63.古代兵器ぴーちゃん⑨
次の日、捜索開始だよ。
「とりあえず外に出てみたけど」
街中で、ポツンさん。
ぴーちゃんの捜索って言っても何からやればいいのかな。
その辺には落ちてなさそうだし。
「──まずは聞き込みだな。こう言うのは何事も情報収集からだ」
フェチョナルさん。
たしかにそうだね。
今回助っ人として、フェチョナルさんに来てもらったよ。
人が多いに越したことはないからって、メイルくんが呼んだんだ。
ちょうど本人も暇を持て余してるらしいし。
ご協力お願いするよ。
「古代兵器の捜索か、相変わらず面白そうなことをやっているな」
結構興味を持ってるよ。
子どもみたいに目をキラキラさせないでほしいな。
「フェチョナルさん、こっちはお仕事でやってるんだよ」
そんなピクニックさん感覚でやられても困るよ。
「まあそう言うな。ワタシだって冒険者の端くれ。やるからには全力でやってやる。それに他でもないお前たちの頼みだ。ここはワタシにドンと任せておけ」
ホントかな、不安だよ。
「まだ未知の兵器、発見したらどれほどの報酬が貰えるんだろうな!」
キラキラ~☆って、1人ときめいてる。
あわよくばお金狙いさんってところだよ。
「それにしても、私たちだけで探せだなんて。メイルくんも無茶言うよ」
「あっちは別件なんだろ? たしか二重人格の調査とか言っていたな」
二手に分かれることにしたよ。
その方が効率が良いからって、メイルくんが。
割り振りは私とフェチョナルさんでぴーちゃんの捜索。
メイルくんとロザリアさんで二重人格の調査。
たしかに戦力的にはこうした方がいいけど……
「なんだ? やっぱりあっちの方が良かったのか?」
「えっ? 違うよ、やめてほしいな」
もうっ、すぐからかう。
そう言うの良くないよ。
「ワタシは別に誰とでも構わないが、お前はそうじゃないだろ。ワタシで残念だったな」
ニヤニヤして気持ち悪いな。
「私だって誰でもいいよ。何もメイルくんとじゃなくたって」
「誰もメイルだなんて言ってないぞ。フッ、そうか、やはりそうなんだな」
むっ
「もうっ、しつこいよ。そんなんじゃないって言ってるよ」
何かと私とメイルくんをカップリングさせようとする。
「あんまりしつこいとメイルくんに言って解雇してもらうよ」
「おお、悪ふざけが過ぎたな。すまん」
「ホントに分かってるのかな」
「ああ、お前が可愛いからついな」
可愛いって、
そんなので丸め込まれるほど、私は単純さんじゃ、
「ここで駄弁っていても無駄だ。さっそく聞き込みを開始するぞ」
「はあ、誰のせいなのかな」
おかげでもう疲れたんだけど。
古代兵器ぴーちゃんの捜索が始まったよ。
まずは、ここ。
ギルドさん。
情報を集めるなら定番かな。
「なるほど、古代兵器ですか……」
今日もステューシーさんいたよ。
だからステューシーさんの受付に行くよ。
「うん、何か聞いたことないかな」
知ってることがあれば何でもウェルカムさん。
「いえ、小さい頃に本で読んだぐらいしか。本当に実在するのかも」
やっぱりそんなモノだよね。
都市伝説だもん。
「すみません、また力になれなくて……」
前回の薬物の件を気にしてるみたい。
「いいんだよ。聞いてくれるだけでも嬉しいから。じゃあおじさんはどこかな?」
ほらっ、プロソロおじさん。
このステューシーさんの彼氏さん。
付き合って2ヶ月くらい経つよ。
早いよね。
「あのおじさん、結構変わってるから何か知ってても──」
ん?
