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序
最初はただ一つの願いのためだった。
それはとてもささやかな願い。
本当にちっぽけな願いだったのに。
もう叶うことはない。
私が――。
私のせいで壊された。
何がいけなかった?
欲張ったのがいけなかった?
願いを実現しようとしたことがいけなかった?
願いを願うだけで何もしなければ、こんなことにはならなかった?
この腕をすり抜けていった願いはもう戻ってこない。
ならば。
するべきことはただ一つ。
そして、それを成し遂げることができますように。
――私の新しい願い。
今度こそ叶いますように。