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少し昔のお話(1)

 二条の城は、官兵と『錆釘』の構成員からなる二千の兵に包囲されながら、恐れを微塵も漏らさず其処に在る。

 城壁に吊るされた屍――どの部位であるかが分かる程度に解体された肉と骨の塊は、まるで畑の鳥避けのように、周囲の兵が近づく意思を削ぐ。

 血臭が充満する二条城は、正に魔城として人界に降臨していた。

 その一室の畳の上で、冴威牙は布団も敷かぬまま、悪夢の中を彷徨っていた。

 彼は幼き姿で歩いている。

 周りには何時も、彼を恐れ忌む、誰かの目が有る。






 幼い子供の世界は、少しばかり獣に近い。

 其処には、力を一つの正義とする理が存在する。

 力が強い、体が大きい、足が速い――知恵や容貌では無い、単純な資質の優劣。それが彼等の中で、上下を定める理由となる。

 そして当然の事だが、子供は成長するにつれ体が大きくなり、それに伴って身体能力が向上する。

 つまり、群れの中で最も強い者とは、最年長の者である可能性が高いのだ。

 そういう道理に当てはまらないのが、冴威牙であった。

 天性の素質を言うのならば、彼は際立って優秀な子供だった。

 六つの頃には、五つ年上の子供と喧嘩し、泣いて詫びを入れさせた。

 足を競えば大人ばかりか、下手をすれば犬猫にも追い付く韋駄天であった。

 十を超えた頃から背がぐんと伸び、体格でも誰にも見劣りしなくなった。

 そして何より、彼は際立って闘争心が強く、誰かと競うとなれば、決して負けたままには済まさぬ性質であった。

 ある時――冴威牙が、十二歳の頃。少し離れた街から、傾奇者を気取った若い男が、数人の手下を引き連れてやって来た事が有る。

 喧嘩が強いと評判になっていた冴威牙を叩き伏せ、名を上げようとしたのだが――この若者、そういう策略に走らずとも、十分に腕の立つ男であった。

 刀、槍、弓と武器術に長け、喧嘩の折は相手を殺さぬよう、五尺ばかりの棒を得物とする。この男に因縁を付けられ、冴威牙は二つ返事で喧嘩を買った――と次の瞬間、男の手下が冴威牙の背後から、石で頭を殴りつけたのである。

 ふらついた所を、足を払われれば、それまでだった。亀のように丸まりながら、踏みつけられ、蹴られ、意識を失うまで散々に嬲られ――助けに入る誰も居らず、丸一日、その場に捨て置かれた。

 並みの悪童であれば、これで萎縮し、こそこそと生きるようになったのやも知れない。だが、冴威牙の天性は、彼に屈したままで居る事を許さなかった。

 冴威牙は幾日も、その傾奇者を着け回した。彼が日中には何処を歩き、夜には何処で眠るのか。風呂にはどういう恰好で入り、手の得物は何処に置くのか。じっくりと観察し、機を待った。

 そしてとうとう、傾奇者が酒に酔って寝入った時、その家に押し入り、喉笛を食い千切ったのである。

 役人は傷口を見て、傾奇者は狂犬に食い殺されたのだと判断したが、それは当たらずと言えど遠からず――冴威牙という犬以上の狂気を備えた猟犬が噛み殺したのだから――であった。

 十五になって、背が伸びるのは止まったが、代わりに骨が太くなった。

 四肢は鋼の如く、耳鼻は増々鋭くなり、敢えて敵する者も無く――気付けば冴威牙の周りには、何十人という、既存の道徳を嫌う少年が集まっていた。






 白河の関よりは、西の方。海まで行かないくらいの場所に、小高い山が連なる所が有って、小さな町や村が転々としている。

 その中の一つ、一番人の少ない村に隣接した森が、彼等のねぐらであった。

 この森からは材木を取らないのだろう、木々は何れも高く、枝も各々の思うように伸びている。

 絡み合った枝がたっぷりと葉を付けて、空に緑の傘を掲げたように、日差しを半ば遮っている。

 だから昼でも薄暗いし、夏でも涼しい――秋にもなれば、もう肌寒い。代わりに、川は決して干上がる事無く、全てが凍り付く冬になるまで、森の命に潤いを与える。

 では、冬に獣達はどうして過ごすのか。

 川の流れを辿り南へ進めば、そこには湖がある。

 東西を小高い山に挟まれた低地に、満面湛えられた水は、冬だろうと薄氷一枚砕けば、望むままに喉を潤してくれる。

 そういう所に、彼等は小さな城を立てていた。

 城と言っても、壁が有り、屋根が有るだけの大きな小屋だが、そこには城主の間が有り、家臣が並ぶ大広間も有り、寝所も有る――そう名付けられて、仕切が施された部屋が有る。

