第2話 いや、起きろよ
2話の執筆完了!
読んで頂けると、嬉しい限りです。
コメントどしどししてください!
まるで…夢を見ているようだ。何も分からない。ただ、なんというか……浮遊しているような…
その…あ〜…変な感覚があって−
あれ、気がつくと、また、草の上でねそべっていた。あれ、と不思議に思って立ち上がると…
石畳の道 音を立てて通る馬車 彫刻が彫られた建物 神父のような格好の人とその周りに集まる人々
理解が追いつかない俺は…
とりあえず二度寝することに決めた。
「ん?」
「どうしたの?神父様」
神父—トラケル・トラジスは草原に横たわる子供を見つけた。普段子供は皆教会で勉学に励んでいるか、自分とともに布教活動や街の整備の手伝いをしているはずである。もしかして倒れているのではないか。そうおもった彼はすぐに駆け寄り、呼吸をしているのを確認してそっと胸を撫で下ろした。
子供はまだ発達しきれていないためか、何かあるとすぐに命に関わってしまう。
教会の医療機関は国策として無料で怪我や病気を治療するが、そもそもヒールを使える人間は少なく、魔力はすぐには回復しないため、すぐには治療できない。
そのため、命を落とすのはもっぱら子供か老人である。
特に子供は早くに治療を施せば助かることも多く、だからこそ早めの発見が大切なのだ。
少年の無事を確認できた彼だが、ふとその少年の着ている服を着て思うものがあった。真っ白で清楚な服はまるで神を補佐したと伝わる藤原翁がこの世に生まれてきた時に着ていた衣のようだった。
「まさか…のう」
「フア〜ックショイ」
さすがに起きた。今何時だ…授業おくれちま…
「大丈夫ですかな?」
…そうだ、ここおそらく異世界なんだわ、忘れてた…
「えと…はい、あー…おはようございま…す?」
「おはよう」
この優しそうな老人は誰なんだ…?
「わかっておるよ。でも大丈夫だ。君の親がどう思おうとも、わしは君が素晴らしい人だと思っている。ここが、新しい君の家だよ。」
なるほど、おそらくこの老人、着の身着のまま草原に寝ていた俺を捨て子と思ったわけだ。よし、否定するとめんどくさそうだからそういうことにしちゃおう。
「あ、ありがとうございます…」
そうして俺はこのおっさんにお世話になることにした。
正直に言って不安だらけだが、もう手段は選んでられない。よし、とりあえず今日は何をしよう…
「わしは寝るから、とりあえず、部屋につれてってあげよう。」
もう、夜だった。
自分の部屋は、ベット以外とくに何もない質素な作りだった。やることもないので取りあえずベットに横になった。
夢を見た。図書館のような場所で本を読んで…うわっ!おっさんが襲われてる!急いで助けないと…って毒塗りのナイフが…
次の日
朝起きたら外からパカン、パカンと音が聞こえる。外に出てみるとおっさんが薪割りをしていた。
「お…おはようございます…えと…手伝いますよ。」
取りあえずこのおっさんに世話になりっぱなしは良くないので手伝うことにした。
「おお、そうかい。じゃあ少し手伝ってもらうよ。」
足を開いてナタを…振り下ろす!
パカン!
おっしゃ!きれいに割れた。一時期サバイバルごっこにはまっていた頃、友達と一緒に教わったのだ。腕はまだはまっていないようだった。
そしてすぐに全て割り終えた。
「いや〜助かったよ。わしはもう歳で腕が上がらんくての…」
「いえいえ、お役に立ててよかったです!」
よし、これで俺は有能判定だろうよ。少なくとも追い出される心配はなくなったかな。自己満足サイコー!
「よし、朝ごはんにしよう」
あ、そういえば腹が減ったな…
「お願いします。」
大切なのは調子に乗らずに常に礼儀正しくすることだ。
そうすれば、最低でも敵にはならない。必ず味方になるとは限らないが、いきなり殴られるようなことはないのである。
朝ごはんは硬いパンだった。歯が折れるところだった(誇張)。パンを唾液で湿らせて、溶かすようにして食べることになった。まじで小麦硬すぎだろ。もっと発酵せい。
「美味しいです!」
まあ、甘みがあって風味もある。まずいわけないだろうな。
「良かったよ」
おっさんも嬉しそうなので、オーケーオーケー。
「そうだ、今日は教会に行こう。いろいろ教えてあげるよ。」
「はい!」
ダジャレかなと埒もないことも思ったが、そういう事を言うのは違うと思い直す。ダジャレをいう気ならもう少し面白いダジャレか、分かりやすく言うだろうからこれは…
「ちなみに今日、教会って…」
「そうだね、誕生祭のちょうど一月前だから準備が大変になるよ。」
あぶねー…ナイス勘違いだぜ爺さん!ってなにそれ生誕祭って初耳なんすけど…
「ああ…そうですね…生誕祭の準備なんてしたことないので…」
「ああ、それなら問題ない。飾り付けくらいだからね。」
そうして俺は、教会に行くことになった。
教会は、華やかで豪華な装飾が特徴で、曲線的なデザイン、彩色豊かな彫刻、派手な装飾がある、ザ・教会というような建物だった。
「さあ、こっちだよ。」
連れられるままに中に入っていくと、そこにはおそらく司祭であろう人が掃除をしていた。
「こんにちは。」
「こ、こんにちは!」
少し声が震えたが、なんとかあいさつできた。
ああ、コミュニケーションって難しい…
「君が貰い子だね。大丈夫。安心していいよ。そうだ。名前はなんなんだい?」
「イトウランオウです。」
そう、この質問を待っていたのだ。待っていたというか想定していたのだ。ふはは、これが俺の予測能力だ!
「ランオウ?あまり聞かないなぁ」
ふ…ふはは…これが俺の予測能力だ…
どうしよう…なんといえば…
「隣のメラキングダム聖王国の司祭からそんなような名前の子を探している人がいたと聞いたよ。」
は?…俺を探すようなやつがいたの?マジ?
「その方って誰か分かりますか?」
「すまないね。名前は聞かなかったんだ。ただ、恐らくこっちに向かっているだろう。」
「なぜそう言えるんです?」
「この国は流通の要だからね。来るならここだろう。」
そうなのか…地図が欲しいな。位置関係がよくわからん…と思ったが地図があっても地理音痴すぎて意味ないな。
「まあ、今度会ったら話をするといい、今は生活に慣れるといい。」
「ありがとうございます!」
よし、よくわからないが会ってからのお楽しみだ。今はスルーでいいな。
その後、俺は飾り付けと料理をして、1日を終えた。
2話読んで頂きありがとうございます。
私は設定考案のサカタ2と申します。
私事なのですが、最近ベイブレードにハマっていて楽しいったりゃありゃしないんですよ!しかも、未だにバーストしてます(笑)
やはり趣味とはよいものだと感じましたね。
by.サカタ2