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「なんだ、このスキル?」

「暗殺」というスキル見た俺は思わず声を上げた。

 (スキルが増えるなんて話は聞いたことがない。一体何が起きたんだ。)

 気になって、冒険者カードのスキル欄の暗殺をタップしてみる。


 暗殺

「潜伏」を使い、相手に気づかれておらず、一撃で倒せない獲物を相手するときに発動する。

 獲物を集中して見ることで、一撃で倒せる場所を知ることができる。

 解放条件。

「潜伏」を使い気づかれず1000体獲物を倒す。


 (かなり制約が多いが、発動すれば1発というのは、とても強いな。)

 そんな風に新しく追加された「暗殺」について考えてたとき。

「あの……助けてくださってありがとうございます。」

 その言葉で思考の海に沈んでいた俺は、一気に現実に引き戻された。

「ああ、君は怪我はないかい?」

「はい、おかげさまで動けなくなるような大きな怪我はしていません。私の名前はカレン・スピカです。あなたの名前を聞いてもいいですか?」

「俺の名前はアランだ。」

 (苗字があるってことはそれなりの権力を持っているのか。)

 通常、苗字は貴族にしか与えられないが、とても権力をもった商人などは、苗字をもらえることもあるのだ。

「でもなんで、スピカさんは1人でこんなとこに?」

「私はライブラ冒険者学校に所属しています。ライブラの生徒は、3年生になるまでに一つ以上のダンジョンをクリアしなければならないのです。」

 そう言われて俺は、この近くに自分が逃げ出した初心者用のダンジョンがあったことを思い出した。

「でも、1人でダンジョン攻略は厳しくないか。他のパーティメンバーとかいないのか?」

 そう聞くと彼女は苦々しく表情を歪めたが、すぐに

「私はパーティーを組むことを避けられているんです。」

 と打ち明けた。

「避けられてる? なんでそんなことになったんだ?」

「私の持ってるスキル「デコイ」は大量の魔物や強い魔物を惹きつけてしまいます。しかもそれを上手く制御できないのです。そのせいで前にいたパーティーを半壊させてしまいました。それ以降、私と組んでくれるパーティーはいなくなってしまいました。」

 冒険者になりたての頃、能力値が弱くていろんなパーティーをクビになった俺は、彼女にとても共感した。

 俺は気付けば。

「スピカさん。よかったら、一緒にダンジョン攻略をしないか。」

 なんていう提案をしていた。

「え、いいんですか本当に!?」

「ああ、俺もパーティーを組めてなくて困っていたからな。ちょうどいい機会だ。これからよろしく。」

 そう言って手を差し出すと、彼女は泣き出した。

「なんで泣くんだよ。俺とパーティー組むのが嫌なのか?」

「違います。孤立してから、今まで誰も助けてくれなかったから嬉しくて……」

 そう言って彼女は俺の手をとった。

「よろしくお願いしますアレンさん。一緒に頑張りましょう。」

 こうして俺は、初めてパーティーを組むことができた。

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