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ひと夏の透明  作者: ここやまいぬこ


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ぬけがら.4

7月 日

今日は頼んでおいた写真を受け取りに行ってきた。

写真屋のおじさんには今どき珍しいねと言われた。

上手に撮れなかった写真も貰ってきた。


100円ショップでアルバムも買った。薄くて小さくて、うん十分だ。


私は嘘をついた。本当は写真はアルバムに貼ってバッグの中にある。

だってまだ渡せない。この日記が完成していない。

きみを見送り、この日記が完成したら、私は店員さんにバッグを託す。

私は持っていけないから。


名前も知らないコンビニの女の子へ。


さて私の正体は蝉でしょうか。

答えはきみが蝉だと思えば蝉なのです。

蝉は未来の自分を想像しない。失った時間も数えない。

ただ光を浴び、鳴き、羽を震わせるだけ。

人生に意味は持たない。夏をつくるセカイの1部でしかない。


だからどうか悲しまないで。


14日間しか生きなかった『ミィちゃん』を許してください。

この結末が『ミィちゃん』として在り続けるための尊厳であり、矜持なのです。


たくさんの本を読みました。たくさんの映画をみました。

その中で私が知りうる最上級の言葉をきみに贈ります。



あいしています。

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