、高手小手に縛り上げられた女を八人引きずっていた――招かれた男達と丁度同じ数だけ。

 さあ、と和敬は、痩せ男の背中を押す。何を言わんとしているのか、何をさせようとしているのか、もはや分からぬ者はいなかった。縛り上げられた女の一人が、無造作に痩せ男の前へと投げ出される。


「眼球から、だったかなあ? いやいや別に順序を変えても構わんのだぞ、耳からでも鼻からでも良い。最後の一本を打たれるまで生きていて、最後の一振りと同時に死ぬ、それさえ達成出来れば良いのだとも。こいつらは抵抗など出来んし、お前の邪魔をする者は俺が排除してやる、安心しろ。……どうした、顔色が悪いぞ?」


「ば……馬鹿っ、出来るか……!?」


 痩せ男は困惑していた。

 妄想の中で人は良く殺すし、所詮は妄想だから罪の意識など無い。が、現実に人を殺した事など無い――そんな事をする度胸を持ち合せていなかった。人を殴った事さえ無く、殴られた事も無く、痛みをまるで知らぬ男であった。

 然しこの男でなくとも、そも常識的な人間であれば、見知らぬ女を残酷に殺せと命じられても従うまい。良心が逆らうと言うより、人殺しという行為を恐れるからだ。痩せ男は釘も金槌も投げ捨て後ずさりした。

 和敬は露骨に落胆の表情を見せ、ぱん、と両手を打ち鳴らす。兵士達の中に紛れていた一人、鉄兜で顔を隠した和敬の側近が痩せ男を組み伏せ――その耳に、深く釘を突き刺した。


「いっ――? ぁあ、ああかああぁ、ぁ、痛……あぁあああぁああだああああっっ!?」


「何だお前、大声出せるのだな」


 突然の激痛。始めは何が何だか分からず、苦痛を認識した瞬間に叫び出した痩せ男を、和敬は楽しそうに見下ろしていた。

 鉄兜の側近は、手際良く痩せ男を仰向けにさせる。続けて釘を二本、左右の鼻の穴に押し込んだ。


「ふごっ、ごお゛お゛っ、お゛お゛ぉっ!? おあああぁっ、あああぁっ!!」


 言語として成立せぬ悲鳴。己の体に馬乗りになった相手を振り落とそうと、背が撓み腰が跳ね上がる。鉄兜の側近は、暴れ馬を乗りこなす様に、器用に体重を移動させてやり過ごす。

 開いた口から、舌。首から下へ狙いが映り、鎖骨の上のへこみ。肉の薄い脇の下、反対に頑丈な肘。逆手に握った釘が突き刺され、金槌による衝撃で骨を砕きながら押し込まれる。絶叫が止むのは最後の最後、両眼球から脳へと突きぬける様に、釘が二つ沈められた時であった。

 宴席が静まりかえる。未だに痙攣を続ける死体が一つ、静かに血臭を堪能する主賓が一人。招かれた八人の内、七人の生き残りは皆全て、壁を背にガタガタと震えていた。


「良いなあ! これは良い、良いやり方だ。普通に釘を打つよりよっぽど楽しいぞ! お前達の案は本当に良い! では次だ次、そっちのデブ。お前の案で面白かったのは……そうだな、鋸挽きだ。ほれ、確か足首からだったな?」


 痩せ男が惨殺される様を特等席で味わった和敬は、血と脳漿に濡れた顔のまま、肥満体の男を指差した。肥満男は血相を変えて、近くに立つ兵士から鋸を奪い取り――床に転がされた女の足に、木目を断ち切る荒い刃を当てた。


「そっちには焼き鏝を喉から腹へ。そっちのは縄で一日掛けて、だったな? ああ、去勢の案を出したお前、根の代わりに乳房でも斬っておけ。いやいや、今宵は楽しい夜だなあ、はっは」


 悲鳴、血飛沫、涙に嘔吐。小さく纏まった地獄の中で、和敬は心地好さそうに漬物を齧っていた。






「さて、どうだったね記者殿よ。こういう趣向の歓迎は?」


「悪趣味ですね、未開の非文明国家には似合いの絵で……あ、ちょっとそこの腕は動かして良いですか?」


 宴の来賓達が女を惨殺し、そして自分の考案した方法で自分自身が殺された頃合いの事。一人の少女が、血の海の上を土足で歩いていた。

 部品ごとに分かれた死体を蹴り散らかし、形の良いものだけを、表情が見えるよう仰向けに直し。嫌悪感は多大に顔に現れているのだが、それよりも尚強い高揚が彼女を突き動かしていた。

 少女は、日の本の人間には見られない、明るい金色の髪を持っていた。酸鼻を極めた床を見つめる目は青色で、白い肌も合わせ恐らくは大陸――西洋の人間なのだろうと窺える。


「悪趣味大いに結構、俺は自覚がある悪趣味なのだ。然し強烈な絵が欲しいとは記者殿の言葉だぞ」


「まあそうですけどね。そうですけど、こんな散らかして欲しいとまでは言いませんでした……その辺りに草鞋とか投げといてください、後は正規兵の装束も」


 記者殿と呼ばれた彼女は、丁寧に死体一つだけを他から遠ざけ、その周りに小物を並べ始めた。草鞋、刀の鞘、立ち切られた衣服。忽ちに宴席は、遺留品溢れる殺人現場へと変貌する。