 何の事は無い、無邪気な幼子の遊びの延長線上に、彼等の〝城〟は有った。

 そして〝城〟の中では今日も、彼等の〝主従ごっこ〟が行われているのであった。


「お頭、お頭」


「おい、山賊みてぇな呼び方すんな」


「へぇ……それじゃなんて呼べば良いんです?」


「名前で良いだろがよ」


 巨大な掘立小屋の最奥に、何処からかっぱらったか座布団を積み上げ、冴威牙は胡坐を組んでいた。

 その周囲には、二十人か三十人かの若者が、めいめい勝手な所に腰掛け、雑談に興じている。

 殆どが、冴威牙と同じ、十五歳前後の少年だ。

 年長の者でも二十にはならぬだろうし、年若でも十は超えている。冴威牙に親しげに話しかけている少年も、きっと十二かそこらだろう。

 少年の目の輝きには、自分より優れた存在に対する、童心よりの敬意が見える。子供の理に照らせば、強者即ち正義であるのだから、冴威牙は年若の少年達には良く懐かれた。

 尤も――少年達は、物を知った大人に反抗したがる年齢というのも、理由の一つであろう。反抗する根拠として、強者たる冴威牙は、寄る辺とし易い存在でも在った。


「こらっ、なお坊」


 が――人が集まれば、その中に順列が出来るのも、当然の事である。

 少年の頭を小突きながら、冴威牙にしなだれかかるよう座った女なぞは、その順列の上の方に居た。


「いてっ! 何すんだい姉ちゃん!」


「あんたは何度言えば分かるんだい、冴威牙は山賊じゃない、あたし達の城主様なんだよ」


「城主ってなんだい、こんな隙間風だらけのお城が有るかい!」


「なお坊!」


 余計な口を叩いたなお坊をもう一度小突いて、女は冴威牙の腕に、自分の腕を絡める。

 それは、熊が爪で木を削るのと良く似た行為であると、その場に居る誰もが知っていた。

 だから女が着座すると、周囲の者も自然と座る箇所を整えて、互いの領分を侵略しないように努めるのであった。

 忽ち〝城内〟には、秩序だった席順が生まれた。


「よおし、夕霧よぅ。今日は何処で何をすっかなぁ」


「そうさねぇ、またちょいと町にでも下りて――」


 夕霧――それが、女の名前である。

 蓮っ葉な口調に似合いの、きつめの顔をしてはいるが、近隣の村を併せても一番の美人と、村の若者が良く恋慕に身を焦がしている相手であった。

 然し当人は、平々凡々な男達にまるで興味を持たず、素行不良の冴威牙のような、つまり逸れ者に惹かれる性質であった。

 この〝城〟に、他に女は居ない。だが、冴威牙の女であるという事を、この場に居る誰もが知っている。

 迂闊に手を出して、冴威牙に酷い目に遭わされるのも御免だと言う事で、何時の間にか女房面をして、周囲に命令するようになったのが、夕霧という女であった。

 夕霧はこの日、何か欲しいものでも有ったのか、町へ降りてどうしたいという事を延々と喋っていた。やれ何処の店を覗きたいだ、やれあっちの店は品揃えが悪いだ、取り留めも無く言っていたが――


「……煩え、黙れ」


「だま――あんたそりゃ言い方が酷いんじゃ」


 冴威牙がその口を手で塞ぎ、長話を無理に止めた。

 抗議の声も手で籠らせたままで、冴威牙は〝城〟の玄関口の方を見た。すると、冴威牙の目が向いてから暫し遅れて、ふらふらとよろめきながら入って来る者が在ったのだ。


「おい、どうした!」


 顔を真っ黒に腫らしていたが、臭いは間違いなく、冴威牙の子分の一人であった。






 冴威牙は直ぐ、子分の中でも腕が立つのを四人ばかりと、それから夕霧を連れて飛び出した。

 顔を腫らした子分が言う事には、どうやら町を歩いていた所、がらの悪い男達と揉め事になったのだと言う。

 此方は五人で連れだっていたが、相手は倍の十人。図体もデカい、喧嘩にも慣れていると、まるで敵わなかったらしいのだ。

 どうにか一人で逃げて来たが、残り四人は捕まって、どうなっているか分からない――と、それだけ聞けば冴威牙には十分であった。

 冴威牙には、自分なりの道理があった。自分の強さを信じて集まった者を裏切ってはならぬ、という事だ。

 だから、自分以外に連れ出した面々も、実際は荒事を期待して率いている訳では無い。

 証人として、彼等の目が欲しかっただけなのだ。

 さて――町に着いた冴威牙は、真っ直ぐに町の真ん中の方にある茶屋を目指した。

 自分達が屯するのに良く使う場所なのだが、子分の話を聞くに、そこでがらの悪い男達が、場所を譲れと文句を付けて来たらしい。果たして其処には、これ見よがしに山刀を腰に吊るした男達が十人も、品の無い大声を上げて群れていた。


