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自分から言い寄ってきたくせに一方的に婚約破棄した幼なじみ、俺が世界を救ってから復縁を申し入れてきたけどもう遅い〜ドラクエ6の話〜

 勇者になっても、世界を救っても、実らない恋があると知った日……ドラクエ6の話です。


 今回は、自分から言い寄ってきたくせに一方的に婚約破棄した幼なじみ、ジュディについて語りたいと思います。


 暇つぶしにでも読んでいってくださると嬉しいです。


※昔のゲームではありますが、一部内容に関する重大なネタバレを含みます。

未プレイの方は気をつけてください。



1.村娘ジュディ


 ドラクエ6の主人公は田舎の村ライフコッドで暮らす平凡な少年、ジュディは村長の娘です。

ジュディは最初、主人公の兄貴分であるランドとなんかいい感じなんですが、ランドは主人公の妹、ターニアに思いを寄せていて……


 田舎のクソ狭い人間関係の中で、なんだか甘酸っぱい恋愛模様が展開しています。

この時点ではジュディはランドに夢中なので、主人公は完全にかやの外、まあご自由にどうぞって感じですね。


 そして村まつりの夜、物語は動きはじめます。



2.村まつりの夜、2人きりの部屋で……


 村まつりの夜、儀式の途中でトランス状態になった妹から不思議なお告げを聞いたことで主人公の世界を救う大冒険がはじまるんですが、そんなの村の若者にとってはクソどうでもよくて自分たちの恋愛のほうが大事です。

これから長く険しい旅に出る主人公そっちのけでランドはターニアに告白するし、ターニアはなんかよくわからないことを言ってごまかします。


 今後も狭い田舎で一緒に生活する手前、あまり無下にするわけにいかないですからね。

しかもこの村、未婚の若い男がおそらくランドと主人公くらいしかいません。

なんか断崖にあって簡単に脱出なんてできなそうだし、ターニアも大変です。


 ちなみにこの夜、村人はみんな外で祭りを楽しんでいるのですが、ランドの家にいくとランドの母親がひとりで休憩しています。


 彼女から「主人公は踊らないの?」と聞かれて「いいえ」と答えると……


「じゃあ、わたしと××××する?」


 というドッキドキな提案をされます。


 このとき、外では爆音で村まつりの音楽が流れているし花火も上がっているんですが、この部屋だけ妙に静かでなんともいえない雰囲気なんですね。

これから危険な旅に出る主人公へのはなむけのようでもあり火遊びでもあり……なんかもうたまらないんですよ、人妻。


 そんなこんなでちゃっかり童貞を捨てつつ村まつりの夜は明けて、主人公は旅立ちのあいさつをしに村長の家へ行きます。


 そこでジュディから衝撃のひとこと。


「私と結婚してくれない?」


 お前昨日までランドのこと好きだっただろとか、昨夜人妻で童貞捨てたとか、もうどうでもいいです。

このストレートな告白にすっかりやられてその場でもちろんOK。


 彼女ができました!


 ゲームの世界とはいえ、とにかく嬉しくて、ことあるごとに村に帰ってはジュディに会いに行ってました。

会話システムもまだなかった時代、なかまが増えるたびに村に連れていって「こいつ、俺の彼女」って紹介して(脳内)ニヤニヤしてました。

謎のとくぎ『おもいだす』を駆使してジュディのセリフをふかくこころにきざみこんだり、とにかく「待っててくれる人がいるっていいなあ」って感じです。チョロイン最高!


