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44、二月九日、午前八時三十二分。
都心から十五キロも離れていない貿易港では、大雪のため物流のトラックが予定数の二割弱しか運用できず、操業停止の状態に追い込まれていた。
あちこちの倉庫で停電が起き、各事業者は電力会社に問い合わせを試みたのだが、電話もメールも朝からつながらず、連絡はまったくとれなかった。
誰も何が起きているのか、把握しているものはいなかった。
* * *
都心から車で二十分の位置にある国際空港では大雪のために欠航する便が相次ぎ、ロビーは人で溢れていた。
空港バスもタクシーも、そしてモノレールも、みな雪のために稼働できず、空港機能は麻痺状態であった。
誰も何が起きているのか、把握しているものはいなかった。




