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60、二月十一日、午後三時七分。
都内に拠点を持つ電力会社三社では、電気ケーブル復旧のための敷設班が総力をあげて稼働していた。
初めは公安第七課から坑内へ入るのを待ってほしいと連絡を受けたのだが、三社とも憤然とそれを拒絶し、自分たちはインフラ整備のための全責任を負っている、その責任を肩代わりできるのかと逆に七課に切り返した。
いま、数千人規模が参加する作業により、切れたケーブルと変電所の復旧が進んでいる。
【信頼すべき筋からの注記】
第二変電所地下ケーブル坑内で、ケーブルの「自己増殖」現象が起きているとの得体の知れない怪情報がSNSを中心に拡散しつつあるものの、これを確認する如何なる電力会社ならびに公的機関からのコメントも現在、発表されてはいない。




