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漫才・日頃の感謝

作者: 走鹿

二人「はい、どーも!」


ボケ「あの、ちょっとすいません」

ツッコミ「何?」

ボケ「折り入って頼みたいことがあるんだけど、聞いてもらってもいい?」

ツッコミ「うーん、とりあえず聞くだけ聞くわ」

ボケ「息子の授業参観に来たお母さんがやりたい」

ツッコミ「えっ、お父さんじゃなくて?」

ボケ「お母さん」

ツッコミ「なんで?」

ボケ「あのさぁ……漫才っていうのは、現実では絶対になれない人になれる、叶わないようなことも叶えられるっていうロマンが詰まった最高のエンターテイメントなんだよ」

ツッコミ「それは確かに……」

ボケ「だから、俺は息子の授業参観に来たお母さんで、お前はその息子をやる。以上」

ツッコミ「……分かった、やろう」


ボケ「息子ー!こっちむいてー!!」

ツッコミ「なんで一緒に住んでる息子にそこまで沸けるんだ……あと、息子のこと息子って呼ぶ母親いる?」

ボケ「コラ、息子ー!ママにファンサするの忘れてる!」

ツッコミ「ちょっと待て。ここ学校だろ!?コンサートじゃないんだから!」

ボケ「みんなー、今から息子が徹夜で一生懸命書いた作文読むから!静かにしてー!」

ツッコミ「おいおい、母親が息子を追い込むな……ていうか、作文って何?」

ボケ「授業参観で子供に読ませる作文なんて、たいてい親に対する日頃の感謝でしょうが」

ツッコミ「それは、そうとも限らないだろ」

ボケ「息子ー!ほら、ファイト!」

ツッコミ「しょうがないな……いつも家事と仕事で忙しいのに、僕のために色々してくれてありがとう。大好きです。終わり!」

ボケ「お前……そんな風に思ってたのか」

ツッコミ「え?」

ボケ「まあ……正直、お前が俺のことが大好きだっていうのは薄々分かってはいた」

ツッコミ「何?どういう状況?」

ボケ「俺が今まで色々頑張ってたのは、お前のためでもあるけど俺のためでもあるっていうか」

ツッコミ「待て待て、俺を置いて突っ走るな」

ボケ「とにかく!お前の気持ちには応えられない。ごめん」

ツッコミ「いや俺、別にお前に対してそんな特別な思い持ってねえから!」

ボケ「本当にごめんな……なんか強がらせちゃって……」

ツッコミ「強がってもねえから!なぜかちょっと傷ついてるけど!」

ボケ「でも、お前とずっとコンビは続けたいなって思ってるよ」

ツッコミ「え、それは普通に結構嬉しい……っていうか、授業参観はどうしたんだよ!」

ボケ「それはもうとっくに終わってる」

ツッコミ「どのタイミングで?!」

ボケ「息子ー!ファイトー!の時」

ツッコミ「終わったなら言ってくんない?!俺、ずっとやりたくもないお前の息子やってたのに!」

ボケ「こうでもしないと、お前が俺に日頃の感謝を言う機会無いかなと思ってさ」

ツッコミ「いい加減にしろ!」


二人「ありがとうございました」

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