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少年と休日


【王国暦122年11月3日】

【帝国暦319年11月3日】


 ハードワークに体が慣れる感覚は、今までに何度も味わったことがあった。徐々にきつくなっていくのに、体と神経がそれに追いついてしまう。

 だから、今回も慣れてしまうだろう、と思っていた。

 しかし、そう感じていたのはレックス本人だけだった。


「レックス、アンタ、今日は自宅待機ね」

 出勤前――――朝一番に自宅でドロシーに言われたのは休め、ということだった。

「え、ドロシー姉さん……?」

 店では店長、と言わなければならない。逆に自宅ではちゃんと名前で呼ばなければならない。これはドロシーが決めたルールであり、遵守しているレックスは、正確に名前を呼んで疑問符を投げた。ドロシーの言うことの意図はわかるが、納得はできないからだ。

「アンタはちょっと疲れてるもの。このままじゃつまらない失敗をするわ。大丈夫、下着屋の方も今日は私が見るわ。いいからもう一度寝なさい」

「え、でも、今日は新人さんたちの魔力波形を登録しないと」

 トーマス商店のカウンターに設置されているレジスターは、魔力波形を登録しないと使えない。昨日までトーマス商店本店の方で研修をしていた四人の新人を、今日は迷宮支店の方まで連れていって、その作業をすることになっていた。


「ん、じゃあ、夕方に迷宮支店の方に来て。それまで何もしないで休むこと。いいわね?」

 ドロシーが折れて、半日休ということになった。それでもこれは、レックスが貰った、始めての『急な休み』だった。

「そうね、私も賛成だわ」

 同居しているアーサお婆ちゃん――――元々、この家はアーサの持ち家だが――――も、心配そうにレックスを覗き込んだ。家長であるアーサお婆ちゃんの言うことは絶対だ。このアーサお婆ちゃんの娘であるレベッカ(ベッキー)が、トーマスの妻で、戸籍的にも、血は繋がっていないとはいえ、祖母に相当するからだ。尤も、関係性がどうであれ、慈母のような雰囲気を持つお婆ちゃんに逆らうなんて、考えもつかないことだろうが。

「私も賛成」

「私も……」

「少し寝てよ。私たちが働き者じゃないみたいじゃない」

「そうよそうよ」

 美少女従業員、細身少女従業員と一緒になって休め休めと連呼しているのは、双子姉妹従業員だ。全員、トーマス商店の従業員である。


 このアーサ宅は一見普通の木造平屋だが、魔改造されていて、地下に居住空間となる構造物(チューブ)が埋め込まれている。平屋からは転送魔法陣によって移動するこれは、例によって『魔女』の製作物で、余った部屋を従業員たちが使っているという状況だ。これにドロシーと、上級冒険者二名の女性、出張中の『魔女』とサリーも加えると、外から見れば男子垂涎のハーレム環境である(ついでにベッキーも出産のために実家であるここに里帰りしている)。


 男がレックス一人という状況を、本人は時々息苦しく感じることもある。女性の体臭に囲まれているせいで、レックスの女性レーダー(?)は常に敏感で、男の性を直情的に家族たちに見せることは、レックスには非がないというのに、やはり非難の目を向けられてしまう。

 強烈な姉たちに仕込まれてきたレックスは、そこで己の表面的な感情を押し殺す術を身につけた。

 身につけた……のだが、マグマのように黒い性衝動が溜まっていくことは止められなかった。


 ある時、レックスは衝撃的な場面を見た。

 姉たちが『魔女』とアーサお婆ちゃんから裁縫を習っていた。縫っている時には、それが何なのかは知識がなかった。後で訊いてみると、それは下半身を覆う女性用下着――――パンツだった。

 そうか、あれがパンツ――――――。

 鈍い光沢のある布が……尻を包むのだ……。

 あのサリーの尻も? 薄い尻だけど、もう少し歳を重ねたら、プリプリとした丸みを帯びるだろう。その尻を包む布製品?