「どうだ、そろそろ戻るか? 土産も出来たしよう」


「馬鹿言え、男の餓鬼なんか土産にもなんねぇよ。着物も薄汚えし、剥いでも銭にならねぇな」


「違いねぇ。じゃあどうだ、馬に繋いで引いてくってのは」


「見せしめか」


 その提案が、彼等には余程愉快なものであったのか、十人が十人とも、腹を抱えて大笑いをしている。

 どうやら男達の話題は、喧嘩に負けて捕まった、冴威牙の子分達の事であるらしい。

 その四人は、それぞれ縄で括られて、茶屋の床に転がされている。

 腕だけを背中で縛られているので、立って逃げる事は出来るのだろうが、散々殴られたと見えて、その気力も残ってはいないらしい。

 時々は男達の一人が、縛られている彼等を、足で蹴り転がしたり椅子にしたり、好き放題に嬲っていた。

 其処へ冴威牙、野次馬を押しのけて、ものも言わず真っ直ぐ向かって行った。


「おっ……なんだお前、こら」


 男達の中から二人が、近づくなと警告するように、冴威牙の正面に立った――と見た瞬間、その二人は何れも、地面になぎ倒されていた。

 冴威牙の右足が地面を蹴って跳ね上がり、まず一人の側頭部を強かに蹴り飛ばした後、地面に降ろされぬままで軌道を変え、もう一人の顎を蹴り上げたのである。

 硬い靴で放った蹴りは、人が人を打ったものとは思えぬ異音を残した。まず、顎は砕けただろうと見えた。


「なっ――」


 機先を制され、男達がどよめく。この時既に、勝負は決まっていた。


「何しやがった、てめぇらァッ!!」


 茶屋の障子をびりびりと震わす程の大喝を発し、冴威牙はまた手近の一人に飛びかかっていた。

 武器は持たない、徒手空拳である。

 だが、冴威牙の振るう拳一つ、蹴り一つで、男達は一人一人、顎や肋を叩き割られて倒れて行く。

 山刀を抜いた者も居たが、振るう前に腹へ爪先が撃ち込まれ、内臓をやられたか、反吐と血を同時に吐き散らした。

 十人居た男達は、誰一人として冴威牙に傷を付ける事も無く、皆一撃の元に叩き伏せられたのである。


「おい、大丈夫かお前ら! ……助けてやれ!」


「へいっ!」


 連れて来た子分達が、縄を掛けられた仲間を助け出す。冴威牙はその様を横目に見ながら、自分が叩き伏せた男達の中で、比較的軽症の者を見つけ、胸倉を掴んで引きずり起こした。


「おいっ! 良くも俺の子分共を痛めつけてくれたな、何処のもんだ!?」


「……ふん」


 引き起こした男は、そっぽを向いて口を閉ざす。意地を通して見せようという腹積もりらしい。

 だが、冴威牙はそれを許す程に生易しくない。片手を思い切り振り翳すと、金槌で打つように拳を振りおろし、その男の鼻をぶん殴った。


「ごうっ!?」


「俺はな、てめぇが何処のどいつだって聞いてんだよ! あぁ!?」


 答えを待たず、もう一撃――次は頬へ拳がめり込む。折れた歯が口内を傷つけたと見えて、男の口からだらだらと、真新しい血が零れ落ちた。

 それでも飽き足りぬのか、また拳を固めて振り翳し――其処で男の方が、もう耐えられなくなったらしい。


「わ、分かった、分かった――堪忍してくれっ、頼む! 熊越くまごえ 斬波ざんぱの身内のもんだよっ!」


 と、自分の大将の名前を白状した。

 すると、冴威牙の周りに居た子分達、特に夕霧の顔色が、すうっと色が抜けたように白くなる。


「ほー、薙刀斬波の子分か」


「そっ、そうだっ! 分かったんなら、今日の所は見逃してやる、さっさと失せやがれっ!」


 熊越 斬波は、近隣の山賊の頭である。

 冴威牙達が拠点とする森の、直ぐ南に湖があるが、その湖の西側にある山をねぐらとしている。

 この一帯は、幕府や政府の目が届き難い所なので、良く罪人が落ち延びて来るのだが、それを取り込んで百人ばかりの群れに膨れ上がった、大山賊団の長である。

 刃渡り三尺の大刀を打ち直し、一丈の柄を取り付けた、大薙刀を得手としているので、そのまま〝薙刀斬波〟と呼ばれている、一廉の悪党であった。


「お頭、拙いですよ……! 薙刀斬波と言ったら、西国で村一つ焼き潰して、追手も皆殺しにして落ち延びて来たって噂の恐ろしい奴っすよ! 喧嘩を売るにゃあ、あんまりに――」


