新たな名前でのスタート
うるさい赤子の泣き声で目が覚めた。
(あぁ......そうか、捨てられて拾われて......)
昨日は散々だったな。
キィィィ_____と木製のドアが軋み、俺とその子がいる部屋に女性が
入って来た。
「お、坊や達お目覚めかい?」
なるほどな。昨日もこんな感じで赤子の泣き声を聴き、駆けつけてくれたのか。
そう考えるとこのうるさい泣き声に助けられたって訳だ。
そこは感謝しておこう。
それより昨日は暗くて見づらかった女性の顔も隣の赤子の顔もはっきり見え
る。
女性は黒髪でショートヘアーだ。顔は四十くらいだな。小ジワも目や口元に目立
つ。恰好は黒のロングスカートに上から白のエプロンの様な物を纏っ
ていた。
赤子の方だがさっき女性が坊や達と言っていたので多分、男の子だろう。
髪の色は綺麗な赤だ。あ、ちなみに俺にも少し髪の毛が生えてきたぞ。
と、まぁ、説明はこんなところだろう。
「さて、可哀そうなお前さんたちだが、とりあえずは名前が分からないんじゃど
うしようもないねぇ。」
女性は顎に手を当て「よし!赤毛のほうはラーナね」
(ラーナ?女みたいな名前つけやがる)
「黒髪のお前さんは......あら、双子じゃなかったのか」
髪の色で気付いたようだ。
「クライン!クラインがいいね」
(ふむふむ。アルベルト・クライン。冒険者登録するときはこの名にしよう)
そんなこんながあったが目標は変わらない。
とりあえずひたすら強くなってハーレムやらの私欲を尽くすだけだ。
あ、眠気きた。おやすみ。
赤ん坊は今回が最後です。
次からは三年経過しての三歳児です。