 レックスは、明確に、性的に興奮した。大興奮した。

 その時から、下着に興味を持ち、裁縫に興味を持ち、中身にも興味を持つようになった。この、モンスターになったレックスを性的に打ち負かすものがいれば、それはサリーだろう。サリーに嫌がられながら、自作のパンツを履かせることが出来たなら、それはどんなに甘美な瞬間だろうか!


 それは本能が理解しているため、サリーに対しては特別な肉欲がある。それは野望ともいえるし、レックスの人生の目標といえる。だから、下着販売店で実績を作ることは、プリプリのお尻を包むための、壮大な計画の第一歩に過ぎないのだ。


 体がキツイ、心がキツイ……そんな時、レックスは魔法の言葉『プリプリ』を心の中で唱える。そうすると、力が湧いてくるのだ。


 ああっ、もうっ、プリプリっ!


 今も沸き上がる力を感じてはいるが、ドロシーに反論をしても無駄だ。それに――――疲労が蓄積しているのは事実なのだから。

「ぷり……わかりました、ドロシー姉さん。夕方までに迷宮支店の方へいきます」

「うん、それでいいわ。お婆ちゃん、すみません、ちょっと見ていてもらっていいですか?」

「そうね、任せて頂戴」

 軽く、お婆ちゃんは自分の胸を叩いた。



* * *



 二度寝って結構いいものなんだな……。レックスは目が醒めると、ボンヤリとアーチになった天井を見ながら、そう思った。

 でも、これが癖になっちゃいけない、とも自戒する。レックスはチラリ、と窓に視線を移す。

 レックスが寝ているのは地下に埋設されている大型の管(チューブ)の中であり、この窓はダミーだ。しかし窓からは光が溢れている。ガラス管で導光された光が、その角度で大凡の時刻を知らせてくれる。

 もうお昼前か。

 ふう、と息を吐いて、まどろみを味わう。


 昨日の夜、トーマスが裏会議の帰りにレックスのところに寄って、少し話をされた。

「活動停止、かぁ……」

 そんな呟きも、『魔女』が聞いたら何とツッコミを入れるだろうか。昨日、トーマスに言われたのは、

「お前だけが泥を被ることはない、か……」

 という『ザ・リバース』の無期限停止宣告だった。事実上の命令であり、レックスには逆らってまで活動を続けようとする意志もない。ララのために作り上げた六枚目が無駄になるかもしれないが、それはそれで何かに使おう。使わないと使えないから。


 実際にレックスが被ったのは泥ではなくてパンツだったが、『せいぎのみかた変身セット』も大分使い込んでしまった。布製の魔道具という、ある意味では規格外の品物であり、それを編み出した『魔女』の発想は飛び抜けている。

 無論、レックスの魂も震えた。応用すればどのようなことでも出来るのではないか、と。ただし、その反面、刺繍での魔法陣記述には耐久性が著しく劣る。そのため、あまり複雑な魔法は使えない。単純な効果を上げるものに限定すべきだ。

 そう、たとえば―――――――。


 レックスはむくりと起き出して、刺繍道具を取り出す。

 生来の真面目が顔を出して、結局のところ休めはしないのだが、このような趣味の時間が持てること、それ即ち心の休養だ、と誰に言い訳をするでもなく、作業を開始してしまう。


 チクチク、チクチク


 一針一針を布に差し込んでいく度に心が洗われていくようだった。

 段々と形になってくる。それはもう、魂の形だ、としか言いようがない。


 チクチク、チクチク


「うん…………!」

 レックスは自らの出来映えに唸った。やはり、精緻な刺繍は利き手である右手の方がやりやすいようだった。

 確かに右手ばかり使うのは体の平衡を保つ上でよくない、というのは本能的に察知しているのか、レックスは左手での作業も続けている。さらに言えば、右手でやったように偽装して左手で作業をする……という高度なこともしている。『ザ・リバース』が強制配布しているパンツは、敢えてそんなことをせずに左手での作業だと見せつけるために作ったに過ぎないのだから。

