追放されたら女神の力を手に入れた
「お前を追放する」
その言葉を聞いた途端リト アルファイヤの頭が真っ白になった。
「なぜなんだ!?」
「お前の胸のうちに聞いてみろ。そしたらわかるはずだ」
リトは今までのことを振り返る。だが、何も原因がわからない。なんとかパーティに喰らいついていたと言うのに。
「お前は今まで活躍したことがあるか? ないだろ!」
強い言葉で糾弾する勇者ルオ グルフィン。事実、リトはパーティの中では一番弱く、いざという時には全くと言っていいほど活躍していなかった。例えば魔王軍幹部との戦い、リトは不意打ちにあい、逆に守られる立場となった事もある。己が己を守らなければならないはうzの戦場にて。
「だからお前はもういらないんだ」
そう言ってその場を去るる尾に対し、リトは何かを訴えたかった。だが、言葉が出なかった。
そう、反論することがもはや出来なかったのだ。
そしてリトは、足取り重く、その場から歩いて行った。彼はもう考えることをやめていた。憧れ続けていた勇者パーティの一員であるという名誉を一瞬にして失ったのだ。
彼は家には帰らなかった。どうせ家に帰っても誰もいない。
そんな家には今は興味がなかった。
(死のう)
森の中を歩いているうちに彼はそう考えた。もう、どんなに努力しても勇者パーティには残れない世界なんて、生きる意味を見出せなかった。
そして歩いているうちに、小さな泉を見つけた。
(溺死もいいかもな)
そして彼は飛び込んだ。湖の中へと。今までの日々が思い浮かばれる。四天王の一人、魔導士デモ二ウスにぼこぼこにされた時のことや、様々な勇者パーティでの努力の日、今思えば全て無駄になるのだから、くだらない日々だ。
(これで、このくだらない人生を終わらせられる)
彼は幸せになれる。この世から解脱することによって。
「目覚めなさい、勇者よ」
当然リトはそう声をかけられた。リトはそれを聞き、不思議に思う。
勇者と言えば、ルオのはずだ。彼をさしおいてリトが勇者と呼ばれるはずはない。
「貴方は、善の心と、努力する力を持っています。あなたならこの力を焼く立たせられるでしょう」
リトは働いていない頭で、目の前の美女が言っていることを推察した。結論として、目の前の美女は自分に力を与えてくれるのだろうと。
ありがたいことだ。無能と言われ、パーティから追い出された自分に力を与えてくれるなんて。
「しかし、貴方が力をもらったとは言え、それをすぐに使えるわけではありません。あくまでも私が与えるのはきっかけ、それをあなたの努力によって解放するのです」
努力するだけで、力を得られるのならそんなにうれしいことはない。自分は今まで努力して、努力して、努力して、結局追い出されたのだから。
「この力を役立たせて、魔王を打ち取り、平和な世界を」
そして、意識が再び闇に覆いつくされる。
「ん……」
目覚めると、湖のそばに倒れていた。今思い返してみても、不思議な出来事だ。こうなっては後に今日を悪夢の一日か、幸福の一日かどちらと定義付けたらいいのやら。
リトは、とりあえず目の前の木を殴ってみた。木はすぐに倒れる。だが、これは自身の力だ。流石に落ちこぼれと言われているリトでも、気をなぎ倒せるくらいの実力はある、
なんだあまり強くなってはいないじゃないか。どういう事だよ、と思いながら、周りを探索する。
……そう言えば、きっかけを解放すると言っていたなと思い、リトは少し魔物倒しに向かう事にした。
その場所は、アマ森林、その森は魔物の住処になっており、並の人間は入ってはいけない。
だが、リトはあくまでも勇者パーティを首になっただけ、実力は上位クラスなのだ。
彼は早速魔物を一匹ずつしばいていく。だが、やはり強くなったという感じがしない。これはどういう事なのだろうか。きっかけを与えただけ、その言葉がやはり気になってしまう。
