表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

プロローグ・始まりの響きとのめぐり逢い

書道家として筆を執り、歌手としてマイクを握り様々な角度から表現者として発信する太幽。

 彼が世に送り出す作品には、一貫したテーマと聴く者、読む者一人ひとりへの深い想いが込められています。

 この物語の核となるのは、彼の人生を彩ってきた5曲から成る組曲「絆プロジェクト」。

 このプロジェクトは、単に太幽人生を歌い上げたものではありません。

 歌詞に込められた最大のこだわりは、一人称や特定の場所を示す表現を一切使わないこと。

 これにより、聴く人、読む人が自らの人生を重ね合わせられるよう、誰もが通るであろう普遍的な人生を描いています。

 そして、二人称を「君」に統一することで、親、子ども、先生、弟子、妻、夫、ペットなど、読者自身が最も大切な存在を自由に当てはめることができるようになっています。

 しかし、この「絆プロジェクト」には、もう一つの仕掛けがあります。

 それぞれの曲を単曲で聴く時、二人称の「君」にはあらゆる大切な存在が当てはまりますが、5曲すべてを通しで聴く時、この物語は一つの大きな変化を遂げるのです。


 それは、普遍的な絆を紡ぐ物語。


 悩んでいる人の背中を押してあげた僕が、その後挫折し自暴自棄になった時、「君」が再び現れて僕を救い出してくれるというストーリー。

そして、その出会いへの感謝を通じて、固い絆を紡いでいく……。

 

 今回の小説は、太幽自身が主人公となり、書道を始めるきっかけとなった親と娘、歌手となるきっかけを与えてくれたInstagram、投稿に反応してくれたフォロワーさんの存在も大きい、プロデューサー、そしてアレンビーさんなど、たくさんの「君」との出会いを通じて、普遍的な絆を紡いでいくまでの物語です。

 読者の皆様が、この物語に自らの「君」を重ね、それぞれの「Encounter〜めぐり逢い〜」を感じていただければ幸いです。

 今年も暑い夏が来た。毎年のように、祭りの賑わいが街中に響いている。

 特設されたステージの上に太幽は立っていた。

 彼の足元には人の背丈ほどもある巨大な白い紙。空には高く、彼の歌声が響く。

 それは彼の人生を彩ってきた音楽そして、書道を通じて紡いできたメッセージ。

 LIVEステージで歌い終えると太幽はマイクを置き筆を手にした。

 墨がたっぷり染み込んだその筆を、彼は迷いなく紙の上に走らせる。

しぶきを上げながら描かれる力強い線に、集まった人々は息をのんで見つめていた。

 太幽は太鼓の音に合わせて、彼の歌に込めた想いを「響」の一文字で表現し書き上げた。

 万雷の拍手と歓声に包まれ、太幽はにこやかに深々と頭を下げた。

 書道家、そして歌手として今の自分があることを心から幸せに思う。

 だが、この場所にたどり着くまでの道のりは決して平坦なものではなかった。

 彼の人生は、まるで自身の楽曲が持つテーマのように、いくつかの重要な局面で構成されていた。

 夢を追いかける「keep on going to dream」、挫折の中「君」に助けられた「光と闇」、特別な感情が芽生え、絆を大切にしたいと願う「Dear my…」、いくつもの出会いと奇跡に感謝する「Encounter~めぐり逢い~」、そして固く紡がれた絆を胸に歩む「絆~bonds~」。

 これは、吃音という障害を抱えながらも、書道と歌に導かれ、自身のオリジナル曲である5曲で構成された組曲「聴き手が自己投影できる物語の主人公」がコンセプトである中で太幽本人を主人公として展開される物語である。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