第4話
第4話どうぞよろしく
桐河さんとの話から数日たったある日、俺の元にひとつの手紙が届いた。差出人は日本政府特務省特殊犯罪課異能力取締組織『ASAYAKE』と書かれていた。特務省と言えば半年前に出来たばかりのところで警察などの手に終えないような事件や都市伝説の真偽等を調べたりしているところだ。正式名称こんな長いのかと思いつつ家に戻り手紙を開くと内容は
『7時に迎えに行く。それまでに覚悟しておくこと』
と書かれていた。覚悟といわれてもよく分からないのでスマホと財布をもっておく。そして7時になった。7時に来るんだよなと確認していると目の前の道路が光った。光っているのは魔方陣。しかも車が一台入りそうなくらい大きな魔方陣だ。俺が見たことがあるのはせいぜいマイクがわりに使われているぐらいの大きさだ。そしてその中から出てきたのは車だ。しかもリムジン。
そしてリムジンから出てきたのは
「やぁ浅賀君。その手紙に書いてあった通りに7時に迎えに来たよ」
と桐河さんが俺の持っている手紙を指差しながら言った。時間を確認すると7時00分30秒だった。
「すまない。私はどうも7時ピッタリに来るとかゆう時間厳守な人間ではないのでね。もしかして浅賀君は時間厳守な人かい?それはすまないね。「あの...」いやー私はこういう時間が決まっている時にピッタリにするのができなくてね。「チョット..」いや、ほんとにすまないね。あ、なんだい?」
「いえ、あの..」
疲れた。どうしたんだこの人。この前会ったときはもう少ししっかりしてた人だと思ってたんだけどな。しかも話す速度が速い。やけに速い。もう少し速かったら聞き取れなかった。
「どうしたんだい?」
「あ、いえ。何で魔方陣からリムジンが出てくるのかと思って」
「それは君。決まっているだろう」
桐河さんがキメ顔で言ってきた。
「何ですか?」
「カッコいいからだよ‼」
「...........」
「カッコいいからだよ‼」
「二回言わなくていいです」
カッコいいからって。
「いやね、あの魔方陣帰りには使えなくてさ。わざわざカッコよく登場したのに徒歩で迎えられるとか嫌だろう?そのためのリムジンでもあるのさ」
次は真面目な顔だった。
「今日はよくしゃべりますね」
「私はいつもこんな感じなんだがね。初対面の人には静かに接しているんだ」
「そうなんですか」
「まぁそういうことで。それじゃ行こうか。あっちにはメンバ
ーのための寮がある今日からそこが君の家だ。そうだ、ご両親への挨拶はすんだかい?」
「えぇ、まぁ」
最初に父さんに話したら物凄く反対された。母さんはショックで倒れそうになってた。けどある日、リビングに呼ばれると父さんが
「お前はどうしてもそこに行かなければならないんだな?」
と聞いてきた。
「そうだよ。俺は皆を守りたい」
「わかった。行け」
「いいのか!?」
「あぁ、昨日二人で話したんだ。そして出た結論がこれだ。だからお前は自らの望む、ところへ行くんだ。いいな」
「あぁ、わかった」
ということがあったのだ。
「それじゃ出発するよ」
リムジンが動き出した。それから十数分たつと最近出来たばかりだとわかる新しい建物が視界に入ってきた。
「ようこそ。日本政府特務省特殊犯罪課異能力取締組織『ASAYAKE』の本部へ」
桐河さんが笑いながら言った。
次で多分ヒロイン出ます。