 今回の件は下着の職人たちの間でも話題になっているから、これが広まれば左利きの職人であっても、右手での作業に矯正されていく流れは加速するだろう。それでこそ左手での作業が特異性を持って、架空の人物である『ザ・リバース』の実在性に真実味を持たせる、というものだ。


 パンツ仮面こと『ザ・リバース』は、もちろん『魔女』の仄めかしによってレックスが発案、自ら実行した存在だが、何も根回しをしていなかったとしたら、冒険者ギルドポートマット支部の上級冒険者や、騎士団からはアーロンやフレデリカが出てくれば、初日で捕縛されていたことだろう。


 その意味では、間違いなく『ザ・リバース』はポートマット裏会議が作りだした存在だ。いつまでも続けられない、というのは頭では理解できる。

「でも、なぁ……」

 正しい下着、清潔な下着を啓蒙する。それを為すことがあんなに楽しいとは思わなかったのだ。レックスにしてみれば、あれは勧善懲悪で、自分は正義の味方そのものだった。と同時に、それは相手の女性に著しく負荷をかけているのだ、ということも理解していた。だから、『ザ・リバース』は毎日出没する存在であってはならないのだ。

 色々とレックスの頭の中で、『ザ・リバース』を肯定したり否定したり。結局のところ、レックスとしては続けたいのだが、理由がない。逆に言えば理由があれば毎日やってもいいのだ、と思い至る。

 そうだ、理由を作ればいいんだ。

 レックス少年の思考が冴え渡り、次の計画に向けて、妄想を膨らませる。それはそれで楽しい時間だった。



* * *



 夕方近くになり、レックスはニコニコ顔を取り戻して、迷宮都市へと向かった。

 乗合馬車は、この時間は西の馬車ターミナルから出ている。街中心のロータリーからの馬車の便数を制限するためだ。普段、旧西通り(夕焼け通り、という通称がある)は馬車の乗り入れが禁止されていて、ここを通過できるのは公営の乗合馬車のみだ。それも朝だけの設定で、この時間から迷宮に行くには西ターミナルに行くしかない。

 幸いにしてアーサ宅は街の西の方にあり、トーマス商店本店に行くのと、距離的にはそう変わらない。運動不足だったリーゼロッテとは違って、レックスにとっては散歩の範疇だ。


 左手には聖教会があり、そこから出てきたと思われる女性たちがゾロゾロと列をなしていた。噂では聞いていたが、本当に教会に『浄化』を求める人で溢れてるんだな、とレックスは驚く。建前としては無償、と言っているが、少額でもお布施のようなものはするし、『ザ・リバース』の活動が経済効果を生み出した実例を見て、少し嬉しくなる。何しろ、教会は自分が長くいた場所なのだし、実家のようにも思っているからだ。


 同様に孤児院出身であるサリーには名字があって、そういう場合は孤児院に預けられた時点で、既に名付けられていた、ということだ。名字がない、レックスやドロシーの場合は、親もわからず、孤児院側が命名した。

 レックスと名付けたのはユリアン司教だ、とは聞いていた。赤ん坊の時はとても大きな体をしていたらしい。それで大きな、を示すらしい言葉のレックス、なんですよ、と慈愛に満ちた表情で説明されたのを思い出す。


 ユリアン司教にも父親を感じるが、今ではトーマスの方が父親として近しく感じているかもしれない。

 姉に関しては…………もう何人姉代わりがいるのか不明な状況だ。そんな状況だから、レックスとしては兄や弟が欲しい、とは思っている。一応、兄っぽい……といえばハミルトンだが、彼はひょんなことから露呈した性的嗜好が、レックスとはベクトルの違うものであったため、興味を持ち合った、