 でも、その先に待っているのは決して幸せな未来ではなかった……



3.ドラクエ6にはかわいい女の子がいっぱい


 ドラクエ6はシリーズの中でもかわいい女の子が多い気がします。


 妹のターニア、妖艶な美女ミレーユ、不思議な女の子バーバラ……

特にバーバラは世界の謎とも密接に関わっている存在なのでメインヒロインな感じもしますね。

メラの威力が規格外な神崎まさおみ先生のコミカライズのラストは素敵でした。


 あとはならずものの町で鍛冶屋を営む男まさりの少女サリィもかわいい。

伝説の剣を追って旅に出たきり行方不明になった父親をひとりで待ち続けてるとか境遇はなかなかハードです……ちなみに物語が進むと父親はエグイ死に方をしていることがわかりますが、それはまた別の話。


 そんな感じでかわいい女の子に囲まれながらも、私のヒロインはジュディただひとりです。



4.突然の婚約破棄


 冒険が順調に進み、そろそろ魔王の存在もチラ見えしてきたあたりでいつも通りジュディに会いに行くと衝撃のひと言が。


「あら、そんな約束してたっけ?」


 まさに世界崩壊(ラヴォス)です。


「女はそんなに長い間待てないものよ」


 そんな感じのことを言われてあっさり振られてしまいます。


 今考えると年ごろの女性を口約束で長期間放置して職業:勇者とかよくわからないことを言ってよくわからない自分探しの旅をしてるわけですから当然の結果な気もしますが、しばらくセーブデータが消えた並に落ち込んで失意の中冒険をしてたのを覚えてます。


 どうでもいいけどいまの子はセーブデータが消えるという理不尽を味わうことなくゲームができるらしいですね。いいことです。

あの積み上げてきた冒険が呪いのSEと共に闇に消える瞬間は世の無常を何よりも感じた気がします。

まあ今も突然のサービス終了とかあるけど。



5.ドラクエ6の世界


 冒険も中盤にさしかかるころ、とんでもない事実が発覚します。

この世界はなんか悪いやつらのせいで現実世界と、幻の大地(タイトル回収)に分割されていたのです。


 そして衝撃の事実が……


 なんと、いままで自分たちが過ごしていた世界は幻の大地、存在しない世界だったんです。


 現実世界でも一応ライフコッドはあるんですが、似ているようで違う。

慣れ親しんだ村は、実在しない夢の世界、妹とランドとの微妙な関係も、人妻との××××も、ジュディとの婚約も、全ては夢の世界の出来事……妄想の産物だったんです。



6.世界を救ったのに……


 そしてこの世界が2つに分かれてしまった元凶、魔王デスタムーアを撃破した主人公。

これで世界は救われて、分割されていた世界ももとに戻ります。


 そのとき幻の大地でジュディのもとを訪れると


「あーあ、私、やっぱり主人公のお嫁さんにしてもらえばよかったな」


 とぼやきます。


 いいよ! 今からでも結婚しよう! とめちゃくちゃ言いたいんですが、ドラクエの主人公は「はい」と「いいえ」しか喋れないのでプレイヤーは何もできません。


 いや、むしろそれ以前の問題です。


 魔王を倒したことで、魔王の力で生み出されていた幻の大地は消えてしまいます。

つまり、慣れ親しんだはずの村も、ジュディもエンディングと共に消えて、あとにはなんか違う家族と、なんか違う村人が残ります。

そう、いまさら結婚がどうとか言ったところでもう遅いんです。


 まあまあキツいけど、一緒に冒険した仲間から「俺たちズッ友だよな!」みたいなことを言われてギリギリ明るい感じで物語は終わります。



7.まとめ


 ドラクエ6は夢と現実2つの世界を行き来して世界の秘密を解き明かす重層的なストーリーと魅力的な仲間でワクワクいっぱいの大好きな作品です。

そして、実らない恋の切なさを初めて知ったゲームでもあります。


 リメイク版で仲間にジュディを紹介したとき、「あーあ、どうすんだよこれ……」みたいな反応をされたのが地味にショックでした。


 ていうか当時はなんとも思わなかったけど、元カレがいる村に遠距離の彼女を残して旅に出るって結構イヤなシチュエーションだな……もしかして婚約破棄もそのせい?

 最後まで読んでくださってありがとうございます。


 ジュディが好きな人、ドラクエ6が好きな人。

感想など残してってもらえたら嬉しいです。

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