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3章

今回で完結です。最後までお楽しみください。


【注意】

本作品には犯罪描写が含まれますが、犯罪行為を肯定・助長する意図は一切ありません。あくまでフィクションとしてお楽しみください。

本作品では、一部AIツールを用いて補填・整文章作業を行っています。


「ゾット!これを見てくれ!」


ルーベルが慌てて俺に一枚の紙を見せる。手配書だった。


手配書:アドル 重要参考人として生け捕りを求む


アドル、この男の写真を見たとき、彼の面影が浮かんだ。


「…アブム」


「やっぱりお前にもそう見えるか」


どうやらルーベルもこの写真にアブムの面影が見えたようだ。


やっと顔を見れたのにこんな形になるなんて。


「「会いに行こう」」


2人で声をだした。


すぐに他のメンバーに話した。「幼馴染が生きているかもしれない」って。みんなは快く送り出してくれた。


出会えるかどうかは運任せになってしまうが、こっちにはルーベルの『神業:運気』がある。もしもの時のために力を使わずに溜めておいた力をルーベルは使う。


それから数日、聞き込みから隣町へ移動すると路地裏に寝そべっている人がいた。


顔を隠しているがアブムだと直感で感じる。見つけた瞬間に心臓が跳ねる。ルーベルに肩を叩かれ、2人とも深呼吸をして落ち着く。


「…久しぶりだなアブム」


「ホント、久しぶりだな…アブム」


俺達の声に反応して、隠していた顔を見せてくれる。


俺達はアブムを連れて宿へ向かった。宿の中にはアブムの手配書が張り出されていたが、顔を隠している人も多いため怪しまれずに一部屋取ることが出来た。


「腹は減ってないか?」


食事をしながらでもと聞くも、首が横に振られる。


「そっか。俺達な冒険者になったんだ。どうだ俺達強くなったかな?」


「『神業:鑑定』は今は使えない。いや使えるけど今使うと体調が悪くなって上手く出来ないんだ。ごめんよ」


「そうなのか。俺の『神業:運気』ってすごくてよ、何もデメリットなく使えてさ、ただショボいけど、でも使わずに溜めれることも出来て、いざ解放したら結構いいこと起こるんだぜ。

今日お前も見つけることが出来たのも溜めてた分使ってさ。お前にどうしても会いたくってさ」


「そうだよ。俺の『神業:カマイタチ』なんて応用がすごくてよ、斬撃を飛ばせるだけじゃなくて、その場に留まらせて風の壁まで作れるようになったんだぜ!いつかお前に見せてやりてぇよ」


それからも俺達の話をしたが、アブムは「そっか」「すごいな」と、どこか遠くを見るような返事しか返さなかった。まるで心がそこにいないみたいに。


これはもう本題に入ったほうがいいと思い、ルーベルにアイコンタクトを送る。


「なぁアブム。お前の話を聞かせてくれ。お前に何があったんだ。手配書もそうだけど、あの日なんで街を出たんだ?」


机の上に載せた震えた手から、芯だけとなったリンゴが突如現れた。


「…俺、【神の加護】を2つもらったんだ。『鑑定』と『アイテムボックス』。そのせいで、過去の記憶に意識が引っ張られてさ、勉強と期待のストレスもあってか、悪いことをしようとする衝動が……止まらないんだ……」


泣き始めた彼に心がえぐられる。俺達はアブムの手を取ることが出来なかった。きっとどこかで助けを叫んでいたのかもしれない。それに気づかず自分のことばっか友人を見捨ててしまったんだ。


「この手配書の内容は本当なのか?」


「本当だ。犯罪者なんだ。危ないつながりの1つや2つはある。そのうちの1つに巻き込まれただけだ」


「巻き込まれただけなら一緒に警察に行こう。きっと事情を説明すれば…」


俺は言葉をつまらせる。そうだ、アブムは既に遠くまで逃げている。そんな状況でいきなり現れても怪しまれるだけだ。俺が話すのをやめたのをみたルーベルは話し始めた。


「アブム、ゾットの言うとおりだ。警察に行こう。減刑させてもらえるよう俺等も可能な限り協力する。だからやり直そう。アブム」


手を差し伸べるルーベルにアブムは手を伸ばす。


リンゴが見えた。アブムの出したリンゴがルーベルの腕の近くを浮かんでいた。


瞬間、悪寒がした。感じたのは冒険者で授かった感覚、殺気を感じた。


腰に据えた剣を抜き、アブムの腕を切り落とす。


「「――ァァッ!!」」


俺は見た。アブムの腕が触れた瞬間にルーベルの腕が消えるのを。


「ルーベル!大丈夫か!?ルーベル!」


ルーベルの傷を塞ぎ応急処置をする。


「アブム!お前ぇ!―ッ」


俺の見たアブムの顔は悪魔のような顔をしていた。


―――


しくじった。まさかあの一瞬で腕を切り落とすなんて。だが今なら逃げれ―


「『神業:カマイタチ・繭』」


逃げようとした瞬間、風が周りを囲う。


「さっき話した風の壁だ。こんな形で見せたくなかったよ」


ゾットの技。『神業:鑑定』さえ使えてればこんなことには、逃げ道は一箇所だけ。下だ。真下を『神業:アイテムボックス』で収納し、脱出を図るも、下にいたのはゾットだった。


「自分の技の弱点ぐらいわかってんだよ」


残った片腕も斬られた。


「うがぁぁぁぁぁ!」


ダメだ。痛みで意識が遠くな…る…。




気がつくと狭い部屋に座っていた。四肢を鎖で繋がれていたが、『神業:アイテムボックス』を使えば問題ない。そう思ったが、


そうだった腕は切り落とされたんだ。


もう『神業:アイテムボックス』は使えない。しばらくすると見たことのある警察がきた。


「お久しぶりです、アドルさん。いえ今はアブムさんですか?どちらでもいいですが、――今回こそ『神業:千里眼』の許可いただけますかね?」


あぁ、あの時の警察か。


それからは早かった。事情聴取に偽りなく答えた。ここまで来たんだ、俺はもうどうなってもいいと思った。


「最後になりますが、おそらく死刑になります。そうでなくてもと自由はありません。なにか言い残すことはありますか?」


「…死刑は構いません。もう諦めました。…ルーベルはゾットどうなりました?」


「ルーベル、あなたに腕を取られた彼ですか。いま病院にいます。ただもう冒険者は続けられないと思います」


そっか。ボクはルーベルのミライをコワしたのか。


「父と母は?」


「あなたのご両親ですか?10年前、あなたが故郷を離れた翌年には亡くなっています。死因は…教えられません」


おトウとうさんもおカアさんもシんだの?


そこからの記憶はもうない。


時間が流れ、誰かに運ばれた。


もう黒い感情はない。久しぶりに自分だけが体の中にいる感じがする。それでも僕は自分のした罪に向き合わなければならない。


死を悟った最後の瞬間――歯形だらけのリンゴが吐き出された。そのリンゴにはもう食べれる場所はなかった。

読んでくださってありがとうございました!感想・ブクマ等、とても励みになります!


正直、書いてると初期プロットから少し外れたり矛盾や疑問点が生じたりなど大変でした。

書く大変さ、完結への難しさを体験できて良かったです。


犯罪ダメ絶対

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