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紫の願い  作者: 沢森ゆうな
第一章:術使校編
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 真白ましろが生まれたのは雪が積もったとても寒い冬の日だった。

毎年積雪は当たり前だが、その年は異常な程降り積もり、生まれた子供に付けられる名前は『雪』や『白』といったものが多かった。真白も例外なくそう名付けられた一人である。


 真白が育ったのは山神国さんじんこくという、大陸の北側にある国だった。

極寒の地であり、大抵の者は狩りで生計をたてている国だが、獲物も充分にはいない。生活水準は低い割に税率は高く、違う国で暮らしたいが簡単には出国させてくれない。そんな国だ。


 真白の家庭も近所の家庭同様に貧しかったが、彼女の家には身体を動かすことができない状態になっている兄がおり、その兄の治療費や薬代に費用が大分かかっていた。


 生活費と医療費を稼ぐために、朝も昼も夜も獲物を捕まえに出ていく両親を見ながら育った真白は、両親を少しでも楽に、兄に少しでも良い薬を、と子供ながらに思い、十歳の時に術使じゅつし校を受ける決意をする。

 教師や両親に相談し、二年間猛勉強をして十二歳になる年の春、術使校の一つ『綺羅きら』に合格・入学することになった。



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