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まる一日、声を出さないですごすなんて
僕にとっては、もはや日常だ
最近で声を出したのは
夢で中学のときの部活のイヤな先輩が夢に出てきたときだ
僕は夢のなかでそのイヤな先輩をひどく挑発していた
先輩のほうははじめ、僕のことなんか相手にしていなかったんだけど
エスカレートした僕の挑発にブチギレ
ものすごい勢いで僕に向かってきた
僕は逃げられず捕まってしまった
先輩の顔を見るとゾンビになっていて
僕は、ああああああああ、と声を出し、その自分の声で目を覚ました
やけに寒い日の朝だった
人は悲しみが多いほど人にはやさしくできるのかもしれない
でも、差し伸べたやさしさに悪意で返されたり
頼んでなんてないけど、と辛辣な返答をもらうこともそれだけ多くって
だから、だんだんと人にやさしくできなくなっていく
それがまた悲しみになって、だからいつまで経っても、僕は悲しいままなんだ