「そ、そうだよ! さっさとそいつを放してやって、あたしらも帰ろうよう!」


 怖いもの無しの悪童どもとて、本物の無法者を敵に回したくは無いのだ。尾を腹に巻いた犬のように怯えて、早くこの場を去りたいと望んだ。


「……ふぅん」


 だが――怯えた犬の中に在って、一頭、天性の猟犬は、牙を収める術を持たなかった。

 冴威牙は、脅した男を一度投げ捨てると、自分が殴り倒した連中に近づき――高く、右足を振り上げ、振り下ろす。

 未だ昏倒している男達の首を、思い切り踏みつけて行ったのだ。

 ごきぃっ、と鈍い音が、男達の首から鳴る。一人、また一人、冴威牙が足を振り下ろす度、首がおかしな角度に曲がった死体が一つ、出来上がった。


「さ、冴威牙っ!?」


「びびんな、夕霧。要するに、あれだろ? 誰も告げ口出来なきゃ良いんだろ?」


 九人を次々に踏み殺した冴威牙は、先程投げ捨てた一人をまた、後ろ襟を掴んで引きずり上げると、


「よーし、んじゃあ連れてって貰うかなぁ」


「連れて、は……?」


 何を言われたか分からぬという顔の男の、横っ面をまた引っ叩いて冴威牙は言った。


「薙刀斬波がまさか、盗品を一か所に隠してるなんざ思ってねえんだよ。この辺りにも有るんだろ、隠し場所がよ? ……この辺りにゃ女郎屋もねぇのに、てめぇの体から女の臭いがするしなぁ……?」


 子分を手酷く痛めつけられた分は、金銭で贖わせようと――それが、冴威牙の思惑であった。

 僅かの間に顔が随分と変形した男を案内役とし、冴威牙とその子分達は、町を出て、そこから一里ばかり離れた森へ向かったのであった。





 それから、一刻ばかり過ぎた後の事である。

 路上に転がされた屍は、誰が手を触れる事も無く、そのままに放置されていた。

 役人さえが、屍に触れるどころか、近づこうともしない。寧ろ足の速い者を使わして、誰かを呼びに行かせていた。

 そして、その〝誰か〟が現れて初めて、山賊の屍を丁重に運び、弔いの用意を始めたのである。


「……どういう訳だ、こりゃあ」


 酒焼けした低い声でそう呟いたのは、身の丈が七尺近くもあろうかという大男であった。

 口の周りにも顎にも、頬まで大量の髭を蓄え、筋骨逞しい体に熊の毛皮を纏い、恐ろしさも際立つ異相である。

 然し一際目を惹くのは、彼が肩に担いだ巨大な薙刀――彼こそが薙刀斬波、熊越 斬波であった。

 その彼は、怒りに体を震わせていた。

 仲間が殺された事――では、ない。

 己の面子が傷つけられた事に、熊越斬波は、激しい怒りを覚えていたのだ。

 彼は非情であり、仲間の死自体はなんら悲しむべき事と感じないのだが、自分の権威下に属する存在が害された事は、即ち自分への挑戦だと受け取ったのである。

 斬波は、店の奥に引っ込んでいた茶屋の店主を捕まえ、まずは路上にまで引きずり出す。顔面蒼白の店主であるが、それで加減する斬波では無かった。


「おい! 俺がこの薙刀を振り回す前に、これをやった奴の名を教えやがれ!」


 家の大黒柱も揺らすような大声で凄まれては、茶屋の店主も平静では居られない――上に、冴威牙に義理立てする理由も無い。二度脅すまでも無く、店主はぺらぺらと、この惨状の下手人を告げ口した。

 六尺を超える長身、筋骨は逞しいがまだ少年の面影を残したかんばせ、獣の革を膠で固めた靴――そこまで聞けば、斬波にも犯人の検討が付く。


「〝犬〟の冴威牙か……餓鬼が、舐めやがって」


 斬波が悪名を轟かせているのと同様、彼には劣るものの、冴威牙の名とて近隣では知れ渡っているのである。

 然しこの時、冴威牙が何処をねぐらにしているか、知る者は少なかった。徒党を組んで町を練り歩きはすれど、強盗を仕出かす訳でも無く、もっぱら他の悪党と喧嘩に興じる程度であるので、役人も捕縛の算段を整えていなかったのだ。

 だが、それで刀を収める薙刀斬波では無い。役人も町人も、まるで自分の手下であるかのように怒鳴り付け、命令する。


「冴威牙の野郎のねぐらを探せ! 俺があの犬っころの首を叩き落としてやらぁ!」


 敵対した者は、死ぬまで決して許さない――猟犬の如き性質というなら、熊越斬波も、人に劣らず凶暴であった。

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