「えーと、これくらいの角度で……『Leuchten』『Abschluss』」


 それから彼女は、腰に下げた箱の様な物を手に取る。筒状に突き出た部品の先に、磨かれ曲面を描く硝子が固定されている。これこそは西洋の科学技術の粋、『写真機』である。

 部屋の中を、眼もくらむばかりの光が覆った。次の瞬間、少女の手元には、床の様子を白と黒で描いた紙が現れていた。


「おう? 前に見た写真機とやらは、百も数える間じっとしていろなどと、しち面倒くさいものだった記憶があるが」


「流石に時代遅れです、それ。誰もかれも時代遅れ、そんな旧式を使うなんて有り得ない! それはね、兵部さん。科学は科学、魔術は魔術って切り分けてる石頭が作った古い道具。こっちは私が作った最新機種なんですよ!」


 紙をぱたぱたと手で仰ぎながら、少女は誇らしげに胸を張る。背を逸らして胸を強調する姿勢で、然しまるで色気の欠片も無いのは、体より二回りも大きいだぶついた衣服が原因であろうか。少なくとも日の本の少女達に比べれば、背丈も体の起伏も明らかに大きい。

 然して彼女は、自分の価値を容姿には見出していない様である。この国ならば人目を引くだろう金髪は、男の様に短く切りそろえられている。衣服も飾り気は無く、上着は先述のように大きなものだが、ズボンは丈も幅も脚に併せた機能重視の一品。靴は底が分厚く固く、釘を踏んだ程度ならば耐えられそうに見えた。


「して、記者殿よ。お前ならどうするね、どうするよ?」


「どうする、とは?」


 自分が作った絵――写真の完成度に満足した様子の少女に、和敬はまだ笑いが収まらぬまま問う。


「しらばっくれてくれるな記者殿、この宴席に参加したらだ。俺はな、人は生きる死ぬの場面に近づいた時、ようやっとその本性が出てくると思っている。だからお前の案も聞きたいのだ、お前が人を殺すならどうするよ?」


「えー……それって下手な答え返したら私も殺されるって奴でしょ?」


 丁度、その実例を自分の眼で見たばかりだ。少女は首を捻り、うんうんと唸りながら案を探す。


「別に殺す事ないじゃないですか。要は貴方、残酷なものが見られれば良いんでしょう? で、自分でもう色々と試してる。彼らの提案だって本当は、似た様な事を昔にしてたでしょうし。自分こそ残酷だって妄想の自慢合戦だと、何を言っても貴方は満足しないですよね」


「間違ってはいないぞ記者殿。俺は確かにそういう人間だ、思いついた事は大体試してきた。今宵の趣向とて実は初めてではないのだ」


「やっぱり悪趣味ですねー……だったら私は、貴方達じゃあ絶対に出来ない事をやります。且つ殺しません、勿体無いですから。とりあえず押し付けられるありとあらゆる罪を押しつけて、村八分にされる様子を取材し尽くします」


「記者殿、お前は残酷では無いが陰湿だぞ。俺も実行は出来るが、結果出るまでが長すぎて駄目だ……どこか行くのか?」


 酔いも手伝ってかケタケタと笑う和敬を背に、少女は襖に手を掛ける。


「ええ、ちょっと撮影場所の目途を付けに。あんまり時間も無いですしね」


 外見に無頓着な少女は、裾に飛び散った血も気にせず部屋を後にした。終始、死者に一片の同情も傾けない、これもまた異常者の一人であった。

 部屋に残されたのは和敬と、鉄兜を被った側近が一人だけ。兵士達は既に退出していたし、他は死体となっている。

 全く静かな部屋で、一つ大きなあくびをして、和敬はごろりと仰向けに転がった。側近がそっと横に座り、膝を枕の代わりに差し出した。


「まいったなぁ、どうも『錆釘』は刃向う様だぞ。脅しを掛けたのは失敗だったか」


「かも知れませんね……大人しく寝ているならば良いのですが、反抗してくれば少々面倒です。こうなれば強硬策を?」


「だなあ、さっさと潰しておきたい。が、まずは聖女殿との盟約を先に片付けたいのだ。初撃で五割方は片付けたい。荒事に慣れた『錆釘』相手ではそうもいくまい?」


 左手を血に遊ばせ、右手は扇子を持って顔を仰ぐ。半分眠った様な顔で和敬は言う。


「皇都防衛の主軍に通達しろ。神道・耶蘇教を覗いた全ての宗教は国家を腐らせる元である。我が国の発展は、排他的な教えによって百年以上も遅れている。故に全ての反逆宗教は、今宵この時を以て日の本より追放とする。

 従わぬ者には武力を以て相対せよ。反抗の言一つには百の矢を以て報いとせよ。全ての寺を打ち壊せ、全ての経文を焼き払え、僧侶は窯で煮て殺せ。そして必ず……必ず〝神代兵装〟を回収しろ。それこそがこの国の繁栄の道、世界に冠たる帝国の礎である。

 ……まあ、こんな所だな。演説は後で適当にやっておく、馬鹿は奮い立って張り切るだろうよ」


「承知しました。早速、全ての次第を整えます」


 もう一度あくびを零して、和敬は寝息を立て始める。側近が手を鳴らし、伝令の兵士を数人ばかり呼び集める。口伝で知らされた命令の重大さに、彼らは皆表情を強張らせていた。




 十月十五日深夜、雲の濃い夜であった。数十の寺社仏閣が炎を上げ、数百の怨嗟が渦を巻いた。数千の民草が、寝所で身を震わせていた。

 後に『洛中の大虐殺』と呼ばれる殺戮は、この夜から半年近くも続く事となる。

 五十年ぶりの内乱の気配を嗅ぎ取って、村雨は窓から夜空を見上げた。月はまだまだ、丸くなってはいなかった。

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