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第十二話  私は女神を信じない

お読みいただきありがとうございます!よろしくお願いします。

 散々、女神様を利用している私だけれど、私自身は女神様を信じていない。


 エレスヘデン王国では女神様を信仰している人しかいないような国なのだけれど、そんなエレスヘデンの国王陛下が女神様を信じていないのだから、私が信じていなくたって何の問題もないだろうって思っている。


 我が国の国王陛下は、妾妃におねだりされたからという理由で女神の泉へ簡単に手を加えるような人だし、結果、周囲の村を巻き込むほどの災害を起こしたところで、村人一人をスケープゴートにして処刑処分としてしまうのだもの。


 公開処刑には親に連れられて私も行ったけれど(姉はわざと私に悲惨な場面を見せて悦に入ろうとしていたみたいだけど、自分自身が悲惨な場面に耐えられなくて気分が悪くなっていたけれど)あんな馬鹿な話ってあるのかなって思ってしまったのよね。


 最近、天候もあんまり良くなくて作物も育たないから民衆の不満が大きくなっていたところで、女神の泉を決壊させたのだもの。みんなは国王陛下にこそ激怒するべきだったのに、結局、生贄の処刑で鬱憤を晴らす始末だもの。


 馬鹿みたいな国王に踊らされる馬鹿みたいな国民を見て、思わず辟易としてしまったのは仕方がないと思う。ああ、この世の中には女神様っていないのだなと思ったもの。だって、女神様がもしもこの世界に居るのなら、生贄のように処刑となった村人は助けて然るべきだと思うもの。


 そんな不信心な私は姉の思惑の通り、巫女候補として姉と一緒に神殿にあがることになったのだけれど、大神官には私の不信心ぶりがわかったのかもしれないわね。到着早々、私一人だけが呼び出されることになったのだけれど、まあ、いいでしょう。猛烈に女神様を信じていますとかなんとか、いつもの演技力で乗り切れば良いのだろうから。


 大神官ヘルマニュスは白髪、白髭のおじいさんで、昔は男前だったんだろうなという顔立ちをした人で、やっぱり女神様の神殿だから、女神様のお好みの顔の男が結局は出世するのかしらとか、やっぱり世の中顔なのね〜とか、そんなことを考えていると、完全に人払いをした後に大神官様は言い出したのよ。


「アンシェリーク嬢、あなたの家ではあなたのお姉様こそが巫女であると言ってはおりますが、巫女となるのはアンシェリーク嬢、あなたになります」

「はあい?」


「王家は王太子に嫁いでも良い家柄の令嬢を巫女の候補として選ぶこととなりますが、その中でも一番神聖力が高い令嬢を我々は巫女として認定します。今回は八人の候補が集まりましたが、その中で飛び抜けて高い力を持つのがあなたです」 


 えーっと、神聖力って神を宿した力と言われている奴よね〜。


「大神官様、私の姉のヘンリエッタはその美しさで女神の化身とも呼ばれる人でもあるのです。誰もが姉のヘンリエッタこそが巫女であると言っている中で、あなたは何をおっしゃっているのでしょうか?」


「アンシェリーク嬢、女神リールは神々の世界でも飛び抜けて美しいと謳われる神様なのですよ?そんな女神が人間の美しさ程度で巫女かどうかを決めると思いますか?」


「でも!私の姉は女らしい女なのです!虚栄心の塊ですし!下々の者を這いつくばらせることも好きですし、ちやほやされるのも好きですし、世界は自分を中心に回っていると考えているので、女神様らしい性格の持ち主なのです!であるのなら、女神様は私ではなく姉を選ばれると思うのですが?」


「同族嫌悪という言葉を御令嬢はご存知ないのかな?同じような性格は兎角ぶつかりやすいものですし、強烈な嫌悪感を感じるものではございませんか?」


 うぐぐ・・確かに・・同族嫌悪という言葉を出してくると何も言えなくなっちゃうかも。


「実は以前から貴女のご両親から相談を受けてはいたのです。ご両親は姉のヘンリエッタ様こそ女神が遣わした巫女ではないかと考えているのですが、どうも様子がおかしいと」


 どうも様子がおかしいとはなんでしょう?


「アンシェリーク嬢、あなたに仇なす行為をしたものは、大概、大怪我を負っているということを知っていますか?」

「確かに、侍女と父は足を骨折しましたけれど・・」

「それだけじゃありません」

「確か・・庭師も鎌を足に突き刺していたかもしれません・・」

「お嬢様に悪さをしようとした者は実に二十名を超える人数となるそうですが、その全ての人間が、足に大怪我を負っているのです」

「二十人!」


 私は考えあぐねましたとも、二十人、多すぎる、一体どれだけの人間に私は恨まれていたのだろかと・・


「邸宅の敷地内で足を怪我している者は、大概、お嬢様に対して悪心を抱いていた者たちだったのです。これからお嬢様は神殿に移るので、もしかしたら神殿でも足を怪我する者が続出するかもしれないと言われております」

「私に悪さをしようと思わなければ良いだけの話ではないでしょうか?」

「人の心を縛り付けるのは非常に難しいこと、どのようなことを心の中で考えているのかを判断するのは、神でなければ出来ません」


 大神官様はそう言って大きなため息を吐き出すと、話題を転じるようにして言い出したのよ。


「ところで、神殿として巫女と指定するのは神聖力が一番高いアンシェリーク嬢一択状態となっているのですが、御令嬢はベルナール王太子殿下と結婚するつもりはありますか?」


「はい?」


「王家としては女神の加護をつなげるために、巫女となる女性を正妃として迎え入れているようなことをしているのですが、前の代の巫女アルベルティナ様は毒によって殺されたのです」


「はあい?」


「女神の加護をつなげるためと言いながら、エレスヘデンの王家は間違いなく女神様を軽視しているような状態なのです。ですから、結婚するかしないかは御令嬢の御意思にお任せしようかとも思うのですが」


 これってすぐに返事を出したらまずい奴よね。ただでさえお前は女神様が遣わした巫女だっていう話からして良く分からないし(そもそも私は女神様なんか信じていやしないし)突然、王子と結婚するつもりがあるかどうかと問われても、一応、これでも貴族家の娘なので、嫌です一択で断固拒否できるかどうかも分からないもの。


「とりあえずその話、保留にして貰っても宜しいでしょうか?」


「もちろん、今すぐ決める必要はございません。巫女候補とは殿下の婚約者候補となる方々ですので、近日中に殿下は神殿を訪れることとなりましょう。貴女様が巫女だということは私だけしか知りませんし、私は王家との結婚を強要するつもりもございません。ただ、ただ、貴女様がご自分の目で見て判断をすれば良いのです」


 大神官様はそう言ってくれたのだけれど、王宮からやって来たベルナール王子は女神の化身と言われるほど容姿が美しい姉のヘンリエッタのことを、一目でとっても気に入ったみたいなのよね。


 次に会いに来た時には女神の化身とも言われる姉をベッドに引き摺り込んでいたみたいなので、ないわ〜!って思いましたとも。


 その次には別の巫女候補をベッドに引き摺り込んでいたので、この手慣れたやり方は常習犯だと思います。やっぱり巫女として名乗り出ることなく、リエージュ大陸に移住しちゃった方が良いのかもしれない。



本日、もう一話更新します!過去編となりまして、裏切りとか、策謀とか、悪い奴とか、どんどん出てくる予定でいますので、懲りずに最後までお付き合い頂ければ幸いです!!

もし宜しければ

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