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「これで9頭目。あと1頭か。」

 俺はイノシシ型の魔獣ビックボアの魔石を回収しながら1人つぶやいた。

 

 4年前、サラに追いつくためギルドで冒険者登録をして、gランク冒険者となった俺は、魔物を狩ろうと初心者ダンジョンへ行ったが、結果は一体も倒せずに逃げ出した。

 俺の筋力では剣などの近接攻撃で、魔物にダメージを与えるのは至難の技で、すぐに挫折した。

 しかしギルドで簡単な依頼を受けながら、どうにかして「潜伏」を使った戦法で魔物倒せないか考えた結果、弓を使うという結論に至った。

 そこからはひたすら4年間、弓の練習を続け、最初は全く当たらなかった弓は、今では頭に当てるのも容易くなった。

 それでも高ランクの魔物を倒すには火力が足りず、ダンジョン攻略もできてなかった。

 そんなこんなで今は、このような簡単な魔獣を倒す依頼をしつつ日々を食い繋ぐことしか出来なかった。

「見つけた。30メートル先か。」

 俺は近くの草むらに腰を落とした。

「潜伏」

 草むらの中で姿の見えなくなった俺は、ビックボアの頭目掛けて弓を引いた。

「当たった。もう1回。」

 矢を受けてよろめいたビックボアにもう一度、頭に矢を当てて仕留める。

「これで依頼完了っと。そろそろ暗くなるしギルドに戻るか。」

 (サラは今何をやっているだろうか)

  そんなことを考えながらギルドに戻った。



「今回の依頼料とビックボアの魔石10個合わせて2500ゴールドです。」

 ギルドの受付嬢から報酬をもらった俺は、ギルド備え付けの酒場へ向かった。

 酒場は多少混んでいたが、飯ぐらいは食えるだろうと場所を探してたそのとき。

「おーい。アランここ空いてるぞ。」

「ベック。じゃあそこにお邪魔させてもらうよ。」

 声をかけてきた男はベックという。冒険者になった時からよく面倒をみてれる、年上の先輩冒険者だった。

「なんでベックは酒場に?」

「E級冒険者になったから祝い酒さ。」

 E級冒険者は何かしらのダンジョンをクリアした者がなれる冒険者の登竜門である。

 自分がいつまで経っても進めない辛さを知っているだけに、4年もお世話になった先輩の昇格は、とても嬉しいものがあった。

「それは、おめでとう。」

「ありがとな。お前も早くダンジョンクリアしてE級になれよ。」

 そのあとベックは帰ったが、友人の昇格によって気分よく飯を食べているとき。

『今日は、今躍進中のサラさんにインタビューしたいと思います。』

『お願いします。』

 そんな懐かしい声が、酒場備え付けのスクリーンから聞こえてきた。

『サラさんは現在、4大ダンジョンのうち「タウラス」、「ヴァルゴ」を攻略して2つの10代目ダンジョンマスターとなっていますが、次はいよいよラストダンジョンですか?』

『いいえ、私はラストダンジョンに望む前に、4大ダンジョンを全て制覇したいと考えているので、次も残っている4大ダンジョンを攻略します。』

 サラが所属するパーティー「暁月」は学園に入って半年で結成され、1年で「タウラス」を攻略し、さらには2週間前に「ヴァルゴ」という4大ダンジョンも攻略した。

 あまりの早いペースでの4大ダンジョンの攻略に、まだ新星ながらラストダンジョンの攻略に最も近い者達と言われてた。

 そしてその「暁月」のリーダーでエースを務めているのがサラである。

 Fランク冒険者である俺とサラとの差はこの4年間でさらに開いてしまった。

 自分とサラとの差を再確認し、少し憂鬱な気分になっていたとき突然周囲が騒がしくなった。

「いったいなんの騒ぎだ。」

 少し気になって騒ぎの中心を除いてみると、そこにはさっきまでスクリーンに映っていたサラがいた。

 

 

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