あっちの方でバンッ!って音が、
「何がおかしい! こっちは真面目だぞ!」
あっ、フェチョナルさん。
なんか揉めてるよ。
「どいつもこいつも、人を子ども扱いして! これだからギルドの奴らは!」
不機嫌さん。
プンプンでこっちに戻ってきたよ。
聞くまでもないと思うけど、
「どうだったかな?」
「はんっ、まるでダメだ。人を笑うだけ笑っておいて全然取り合おうとしない。話にならないな」
「そっか、それは災難さんだね」
同情するよ。
「ああ。まったく、このギルドはどうなっている。話の出来るヤツはいないのか」
「時間帯で層が変わるから仕方ないよ」
フェチョナルさんが聞いたらそうなるよ。
たぶん子どもがする無垢な質問だと思ったんだろうな。
「ちょっとタイミングが悪かったかな。また出直した方がいいかも」
「そうだな。ここにいても気分が悪くなるだけだ」
うん、出ようかな。
「おい、ステューシーとやら。お前も内心笑ってるんだろ」
「へっ?」
「顔にそう出ているからな。卑しい男共の目は誤魔化せても、私の目は誤魔化せないぞ」
ステューシーさんに当たらないでほしいな。
街を、テクテクさん。
「──あん? なんだお前ら、2人して俺に何か用か?」
おじさんを発見したよ。
街中をブラブラしているところをエンカウント。
さっそく質問するよ。
「古代兵器ぴーちゃん? なんだそりゃ? 何を聞いてくるかと思えば、なんでまたそんな物を」
「なにか知ってたら教えてほしいな」
情報さん求むだよ。
「あー、悪いが力になれそうにねえ。あいにく都市伝説なんぞに興味ねえもんでな。第一ソイツを見つけてどうするつもりだ。ひょっとしてアレか、世界征服でもすんのか?」
するワケないよ。
もっと真面目に答えてほしいな。
「俺は忙しくてな。弟子2人に構ってる暇はねえんだ」
「弟子になった覚えはないぞ」
右に同じくだよ。
「おじさん、全然忙しそうには見えないよ」
ただ街をブラブラしてただけだよね。
昼間っから良いご身分さんだよ。
「ケッ、失礼なヤツだな。俺はいま人探しで忙しいんだよ」
「人探し、なにかな?」
「なんだ、お前知らねえのか? 近頃"身に染める者たち”って言うカルト教団があってよ。その教祖に莫大な懸賞金がかかってるんだよ」
えっ、あの人が?
指名手配されてる?
「ああ。何でもこの街の貴族様きっての依頼らしい。報酬が凄まじいから、ギルドでもちょっとしたお祭り騒ぎになってんだよ」
フェチョナルさん。
その貴族ってたぶんペルペル伯爵のことだよね。
そっか、あれからギルドに依頼してたんだ。
「報酬さんってどれくらいかな?」
一応参考程度に。
「ああ、この張り紙によると……」
えっと、フェチョナルさんが言うには、
お金の話は内密に。
ちょっと教えられないな。
「はえ〜、ものすごい金額……」
私の今のお給料のザッと十数倍。
まあ、あれだけ酷い目に遭わされてるんだから、この金額もうなづけるよ。
「そう言うこった。まっ、顔も恰好も分からねえから探しようがねえんだけどな。さて、どうしたもんかねえ」
本気で探す気あるのかな。
「お前らもどうだ? どこぞ古代兵器なんぞよりかは可能性あると思うが」
ふ~ん、
「それよりもステューシーさんをデートの一つや二つに誘ったらどうなのかな。付き合ってるからってのんびりしてたらダメだよ。すぐに愛想つかれされちゃうよ」
まだ手すら繋げてないよね。
「お仕事よりも彼女さん優先だよ。その辺ちゃんと分かってるのかな」
「ぐっ、そういうお前だって何か浮ついた話はねえのかよ。一応年頃だろ」
「話をそらさないでほしいな」
「まっ、お前に限ってあるワケねえよな」
むっ、そうだけど。
なんか言い方がムッと来るよ。
「それがプロソロ、案外そうでもないぞ」
「あん? ブロード、ソイツはどういうことだ」
「実はな……」
私に聞こえないように、ゴニョゴニョって。
「ほう、すげえな。アイツとデキてんのか」
「ああ、しかもこれが結構熱々なんだ。この前なんてほっぺにチューを」
「ほほう、貴族の坊ちゃんを引っ掛けるとはやるねえ」
何なのかな。
2人してニヤニヤしてるよ。
「もうっ! フェチョナルさん!」
デマさん広めないでほしいな!




