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『どうしてこうなった』

2021年1月1日。

私は、どうしてこうなった!!と叫びたい気持ちでいっぱいだった。


──私は朱月(アカツキ) (サクラ)京西(キョウセイ)附属病院に勤務する看護師だ。

顔には四六時中マスクをして、こまめにアルコール消毒をし、来る日も来る日も途絶えない新型コロナウイルス感染者と対峙している。


職員と交わされる会話は患者の容態、感染者数の推移、迫り来る変異種の脅威等、全く気の休まることは無い。

──唯一気が休まる食事の時間は職員との会話は禁止。自分だけが喋らないならまだ我慢出来るが、全員が喋らないのだから精神に堪える。


収まることの無い感染拡大、どこどこでクラスター発生。

仕事柄年末年始も当然の如く休みは無く、家族に会いに行くことも出来ない。

…本当にどうしてこうなった。

つい1年前は誰もが、こんなことになるなんて予想していなかったハズだ。


暇を見つけては同業者に愚痴るようになった。だが、同業者は忙しいと聞く耳を持たない。

──私はただ、子供の頃心臓発作で死にかけて、それを助けてくれた医師や看護師さんに憧れて、自分もその道を歩もうと…

それが…

それが一体どうしてこうしてこうなったと言うんだろう?

…こうして考えてる暇があるだけ、私は幸福なのかも知れない。

世の中には自分より苦しい立場にある人がいるかも知れない。…そう思うことでしか楽にはなれないのだ。今は…

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