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第3話 ヒールに火いる?

3話投稿いたしました!

よかったらよんでください!

翌日、俺はおっさんと共に馬車にゆられていた。

何でも俺を知る(かどうかは定かではないが)人物は隣の国、メラキングダム聖王国にいるらしい。

というか一つ言っていいか。揺られているって言ったな。あれはウソだ。

振られている。

湯切りされる麺のごとく。ジェットコースターを倍速で乗っているように。

前後上下左右にシェイクされている。

おっさんは平気そうだがこんなん乗っていいもんじゃねえ。

ギリギリ耐えれるくらいの苦痛が約1時間続いた。


地面に降りた時、生きていることに歓喜した。

もはや一声も発することなく、ただひたすらに生きていることに感謝した。

「いや〜ここは変わらんの。皆、活気に満ちている。いいことよ。」

「そうですね。」

俺はもはやそれどころじゃないが取りあえず返事した。

「どれ、少し休むかの。」

俺の様子を見て察してくれたらしい。

「近くに書物庫がある。大した本はないが、休憩にはもってこいじゃろう。」

そらいいな。(棒)

そうして俺は何も考えず書物庫に足を運んだ。


この世界では本というのは貴重だ。載っている情報が、ではなく、本が貴重なのだ。

なぜなら、顔料や染料のほとんど取り尽くされており、残りは各国が共同で管理しているからだ。加えて、木から作られる紙の製造は宗教上の理由からタブーとなっている。そのため、紙すらも貴重なのだ。よって、今ある本のほとんどが少し昔のものなのだ。

それでもエロ本があるのは置いといて、学問もその時代から発展していないので、皮肉なことに本の内容は最先端なのだ。まあ、俺からしたら古いが。


1時間ほど天才魔術師の冒険譚を読んでいたが、ふと、何かの気配に振り返った。この気配…まるで本気で怒った時の父親のようだ。怒りで手を上げた父と同じような、荒々しいが理性のある、そんな気配だ…俺は急いでおっさんの方に寄った。

が、次の瞬間であった。

グチャンッ!!

おっさんが倒れていた。


頭が真っ白…にはならない。恩人が倒れているのだ。ほとんど本能的に近寄った。

「きてはいかん…グホッ…」

見ればナイフが刺さっている。こういうときは下手に抜いてはいけない。出血によって状況が悪化してしまう。だから、ハンカチでおさえ…

慌てて振り返った。

そこには2メートル近い巨体に似つかわしくないナイフを持ったごろつきが立っていた。

「そこの丸いガキ、邪魔だ。豆腐みたいにぐちゃぐちゃにされてぇか?」

丸くないとか、豆腐ってあるんだ、とか、豆腐ぐちゃぐちゃにすんなよとか思ったがそんなことよりも先に脳が警鐘を鳴らしていた。逃げるべきである、と。

ただ、後ろには気を失った恩人がいる。何とかしたい。

高速で考える。どうすればこの状況を打破できるか。

現状、前にはごろつき、後ろには負傷したおっさん、近くの警備兵は動かない。金でも渡されているのだろう。時間を稼いでヒーローを待ちたいが、そうしたらおっさんの命が危ない。どうすれば…


予定は未定で決定ではない。

未来は自分に由来する。


中学校の先生の顔が浮かんだ。あの先生は何と言っていた?人間は今持っているカードでしか戦えないが、カードがなくなることはない。ただ見えないカードもある。それだけのこと。見えないカードはほとんど環境に由来する。周りを見渡せば、カードが見えてくる。

感覚を研ぎ澄ます。体感時間が引き延ばされ、世界が減速する。なにか…なにかないか。

この状況を覆せるアイデアが…なにか…

これは、なんだ?空気のように満ちているのに、空気のように密と疎があって流れているのに、空気でない、力学的エネルギーや熱エネルギーなどの既存のエネルギー以外のすさまじいエネルギーがある…

これが持つエネルギーは、いや、エネルギーを超えた何かは、この状況を打破できるのか?

わからない。ただ、できる気がする。

感覚で操作できる。集めたり、散らしたり

、震わせたり、止めたり。

一点に集める。そして、体が丁度なじむくらいに震わせる。まるで音叉のように、共鳴している。あらゆる物質によってなる体が、全身で共鳴しているような、そんな感覚。それをおっさんに浴びせる。倒れた衝撃で抜けたナイフはまだ落ちてない。凄まじく減速した世界でその波はおっさんを貫き―

傷を治すことに成功した。

いかがでしたでしょうか?

最近温かくなってきて、とても気持ちがよいです。

皆様の地域はどうでしょうか?

                by.サカタ2

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― 新着の感想 ―
体験したことのないことをまるで体験したかのようにかけるのはさすがの一言です。
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