 言わば同志で、それゆえに『ザ・リバース』二号となったわけだ。余談ではあるが、最初の襲撃の時にララを助け起こしたのはハミルトンで、第一発見者でもあった。大丈夫ですかっ、などと言いながらララの鼻を舐めていたのは心に秘めておこう、とレックスは思ったものだ。


 そういえば三号については、元々知らない仲ではなかったので、これも意外な面を見ることになったのだが、()()()を配布することに拘りがあったようだ。

 エルマは優秀な騎士で、正面からやるには自分ではきつい、と三号は自覚していたのだ。それゆえに一号である自分が代行した形なのだが、任務を完遂したい、という忸怩たる思いがあったらしい。それで志願しての三号復活だった。


 元々、三号の存在というのは、レックスやハミルトンが疑われた時のダミーの意味合いが強い。怪人が一人であれば疑われるのは一人だ。しかしその一人に存在証明(アリバイ)があれば捜査は難航する。そこで、あまりにも綺麗に存在証明がなされたら、想像するのは替え玉の存在だろう。その替え玉として疑われた場合、さらに捜査をややこしくする―――――のが三号である。

 つまり、一人の怪人は、他二人の支援を受けて、やっと怪人たり得るのだ。


「浄化、かぁ……」

 その魔法陣を下着に内蔵できたら、常に清潔さを保てそうだ。聖教会の屋根上のレリーフを見ながらレックスは思う。

 しかし『浄化』の魔法陣は部屋一杯になるほど大きく、精緻でもある。刺繍で再現するには困難がつきまとうだろう。それに、『浄化』は目に見えない、人体には有害な光が出ているから、本当なら多用はしたくないのだ、という解説を『魔女』から聞いたことがあった。それを思うと、教会でやってもらう、くらいで丁度良いのかもしれない。便利になりすぎるのも、きっと良くないのだ。

 そうだ、それはよくない。だって、汚れた下着のコレクションが出来なくなっちゃうじゃないか。

 レックスは、そうやって不便になったとしても、自分の趣味を正当化することで許容していった。



* * *



 トーマス商店迷宮支店は、端的にいえば迷宮の()にある。


 正確には、迷宮の一部が露出していて、その上に建物を建てている。建物の中は工場になっていて、迷宮からの放出魔力を動力源として加熱する炉……があり、そこで原料が加工されている。

 主にこの工場では日光草の葉を加工している。濃縮した煮汁を細い穴から噴出させて瞬間的に炙り、水分を飛ばす方法で粉末化し、それを成形して出来るものが『体力回復錠剤』である。


 よって、この迷宮支店は、店というよりは工場に付属の直売所、という捉え方が正確だろう。本店のような雑貨は最低限しか置いていないし、錠剤を売るために特化していると言える。


 消費地である迷宮が直下にあるため、この支店――――直売所の売り上げは無視できないものとなっており、店としてだけ見た場合、利益率も恐ろしく高い。

 これも余談ではあるが、本店の方が錠剤の値段を安く設定してある。輸送費もかかるはずなのに何故、と思いきや、本店の方では大量買いに対応している、ということだ。もう一つ、本店の方の客足が減るのではないか、という危惧がトーマスにはあったからでもある。

 蓋を開けてみればそれは杞憂であったのだが、思惑通りに王都の商人が大量買いをしていく様を見て、トーマスがほくそ笑んでいたのをレックスは思い出す。

 王都では不当に利益を上乗せされて売られるのだろう。正規の代理店を設定してもよさそうなものだし、実際に話は来ているが、トーマスとしては無償で宣伝し、錠剤を王都に広めてくれている状況は好ましいのだ。広まりきったところで正規の代理店、もしくは支店を作り、そこで格安販売してしまえば、大きな商圏が一気に手中にできる。

 そのためには現在よりも増産しなければならず、準備は着々と進んでいる。トーマス商店の王都進出はすぐではないだろうが、既定路線であることは間違いない。その時、支店長に抜擢されるのは、ドロシーか……もしくは……。