だが、そんな時、彼はあることに気づいた。
魔物の上にとある数値が出ているのだ。あるものは二三一、あるものは三七一、と言った感じで。そして自分の上にある数値にも気づいた。レベル一、次のレベルまで後五六七二と書いてあるのだ。模試やこれは、魔物を倒すほどに強くなるのではないか。そう気づいたリトは一日中魔物を狩っていった。そして一日でレベルは三上がった。ほどほどにと言った感じだ。
だが、彼自身手答えを感じている。この感じで行けば、かなりの強さになると。
そう思った彼はこれはやれる! と感じた。
そしてそんな修行の日々が続いたのち、彼はレベル三六まで来ていた。この時点で彼は圧倒的な自信を身に着けていた。このまま行ったら魔王を倒せると。
だが、彼が修行中も魔王が止まってくれる訳ではない。魔王はその間も着々と進行を続けていた。
そして、そんな中、リトにとある知らせが入った。勇者パーティが全滅したとの情報だ。
その情報を聞いた時にリトはニヤッと笑った。
これで自分を裏切ったパーティは壊滅したと。
そして、リトはそのタイミングで王命をくだされた。
魔王を倒せと、勇者の仇を打てと。
だが、王の命で勇者を助けに行くのは違う。だからこそ、王の命令を聞かずに出発した。
元来、討伐体には様々な兵とともに行くはずだったが、
だが、彼にはそんなの興味がなかった。
だからこそ、彼は決めたのだ。
単独で魔王を倒そうと。
その後の旅は楽を極めた。
ぬるい旅になった。出てくる魔物も彼の力があれば一瞬で倒せる。
ふう、と息を吐き、リトは剣の人たちで魔物達の腹を一気に切り裂く。
彼の件はもはや音も置いていき、さらに斬撃だけで、魔物達は切り裂かれていくのだ。
その勢いのままリトは魔王場へと向かって行く。
そこにいた魔物達にもリトは容赦ない。猛る気迫で切り裂いていく。
そのままの勢いであっという間に魔王のままで来た。
「ほう、貴様は勇者パーティの一員か?」
「違う」
リトは即座に否定した。あの連中の仲間と思われたくなかったのだ。
「否定しなくてもわかるぞ。お前にはそのにおいがついている」
「そんなわけがない」
「いや、分かるぞ」
リトについているのは仲間のにおいではないはず、どちら後言えば女神のにおいだ。
あんなくそ野郎どものい老いがついているわけがない。
「分かったぞ。お前は、仲間への思いを捨てきれずにいないのか。分かるぞわかるぞ、お前は仲間の事を思っている」
(俺が、あいつらをまだ好きでいるだと?)
「ふざけるなあああああ」
リトは一気に地面をけり、一気に剣を振り下ろす。
「迷いが出ておる」
だが、あっさりと受け止められる。
「ほら、我が憎いんだろ? 貴様の仲間を殺した」
「俺は仲間のために戦ってるんじゃない、俺のために戦っているんだ」
決して、仇討ちなどではない、自分のためだ。
「うおおおおおおおお!!!」
剣の鮮度が上がっていく。
「迷い? は、ふざけるな。俺はあいつらが死んだことは天罰だと思っている。だけど、それとお前を憎む気持ちは別だ。……お前は、この世に居てはならない存在だ!!」
そのまま剣で魔王にただひたすらに剣を振るっていく。魔王も魔法を扱いながらその攻撃を巧みに世絵kながら、反撃の意思を含めた攻撃を企てていく。
だが、リトの件は一撃必殺、まともに受けることが出来ない。
酔って魔王は魔法でリトを殺すしかないが、もはや今の迷いを捨てたリトには効かない。
「お前は終わりだ」
全てを受けきったリトは勢いそのまま魔王を切った。
「はは、これで平和か」
これで俺は王様になんか褒章なんて貰えるのかな、そう思ったら急にくだらなく感じた。
リトはもはや褒章なんていらなかった。
「脅威をうち滅ぼす。俺のためじゃなく、他人のために」
そして、リトはさらなる強敵を探し、数々の国を渡り歩くのであった。