赤ん坊のアルベルト
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......(ここはどこだ?)
「あら、あたしの可愛い坊やがお目覚めね。んふふ」
目覚めると同時に女性の声がした。
まだ少し重い瞼を徐々に持ち上げて目を凝らす。
そこには見知らぬ中年くらいだろうか、長い黒髪の女性。
「ばぅばうばぅぅぅう......ぅぅうん?(誰ですか......んんん?)」
ちょちょちょ、何かがおかしい。言葉が......変だ......。
戸惑いから腕をバタバタさせていると視界にチラリチラリと映り込む小さい手。
「あらあら、ご機嫌ね。元気なあたしの坊や。」
戸惑いが絶えない俺をよそに「ご機嫌なのはお前だろ」と喉元まで出ていた言葉
を飲み込んだ。
視界をちらリズムさせていたのはまさしく自分の手だ。
そう何故なのか成人男性である俺が赤ん坊と変貌していた。
この事態に記憶を遡る。
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うん......死んでたな俺。
確かに死んだ。三年前に。ってことは(これって最近何かと流行りの転生ぃぃい)
そういうことだよな。
てか、三年前ってどんだけ時間たってんだよ!!!とかどうでもなツッコミは今
は置いておこう。
「急に黙り込んじゃって......。お腹がちゅいたのかな~。」
俺が状況整理している傍らで中年の長い黒髪の女性がうざいほど話し掛けてく
る。しかも赤ちゃん言葉とか。
大人ってのはこれだから。はぁ~。
それよか赤ん坊の俺の言葉は通じないにしろ、こんなに相手の言葉がわかるもの
なのか?
んなわきゃないよな。まぁ転生して特別な能力ってのは漫画とかじゃ珍しい話
じゃないわけで......えぇぇぇぇぇ~!!
やばいやばい、そうなると漫画みたいなハーレムや超つぇ~的な展開もあったり
するのか!?
___ガチャッ、
「たで~ま~」
お、誰かが帰ってきたぞ。
「おかえりなさい。早かったわね。」
「うん、まぁな。お、アルベルトぉお~」
帰ってくるなり叫びながら抱き着いて来たこの男性は多分父親でうざい赤ちゃん
言葉が母親じゃないかと容易な推測を立ててみる。
へぇ、アルベルト、それが今の俺の名か。
読んで下さった方へ。
今まで何度か色んな作品を投稿してきましたが中途半端に終わってしまいます。
まぁ中途半端な人間だからですが。
それでもこの作品もそんな中途半端な人間がしっかり書き終えたいと思い投稿した作品です。
至らぬ点はございますが...至らぬ点しかございませんがどうぞ優しい心でこの作品に終止符を。
よろしくお願い致します。