表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紫の願い  作者: 沢森ゆうな
第一章:術使校編
7/59

「十五分経った。今から転送陣に移動する。ついてこい」


そう案内されたのは湿度が高い地下室だった。


 周りは石で囲まれて、僅かな灯りと四人の男が沈黙を保ったまま立っているだけだ。

男達は皆一様に紫色のローブを身に纏っており顔はよく見ることができない。その静寂さに子供達は畏怖し、誰一人口を開かず指示に従っていた。


 決して広くもないその室内に子供達が全員入ると、それを囲うように四人の男達は移動した。


「今から転移の術式を描き、術を発動させる。着いたら速やかに教員の指示に従え」


 仏頂面を最後まで崩さなかった壮年の男は「やれ」と短く言ってすぐに部屋を出て行った。もう仕事は終わったと言わんばかりだ。


「では術式を描きます。参考にでも見ていてください」


男達の一人が、穏やかな調子でそう口にすると四人は一斉に術式を描き始めた。


 赤、黄色、緑、赤。同じ模様の術式でも色によりこんなに印象は変わるものか。

 それはとても幻想的で美しく、真白ましろも他の子供達も口を開けて男達の人差し指から紡がれる色とりどりの術式を見ていた。

そうして、見入っている間に風景が捻れていき、すぐ古びた校舎と一人の男性の姿へと様変わりした。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