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※日目 九月※日(※)
私は、ふと目を開けた。
まだ視界が霞んでいるが、白い天井が見える。
あれ、私……生きてる?
だが、この天井は知らない。
どこだろう、ここ……。
そう思っていると、私の体に重みがかかった。
「アカネ! よかった……」
見ると、お母さんが寝ている私の体にしがみつき、わんわん泣いている。
そしてその横でお父さんが立ったまま黙って涙を流している。
二人の話を聞く限り、どうやら、私はあの後警察に保護されたようだ。
そして、数日間眠りつづけていたらしい。
この二人は、私が寝ている間、ずっと付きっきりでいてくれたんだろう。
その顔には疲労の影が見え隠れしていた
ありがとう、お父さん、お母さん……。
そういえば……なんだか、お腹がすいたな。
「血……」
突然私の口からそんな単語がこぼれ出る。
そうだ、血が欲しい。
血ガ吸イタイ。
モウ吸イタクテタマラナイ。
「ひひっ」
オ父サン、血、ワケテ。
私は、目にも留まらぬ速さで起き上がり、お父さんの頭に飛びついた。
※この物語はフィクションであり、登場した人物、事件、施設等は、すべて架空のものです。