「はい、登録できましたよ」

 迷宮支店にも、本店と同型のレジスターが置いてあり、現在、登録できる唯一の人物であるレックスが、新人たちの魔力波形を登録し終える。作業自体は簡単なので、四人の登録をするのに半刻もかからない。


「ん。ありがと」

 今日の迷宮当番は美少女従業員で、彼女を含めた細身少女、双子少女の四人は、ローテーションで本店と迷宮支店を回っている。美少女従業員は普段、迷宮支店にいることが多く、ポートマット西迷宮の名物の一つになりつつある。


 彼女が自分の名の通り、花のような笑顔を客に向けるからでもあるが、素の彼女はかなり()()()性格をしている。孤児院にいたときから、何かと中心になって虐めてくる彼女を、レックスは苦手にしていた。元々、その矛先は魔法の天才少女であるサリーに向けられていたのだが、サリーを守るための壁としてレックスが身につけたもの、それが、あのニコニコ顔だった。相手の表情から先読みをする技術も、堪え忍んで計画を実行する精神力も、サリーを守り、自分を守るためのものだ。

 当のサリーは知ってか知らずか、はたまた鈍感なのか、レックスの気持ちに気付いている素振りはない。


 仮に気付いたとして――――レックスに内在する(ヘンタイ)とでも言うべき嗜好や性癖は、暗くて深いものだ。サリーがその全てを受け入れるようになるかどうか――――は疑問が残る。

 レックス本人も、それは何となくわかっていて、歪んでいる変態趣味を持っているという自覚もあるから、思い人であるサリーには全てをぶつけられない、というジレンマも抱えている。噴出した思いの発露であり、代用行為が下着蒐集に繋がっている……のだが、もはや、それは理由の一つでしかない。


 自分は下着が好きなんだ。下着を着けた人も造形的に好きだけど、特に脱ぎたての下着が好きなんだっ!


 ニコニコ顔をしながら、レックスは、心の内側で慟哭する。


「レックス、あなた、すぐに家に戻るの?」

 美少女従業員が声をかける。彼女も、細身少女と同じ時期にトーマス商店に採用されたため、年上なのに後輩、という関係だ。その微妙な関係と、年齢を重ねたからか、レックスに対する物腰は昔とは比較にならないくらい柔らかい。

 彼女にはもちろん、現在のレックスを作っている構成要素の一つに、自分が深く関わっているという自覚はない。仮に、レックスが『ザ・リバース』一号の正体だと知り、その経緯を知ったら、青い顔で謝罪をするに違いない。

 今となっては、レックスは彼女がしてきたことに謝罪を求めるつもりもない。美しい少女ではあるが、せいぜい、レックスにとっては下着を温める人、くらいの扱いなのである。


 他人から好かれることで自己を保ってきた美少女にしてみれば、自分に対する扱いが軽い、という機微は敏感に伝わる。それは美少女にとって承伏しかねるものだ。

 だから意固地になってレックスを誘う時がある。その背景には、細身少女が吐露した思いがあって――――。

 というのも、先日、細身少女が、レックスが気になる、と白状したのだった。同期四人は同居しているが、そういう恋愛話の主人公は主に美少女の担当で、それも誰かに言い寄られた的な話ばかりだったのに。


「いえ、ちょっと海の方に寄ってから帰ります。剣を振っていきたいので」

 レックスはニコニコ顔で明確な拒否をする。その拒否は、美少女の何かに火を点けてしまったのだが………。

 当のレックスは、美少女と四人の新人たちに挨拶をして、迷宮支店から出ていった。

「ああ、うん、気をつけて」

 自信に溢れた小さな背中を見送って、美少女が言えたのは、社交辞令的な気遣いの言葉だけだった。





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― 新着の感想 ―
[一言] >下着を温める人 パンティーウォーマーという謎ワードが頭をよぎる ……というかこれ、全年齢でいいのかな……?
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