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カーテンからこぼれている月の明かりが力強い
月齢を調べてみようと枕元のスマホを手にする
月齢より子犬のほうが気になってしまう
スマホのなかの子犬は、いつまでも子犬のままで
おとなになった姿を見せてはくれない
子犬が見せないようにしているのか
僕がそれを望んでいないのか
創作は進んでいない
この先、進むかもわからない
やっぱり、きちんと大学に行った方がいいのだろうか、何度も頭をよぎる
何度もよぎって、何度も消していく
どんな話になるかなあ
けっして明るくない僕が書くのだから、明るくない話になってしまうか
それでも、すこしは、とも思っている
どんな話にするかなあ
温度のある話にしたいなあ
あたたかにしろ、冷たいにしろ、温度を感じられる話に
店の店主が、とある女性客のことをダニエルさん
と呼んでいる話を書いてみようかと
そんなことをうっすら考えている




