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あの後、スピカさんと次の日の朝にダンジョン攻略について話す約束をして、ギルドの近くに借りてる部屋に戻った俺は、
「今日はすごい1日だったな。」
そう呟きいて、さっきまでの出来事を思い出してた。
(暗殺スキルか、このスキルがあれば今まで倒せなかった敵だって……。更にパーティメンバーも増えた。これで少しはサラに近づくことが出来るかな。)
流石に疲れた俺は、そのままベッドに寝転がりすぐ眠りについた。
次の日の朝早く俺はギルドへ向かった。
「まだ、スピカさんはきてないのか。」
まだスピカさんはいなかったので、俺は近くのベンチで待つことにした。
しばらく待っているとスピカさんがやってきて、俺に気付いて手を上げた。
「すいません。少し遅くなりました。待ちましたか?」
「そんなに待っていないので大丈夫。それよりも来ないんじゃないか心配になったよ。」
「私は命の恩人にそんなことしません。」
そう言ってスピカさんは頬を膨らました。
「冗談だよ。とりあえずここは落ち着かないから、あっちで話そう。」
そう言って俺たちはギルドの酒場に移動した。
酒場についた俺たちは、改めて話し始めた。
「改めて確認するけど、本当にスピカさんは俺とパーティーを組んでくれるのかい?」
「はい。こちらこそよろしくお願いします。それと、パーティーを組むので「さん」付けはしなくていいですよ。なんならカレンと呼んでくれても構いません。」
「わかった。じゃあよろしく、カレン。あと、俺もアランって呼んでいいから。」
「わかりました。アラン、これからよろしくお願いします。」
「」
そうして俺たちは、改めてパーティーを組むことを確認した後、どこのダンジョン攻略するかについて話し合い始めた。。
ダンジョンは小型、中型、大型、超大型があり、大型以上は特定の冒険者ランクより上ではないと挑戦できないのである。
小型ダンジョンは皆、最初に挑戦することから初心者ダンジョンとも呼ばれていた。
「今、俺たちが挑戦できるのは、小型と中型のダンジョンだ。それ以上はランクが足りない。俺たちはどっちもダンジョンをクリアしたことないし、まずは小型ダンジョン挑戦がいいと思う。」
「私もそれがいいと思います。昨日出会った森の近くにあるダンジョンは、小型ダンジョンなのでそこを攻略しませんか。」
「あそこか……」
俺は、かつて自分が逃げ出したダンジョンを思い出した。
「あのダンジョンは俺もクリアしたいと思ってたんだ。」
「じゃあ、決まりですね。」
そうして俺たちは早速、郊外の森の近くにあるダンジョンへと向かった。
ダンジョンへ向かう道中、今後の戦闘のために俺はカレンの得意な武器について聞いていた。
「そういやカレンさんの得意武器は今持ってる大盾と片手剣でいいのかい?」
「はい。スキルの性質上私にはタンクがあっているので、タンクの人が使っている武器にしてます。アレンは何の武器を使っているのですか?」
「俺は弓矢だよ。俺が使う武器も自分のスキルと相性がいいやつを選んでる。」
そこまで自分の武器について説明した時、俺はカレンに自分のスキルの説明をしてないことを思い出した。
「カレン、そういや俺のスキルは言ってなかったな。俺は「潜伏」っていう障害物に隠れると消えるスキルを持ってる。少し見ててくれ。」
そう言うと俺は、近くの草むらに
「潜伏」
スキルを使って隠れた。
「え、すごい。本当に見えなくなりました。」
カレンはそう言って俺のことを探してる。
俺はそのまま近くにいたビックボアに向かって、矢を放った。
昨日オーガを倒してステータスが上がった影響で、ビックボアは1発で倒れた。
「こんな感じで魔物を倒してるんだ。」
潜伏を解いた俺は再びカレンに話しかけた。
カレンはいきなり現れた俺に少し驚いてたが、すぐに、
「それを使って、覗きとかしないでくださいね。」
と真面目な顔で言ってきた。
俺も大真面目な顔をして
「するわけねえだろ。」
と返すと、彼女は笑いながら
「はは、冗談です。もうそろそろつきますね。攻略頑張りましょう。」
と言って先を歩いていった。
半刻後、俺たちは小型ダンジョンに到着した。